川辺川でヤマメを釣る
勝三郎さん安藤博士さんと川辺川の支流でヤマメを釣った。
川辺川でヤマメを釣る
熊本県川辺川、ダム工事で注目されているこの川で竿を振るのは1年ぶりになる。
昨日の雨でまだ増水しているが釣りにはちょうど良いかもかもかもしれない。勝三
郎さんの車で甲佐町から峠を越えて川辺川水系に入る。山は深く、川岸は切り立っ
た崖となっていて入渓点を探すのが難しい。この川辺川水系はどこもこんな感じで
ある。誰も知らない入渓点を探すことが出来れば大釣り出来るだろうと勝三郎さん
は言う。ただ、私にはそれを試す時間と勇気はない。
川が二股に分かれた集落の下流から入渓する。急斜面を立木にすがりながら河原に
降り立ち、テンカラの仕掛けを伸ばす。増水した水は岸の草を水中に飲み込んでい
る。川面を見てポイントを探しながらワクワクしてくる。
勝三郎さんはフライだ。自作のバンブーロッドが出来上がったのでそのテストを兼
ねての試し釣りになる。ゆっくりとアクションを確認するようにロッドを振ってい
る。最初の魚は勝三郎さんに来た。18センチほどのきれいなヤマメだ。
私はどうも苦戦している。チビはアタックしてくるのだが針掛かりしない。次も勝
三郎さんに来た。「これはヤバイ・・・」と少々あせる。魚がいる事は分かった。
丁寧に釣れば必ず釣れるのだと自分に言い聞かせるようにテンカラ竿を振る。
先週の岩手の藪沢と違って魚の付き場が分からない。勝三郎さんが「仕掛けをもう
1メートル長くした方がいいですよ。」とアドバイスしてくれた。そのアドバイス
通りにハリスを流しすると、あら不思議!ラインがスルスルっと伸びていく。接近
せずにポイントに毛針を投げられるようになってきた。
そして、流れの巻き返しでやっと待望の1尾がヒット!浮かんでいたエルクヘアカ
ディスを横っ飛びでくわえたのは18センチくらいの体側が朱色のヤマメだった。
昨年見た本流のヤマメよりも色が濃い。鮮やかなその色にしばし見惚れる。
その後はポンポンと釣れ続き、小休止までの間に5尾のヤマメが釣れた。特に、対
岸で安藤さんが「小休止だよ〜」と出来上がったホットドッグを持ってきてくれた
目の前で釣ったヤマメは嬉しかった。会心の釣りだった。
小休止のホットドッグは旨かった。こういう場所でかぶりつくホットドッグがこん
なにも旨いものだったとは思わなかった。いつもコンビニのおにぎりだけを食べて
いると、暖かいホットドッグがご馳走なんだとよく分かる。
安藤さんがしきりに「kurooさんはポイントが違う。」と言うので聞いてみると、
どうやら私は渕尻から毛針を落とすが、この川では流芯の一番のポイントに直接振
り込むのがセオリーなのだそうだ。そういえば勝三郎さんはいきなり真ん中に投げ
るのでずいぶんと驚いていたのだ。そういう事だったのか・・・。
確か去年もポイントの違いで悩んでいたような気がする。我ながら進歩がない。
小休止の後は安藤さんも加わって3人で釣る。交互に先行しながら釣り上がる。安
藤さんは左利きで華麗なロッド捌きを見せてくれる。ちょうどそのあたりから魚の
出が渋くなったのは残念だった。
二股の合流点に来た。「ここは出ますよ」と勝三郎さん。野村さんが前回ここで釣
ったのだそうだ。合流の巻き返し、白泡の向こう側に絶好のポイントがある。安藤
さんが見ている目の前だ。慎重に振り込む。流し終わる瞬間にガバッと出た!
あまりに見事に出たので早合わせ!空振り!!
安藤さんが「くう〜〜惜しかぁ、今のはデカかったバイタ・・」と大喜び。いやあ
見事にはずしました。
その後更に上流に行く。今後は勝三郎さんが投げたフライを見ていなくて、大きな
ライズをはずした。安藤さんと私は大喜び。勝三郎さんは「いやあ、見てない時に
限って出るんだからなあ・・・」と悔しそう。その後アタリが無くなったのと吊り
橋の脱渓点に来たので納竿した。川辺川のヤマメ7尾と遊んでもらいました。
安藤さん、勝三郎さんありがとうございました。川辺川のヤマメは健在でした。