山形最高!都筑さん。
都筑さんとの釣り。深い森と清冽な流れ、美しい岩魚たち。
山形最高!(2)
6月5日、朝7時、大井沢の民宿「しずか」に都筑さんが迎えに来てくれた。
愛犬クロも一緒だ。一年ぶりに会うクロは、相変わらず元気なので安心した。
今日は友人2人もテンカラの勉強をしたいという事で都筑さんにお願いして
同行する事になった。前日の私の爆釣が刺激になったらしい。
行く先は昨日と同じ川。道中都筑さんの車に乗り、一年ぶりの会話を楽しむ。
目的の川に着き、まだテンカラで釣った事のないKさんに都筑さんが指導して
くれる。そして指導の3投目、うまく毛針が飛んでふわりと落ちた瞬間、バ
シャっとライズ!「おお〜〜〜!釣れた釣れた!」Kさん大感激。う〜〜〜む
さすがに都筑師匠、これには脱帽。レベルラインテンカラの威力はすごい。
すぐに上流に向かい、4人で釣り登る。Kさんも慣れて来たので私と都筑さん
は別れて上流に向かい、昨日脱渓した堰堤まで歩き、そこから入渓した。とこ
ろが・・・魚の反応がない・・・私の毛針にも都筑さんの毛針にも出ない。
ここなら絶対!というポイントでも出ない。2人で顔を見合わせて「先行者で
すかねえ?」と私「う〜ん、そうかも知れないけど、まあ上に行きましょう」
と都筑さんは落ち着いたもの。
そのうち、いきなり釣れだした。たて続けに3尾ポイントごとに出た。その後
はもう、ここぞという場所では必ず出るという状態になった。「山菜採りの人
がさっきの場所だけ川を歩いたんでしょう」という言葉に深くうなずいた。一
瞬でも下流へ戻ろうかと思った自分が恥ずかしい。
左手の山腹に登山道があり、山から下ってきた登山者が5人、我々を見ている
。帽子を取って挨拶したらにっこり笑ってくれた。昨日の「秀」さんのように
彼等の目の前で釣ってやれなかったのが残念だった。
クロが横を歩いている。渓流犬クロはポイントが読めるのか、ここぞという場
所では絶対に先行しない。鳴かないし、吠えない。我々と同じ気持ちで渓流釣
りを楽しんでいるようだ。魚が釣れると寄ってきて見ている。クロが人間だっ
たらきっと竿を振っているに違いない。まあ、間違いなく釣りキチだろう。
都筑さんのキャストは見事だ。どんな場所でも難なく振り込む。私が何度も流
して「ここは出ませんね」と振り返ると、「そうかなあ?」と言いつつ竿をひ
と振り。「ほら、釣れた」と岩魚をバシャバシャさせてくれる。これにはあき
れてしまった。まあ、腕の違いは歴然としているので悔しくはないが、上手に
振り込めたらなあ・・・と思ってしまう。
「この辺で休憩しましょう」と言ってくれた場所は、巨木の林の中だった。
ミズナラ、カツラ、サワグルミの巨木が回りを囲み、広い緑の空間を作ってい
る。斜面にはこれまた巨大なブナの木が両腕を伸ばすように天に伸びている。
広い両岸はシダが密生していて緑の絨毯だ。ここでは人間が一回り小さく見え
る。気分は最高だ。都筑さんが言う「これが山形なんですよ、いいでしょう。
安谷さんにも是非見てもらいたいなあ・・・」
そのまま緑に溶け込んでしまうような空間に身を置いていると、つくづく渓流
釣りをやっていて良かったと思う。おにぎりを食べ、川の水を飲み、アタリメ
をクロと分け合って食べる。ビールがあれば祝杯といきたいところだ。
休憩後も相変わらず釣れる。昨日は雨、今日は晴れているが関係なく釣れる。
まして、上流に行くに従って型が良くなる。都筑さんは黒毛針に変えて、ポン
ポンと面白いように釣る。黒毛針恐るべし・・・・。
約束の時間だから上がりましょう。という言葉の後、3尾たて続けに釣れた。
それも良型!!・・・もう大満足である。ここまででなんと24尾。
待ち合わせの時間に集合して川を変える。次の川でも二手に別れて入渓する。
ここは2時間弱の釣りになる。この川の最初の1尾目はじつに嬉しかった。都
筑さんが「毛針を見切られた。あそこにいるからやってみて」と場所を譲って
くれたのだ。エルクヘアカディスを振り込んだ1投目、ピックアップ寸前にバ
シャっとアタック針掛かりしたまま右へ左へハリスを糸鳴りさせて走る岩魚。
やっと抜き上げると、丸々と太った24センチ。都筑さんの後で釣れたのがと
にかく嬉しかった。これは記念の1尾。
この川も堰堤で納竿。最後の1尾を粘って釣った頭上には幹回り5メートルは
あろうか?というイタヤカエデの巨木が森の主のような姿で立っていた。これ
ほど風格のあるイタヤカエデは初めて見たので感激した。
この川での3尾を加えて、1日で27尾!。きのうの26尾を超えた・・。
何という贅沢。何という至福。山形の自然の豊かさを満喫させてもらった。
案内してくれた都筑さんのおかげで、我が釣り人生最高の日となった1日でし
た。都筑さん、本当にありがとうございました。