北海道の釣り


1996年7月6日昆布川
夜半から雨、小樽のホテルで朝4時に目覚めた。札幌の菅(すが)さんが 
5時半にホテルまで迎えに来る。雨はずっと降り続いている。      

途中、尻別川を渡る。満々たる大河!とても私の腕前では手の出しようが 
ない。北海道の川の大きさを実感する。                
昆布町で国道から左折し、昆布川に沿って上流へ向かう。しかし、その昆 
布川は茶色の濁流が川幅いっぱいにゴウゴウと流れている。いやな予感‥ 

10キロほど上流でその原因が分かった、河川工事だ! なぜこんな所を工
事する必要があるんだ!? 畑もろくに無い、原生林の中を三面護岸され
た昆布川が茶色に流れている。そこまで行って上流へ行く気が無くなった。

これでは釣りにならないので下流へ下り、支流を探すことにする。幸いすぐ
手前に支流があり、水色を見ると以外に良い。ただしこれも三面護岸された
牧場の中を流れる水路のような川だ。                 

昆布川との出合いまで行き、菅さんと二人で竿を出す。しばらくして菅さん
に34cmの岩魚が出た! 私には14番のエルクヘアカディスに22cmの幅広
山女魚がヒット! 魚がいる!と思ったが私にはこれだけ。菅さんは餌釣り
で、24cmの岩魚、22cmブラウン、25cmアメマスと続けて釣り上げる。

ウグイは次々に釣れるが即リリース。三面護岸されたこんな細い流れによく
もまあこんなに魚がいるものだ!北海道の自然の豊かさに感心する。これで
濁りさえなければ本流で楽しい釣りが出来たのにと思うと残念でならない。

その後、場所変えをしたが、どの川も茶色に濁って釣りをする気になれず、
山越えして太平洋側に出たが、ここは高速道路工事(97年開通予定の道央 
自動車道)進行中で小鉾岸川はやはり三面護岸され水路に成り果てていた。

貫気別川も茶色の濁流で豊浦漁港は沖の方まで、茶色の濁りが押し出してい
る。漁業補償の問題も出ているそうだが、これを見ると分かる気がする。 
何で北海道の川はこんなに濁るのか?畑のせいか?道路工事、河川工事のせ
いなのか? 菅さんは「河川工事のせいさ」と言う。昔はこんなこと無かっ
たと言う。                             
朝のうちの雨はすっかり上がり、ピーカンになった高台で、茶色に濁ってい
く豊浦湾を見下ろしながら二人で長いため息をついた。