西別川の痛恨!

北海道OLM-1 一生後悔するかも知れない痛恨のバラシ。


北海道OLM-1 西別川の痛恨!

7月9日 羽田空港、北海道OLMに参加する東京組の面々が集まってきた。薮の高橋さん
野村さん、岳勝さん、少しおくれて白瀧さん。久しぶりの顔合わせで、おきまりのビール
で乾杯とあいなった。MICKYさんさんが姿を見せないので心配していたが飛行機は我々の
心配をよそに定刻で出発してしまった。高橋さんが「大丈夫、あの人は普通じゃないから
遅れても絶対来るから、大丈夫、大丈夫」と叫んでいる。              

中標津空港に定刻通りに到着。すぐにレンタカーを手配し、かわいい空港の食堂で腹ごし
らえを済ます。車には二組に別れて乗車する。高橋さんと白瀧さんは釣り具を持参してい
るので、集合場所へ行く前に釣りをすると言う。野村さん岳勝さん私の三人は荷物を送っ
てしまったので、集合場所に行かないと釣り道具はないので別行動となった。     

野付半島を観光ドライブして、集合場所の尾袋沼青少年キャンプ村に行く。待つこと30
分あまり、ひろしさんの車がやってきた。バンガローの鍵を開けて荷物を運び込む、きれ
いで広いバンガローである。そのうち新谷さんの車、 Kuny'sさんの車が到着する。いず
れも荷物でぎっしり、これが全てバーベキューの食材なのだ!すごい量である。    

西別川さんの車も到着。今さらながら私が送った荷物の大きさが負担になったであろう事
を、申し訳なく思う。ともあれ、無事に荷物を手にする事ができた。新谷さん、ハミング
ウェイさんとは初対面だ、簡単に挨拶を済ませる。早速バーベキュー準備にとりかかる。
キャンプ場の中央にバーベキューハウスがあり、そこへこの大量の食材を運ぶ。バーベキ
ューハウスの3間を専有して炭おこしやら鍋の準備やらホタテの刺身作りやらホヤ解体だ
とか、それぞれが作業を始める。ムラサさん道草さんも合流するが、高橋・白瀧組が姿を
見せない。まだ釣りをしているのだろうか?                    

バーベキューは豪華な食材がズラリと並んだ。花咲ガニ・毛ガニ・ホタテ・岩カキ・ツブ
貝・北海縞海老と超豪華版である。私は新谷さんとホタテの刺身作りに挑戦する。ハミン
グウェイさんは慣れた手つきでホヤを解体している。山男魚さんは炭おこしを担当してい
るが、その手には早くも缶ビールが握られている。                 

高橋・白瀧組も合流して、にぎやかに北海道OLM前夜祭の開催となった。西別川さん・ひ
ろしさんの挨拶で乾杯となり、後は大ブレイク。黙々とカニを食べる男達、口角泡を飛ば
して明日の釣りを語り合う男達、釣りバカ13人の大宴会が始まった。私、山男魚さん、
高橋さんの飲兵衛トリオが一段と騒がしい。野村さん岳勝さん白瀧さんは自重気味、ムラ
サさんKuny'sさん新谷さんは静かに飲んでいる。西別川さんひろしさんハミングウェイさ
んは何かと世話をやいてくれている。道草さんがやけに陽気だ、新婚だからかな??  

全員飲んで食べて、満腹になって、大満足でバーベキュー終了。後片づけをしてバンガロ
ーに戻り、二次会の始まりだ。ひろしさんがモバイルで実況中継をしている。ヘロヘロに
なりながらまだ飲む、困ったもんだと自分でも思う。ひろしさんが持ってきたタリスカが
あっという間に無くなる。明日は早いのに大丈夫なんだろうか?           

朝4時、「起きろ〜、朝だど〜、釣りに行くど〜〜」という山男魚さんの叫び声で目を覚
ます。頭が痛い、飲みすぎだ・・・ガンガンする頭を抱えながら急いで着替える。忘れ物
のないようにしなくては。昨夜クジ引きで決めた今日のメンバーは道草さん、ハミングウ
ェイさん、白瀧さんの4人である。私は、道草さんの車に乗る。           

コンビニで朝食の買い込み、そして出発。ところが、ここで一大事。ハミングウェイさん
の車が無い! どうやらコンビニから出て反対方向へ走っていってしまったようだ。さあ
困った、連絡の取りようがない。小雨の中全員が集まって相談するがどうしようもない。
待つこと10数分、車が来た! 良かった良かった、これで一安心。         

上陸地点に車をデポして入渓点に行く。上流組はすでに準備を済ませて歩き始めている。
我々も急いで準備する、送電線が入渓点の目印だ。私が先頭で歩き、西別川へ向かう。踏
み跡がしっかりしているので道も分かりやすい。背丈ほどもあるフキの林をかき分けるよ
うに進み、足元が見えないヤブをこいで川岸に到着した。深さが分からないので、慎重に
川に入り、対岸の浅い場所へ行く。河原がないので釣り仕度をする場所がないのである。

隣で白瀧さんが同じように釣り仕度をしていた。下流がちょうど良いひらきになっていて
ルアーの調子を見よう思ってラパラを投げて引いてみた。ところが、いきなりガツンと竿
に衝撃があり、魚が釣れてしまった。ネットに納まったのは22センチほどのアメマスだ
った。準備をしていたみんなもビックリ、こんなに早く釣れるとは・・・幸先がいいぞ。

