山形での釣り
6月の山形は渓流天国。山菜料理を堪能して、魚釣りも堪能した。
山形での釣り
6/5 月布川支流
朝4時半、いつもの川の同じ場所に着いた。橋の上からのぞきこむと水量は少ないが
釣りが出来ないほどではない。これで釣りになるのか?というくらい月布川本流がま
るで夏の渇水期のような少ない水量だったので心配だったが、この川はまずまず釣り
にはなりそうなので安心した。
友人二人は上流へ、私は本流の出合いから釣るために下流へ歩く。早朝の空気はしっ
とりと湿り気を帯びている。空は雲が一面に広がっているが雨が降るような気配のな
い高い雲である。
出合いから入渓する。いつもそうなのだが、朝一番はキャストが狂う。ライントラブ
ルが続くが、徐々に慣れてちゃんとキャスト出来るようになってくる。橋下の細長い
プールのひらき部分に小さいブッシュがある。その横を流すとバシャっと魚が飛び出
した。心の準備が出来ておらず、合わせられなかった。う〜ん調子がいま一つだ・・
両側からせまるブッシュを避けながら釣り上がる。流心に沈み石のある好ポイントで
20センチのヤマメが出た。今回はベストの背中に携帯の水槽を持ってきているので
早速その水槽で写真を撮る。きれいな月布ヤマメである。同じ場所で同型のヤマメを
釣る、これもやはり撮影してリリースした。
更に釣り上がり、例のポイントに着く。3メートルの護岸の上から釣る、一昨年から
通っている通称kurooポイントである。尺ヤマメをバラしているポイントだ。護岸の
上から影を見せないように慎重にキャストする、3回目にいきなり出た。
バシャッと反転する白銀の魚体!ロッドを合わせたと思った瞬間、ラインが宙を舞う
あれれ・・??はずれた・・??と思って良く見ると毛針が無い!痛恨の合わせ切れ
である・・・残念無念。
その後しつこく攻めて岩魚を2尾釣ったが、その大ヤマメは二度と顔を表すことは無
かった。今年もだめだった・・・。その上流で20センチのヤマメを釣りさらに18
センチを追加。大ヤマメには振られたが他は好調である。9時になったので川から上
がる。今日は寒河江の「秀」さんと待ち合わせているのだ。
「秀」さんの車は9時半にやってきた。久しぶりに会うのだが、そんな事を感じさせ
ないきさくな人でもある。「秀」さんの車に乗って朝日川に向かう。私がヤマメを釣
りたいと言ったので、それならば朝日川でということで案内してもらった。
6/5 朝日川
食料を仕入れ、釣り券を買って朝日川に入る。護岸の少ないきれいな渓流だが、平日
だというのに車が停められる場所には全て車が停まっており、入渓している人は意外
に多いようだ。それでも何とか場所を探して車を停め川に入る。最初のポイントでは
小ヤマメの襲撃に驚かされた。深い流れの底から矢のように飛び出し毛針の手前でU
ターンする。何度も出るのだが全て手前でUターンしてしまう。結局ここでは釣れな
かった。
「秀」さんは最初ルアーで釣っていたが、その後テンカラで釣っていた。そのスタイ
ルはまさに「安楽」。大きな岩の上に座り、下の流れに向かって竿を振っている。
まさに「安楽教教祖」の面目躍如である。
16センチのチビヤマメがかかったので写真に撮る。その後広いプールで次々にライ
ズが起きたのだが毛針には見向きもしないライズだった。2度出たのだが、またもや
合わせ切れ!・・・ウ〜〜ン、この合わせ切れ対策を何とかしないとなあ・・・
午後、下流へ移動する。人のいない下流部なら釣れるだろうという読みだ。河川公園
の横から入渓するが、アタリも反応も無い。しばらくしてやっと22センチのヤマメ
を釣った。引きの強い幅広タイプのきれいなヤマメに大満足である。
6/5 寒河江川のキャッチ&リリース区間
夕方、大井沢の民宿「丸八」に送ってもらった。この宿の前が寒河江川のキャッチ&
リリース区間だ。夕食迄の2時間をここで釣ることにする。教えてもらった吊り橋か
ら入渓するが、しばらくは太い流れにポイントが分からず闇雲にキャストを繰り返し
ていた。