4人で釣り下る。ハミングウェイさんがフライ、白瀧さんが餌釣り、私と道草さんがルア
ーである。最初にいきなり釣れたのはいいが後が続かない。ポツリポツリという感じで2
〜3時間が過ぎてしまう。西別川の流れは重い。川の中を下りながら、足先が深みを感じ
た地点で止まろうとするのだが流れの重さに止まりきれず流されるように胸まで水につか
ってしまうような場面が何度かあった。渡渉には4人ともそれぞれに苦労している。  

道草さんとポイントを譲り合うように釣っていたが、下流が開けた場所でいきなりそのア
タリがあった。ガツンという衝撃が竿にきた! アタリだ!と思った瞬間白い水しぶきが
上がり魚がジャンプした。アッっと言う間もなかった。竿先の気配は消えて軽くなってい
る。何が起こったのか分からず呆然としてラインを巻くと、ラパラが無い!「切れた〜」
横で道草さんが「惜しかったね〜40センチはあったよ!ニジだよニジ!」何てことだ。

6ポンドのラインが切れるとは・・・・何てことだ。また同じ魚が大きな水しぶきを上げ
てジャンプした。口に付いたラパラをはずそうとしているのか、それともヘボ釣り士に勝
ち誇っているのか?・・・く、悔しいぞお〜〜  あっ またジャンプした。     
道草さんはしきりに慰めてくれるが、何とも気持ちが納まらない。あ〜あ何てこった・・

もし、あれを取っていればトロフィーは間違いなかったね〜などどと話しながら道草さん
と釣り下っていったが、ものの10分もしないうちに再度の衝撃を受けることになる。 

何気なく倒木の影にラパラを投げた時だった。水底の影がグワッと動いた。「魚だ!」竿
を思いっきり強くあおると、ガツンという衝撃が腕に伝わって来た「デカイ!魚だあ!」
と大声で叫ぶ、リールを巻こうとするが竿が満月のようになっていてリールが巻けない。
体側が赤茶色の巨大な魚が二度三度と水中でうねるように反転する。赤茶色の胴に白い斑
点が鮮やかに浮かぶ、アメマスだ! デカイ!!                  

更に大きい合わせをくれようとした途端、巨大なアメマスが大きく反転した。瞬間、ルア
ーがはずれ竿がピンと一本の棒になってしまった。呆然としている私に道草さんが近づい
てきて言った「惜しかったねえ、僕の腕くらいあったよ。あれは60センチオーバーだよ
スゴイ、スゴイ・・・」聞いている私は頭の中が真っ白で呆然としたままだった。   

まさに痛恨のバラシである。 まだ手が震えている。                

「上げていれば絶対トロフィーサイズだったよね〜」と道草さんは言ってくれるが、逃が
した魚は大きい。釣り上げなければ何にもならないのだ。それにしてもあんな魚がいるん
だ、本当に・・・何という川なんだろうか?川の魚があんなにも大きくなるものなんだ。

ハミングウェイさん、白瀧さんは苦戦しているようだ。道草さんもアタリが遠くなってき
た。時間も少なくなってきたので上がる事にする。私の頭の中はバラしたニジとアメマス
の事でいっぱいで、あやうく「沈」しそうになり、右腕をズッポリ水中に突っ込んでしま
ったので、右腕がビショ濡れである。上がる事に異存はない。            

デポしてあるハミングウェイ号まで来るとさすがに今日の釣りが終わった事を実感した。
集合場所の送電線下に行く。上流組がすでに来ていてKuny'sさんが「沈」して大変だった
と言っている。ひろしさんが迎えに行ったまま帰ってこないのだ、心配である。釣れた中
では山男魚さんの32センチアメマスが最高だったようである。           

しばらくして、ひろしさんの車が帰ってきた。Kuny'sさんも無事だ、着替えを持ってきて
いたのだそうで、準備の周到さに驚いた。全員揃ったので昼食にしようという事になり、
上春別の町のレストランへ行く。食事をしながらバラした魚の話になり、西別川さんに攻
められる。「だから言ったでしょ、あのラインはだめだって。kurooさん、それって一生
後悔するかもしれないよ」・・返す言葉が無い。以前にトラウトスペシャルは結束強度が
弱いのでスーパーソフトに替えた方がいいよと言われていたのである。師の教えにそむく
からこんな事になる、自業自得である。                      

昼食後、尾袋沼のキャンプ場に帰る。ほとんどの人が温泉に行くと言うが、私とひろしさ
んは一発大物狙いの宝クジポイントへと向かう。時間があまりないので急ぐ。昨年と同じ
場所に車を止め、牧場を横断するが、半分以上の牧草が刈ってなくてヤブ漕ぎ状態になっ
てしまった。これは疲れた、足がぱんぱんになり、ももがつりそうになってしまった。 
おまけにやっとの思いで入った宝クジポイントではアタリ一つ無い完全ボウズとなってし
まったのである。何だか疲れに行ったようなものである。              

6時半に尾袋沼のキャンプ場に帰ると、すでに焼き肉バーベキュー大会が始まっていた。
鍋の材料を買ってきたので、あさり汁を作ることになり、焼き肉を食べながらその準備を
する。焼き肉といいちこのお湯割りがおいしい。今日も寒いのでお湯割りがうれしい。 
鍋いっぱいあさりが入った豪快なあさり汁が出来上がると次から次へとおかわりが進む。
こんな寒い夜は汁物があたたまって良い。あいかわらず酒がすすむが、昨夜の反省から、
今日は早めに寝ることにした。