徐々に慣れてタルミ中心にフライを投げるようにした。そして流心に立ち込み、対岸
のタルミにダウンクロスでフライを流し込んだ時、突然、ガツンと衝撃が走った。反
射的に竿をあおったが竿が重い! グングンと強烈な引きが手に伝わってきた。ライ
ンをたぐるが魚が下流に走る。それを耐える、竿は満月のようになって水圧を耐える
「切れるなよ・・切れるなよ・・」とつぶやきながら慎重にたぐる。魚は右へ左へと
走る。しばらくして上がってきたのはヒレの大きい28センチの岩魚だった。
キャッチ&リリースという行為が釣る楽しさを保証することは外国の例を引くまでも
なく明らかだ。この寒河江川のキャッチ&リリース区間は地元の有志が漁協に呼びか
けて実現したものだ。全国にこのような場所が広がると日本の釣りも楽しくなる。そ
んな事を実感する釣りが出来た。宿に帰る足どりも軽い。
夕食。この民宿「丸八」は山菜料理が自慢の宿である。テーブルには今旬の山菜料理
を使った料理がズラリと並んでいる。山ウド・赤ミズ・ぜんまい・わらび・ネマガリ
タケ・ウルイなどが酢の物・煮物・鍋物・味噌汁になって出てくる。サクラマスの刺
身、山女魚の甘露煮、きのこ炊き込み御飯がズラリと並んで食欲をそそる。風呂上が
りのビールで始まった夕食はにぎやかな釣り談義とともにいつまでも続いていった。
6/6 東大鳥川
6月6日 朝8時、山形市の都筑さんと民宿の前で待ち合わせた。やけに寒い朝で民
宿の人もこんなに寒いのは今までにないことだと言っていた。今日の釣りへの影響が
気になるところだ。予定より少し遅れて都筑さんがやってきた。車には久しぶりに見
る愛犬クロの顔があった。
車は雲の低くたれこめた山に向かう。目的地は東大鳥川である。車の中でいろいろな
話をする、山形ほどの渓流天国でも年ねん魚影は薄くなっているそうだ。地元でも寒
河江川のキャッチ&リリース区間の成りゆきは注目されているそうである。
車は大鳥川に沿って走っている。荒沢ダム下流域は川というより干上がった水路のよ
うな印象を受ける。ダムが出来て下流の川がどうなるか?の見本のような川である。
これからダム建設の計画がある自治体はこの川を見てから決めると良い。ダムの下流
は川ではなくなるのだ。
上流の東大鳥川に入る。河床の石が白く、明るい渓流だ。都筑さん、クロと三人で釣
り上がる。しばらく釣り上がったところで都筑さんが岩魚を釣った。アメマス系の白
点の大きい岩魚である。その後相互に釣り上がるが、私には1回だけあったライズを
合わせ切れしてしまい、釣果なし。場所を移動することにした。川から上がり、林道
を歩いて車に戻る。この林道の両側の木が素晴らしい、ふた抱えもあるような栃、楢
が天高くそびえ、広い空間を作っている。木々の間を通り抜ける風が心地よい。クロ
がトットッと先に行く。
午後入渓してすぐ私の竿にアタリ!バシャバシャと大騒ぎしながら寄ってきたのは、
23センチの太った岩魚だった。スレがかりだったが、何はともあれ大鳥岩魚をこの
手で釣る事が出来た。撮影用の水槽で写真を撮ってリリース、横でクロがじっと見て
いた。
そのすぐ上流で都筑さんが釣った。幸先よし!この川は釣れる・・・と思ったのもそ
こまで。絶好のポイントが続くのだがアタリはまったく無くなってしまった。更に上
流へ都筑さんが案内してくれる。ここは少ない水の流れがポイントで、なるべく遠く
からキャストしてリダー部分のみを水に流す釣り。言ってみればラインは全て河原に
残るような釣り方で釣れと言うのだ。昨年ほしさんの奥さんが40センチの岩魚を釣
った場所である。とにかく難しい釣り場だった、持てる力と技を使ってありとあらゆ
るポイントにフライを流したが反応は無かった。う〜〜ん 腕が未熟だ。
この川でこんなに釣れなかった事はない!っと都筑さんは嘆くが、岩魚釣りの時には
ままある事で私は特に気にしていない。きれいな河原で思いっきりキャスティングが
出来たので満足である。夕方までやって切り上げ、都筑さんに今夜の宿柳川温泉に送
ってもらう。都筑さん、一日案内していただいてありがとうございました。