瀬音の森・源流部会


秩父大洞川水系市ノ沢 清掃山行



2006. 10. 14



●日時:2006年10月14日(土)                
●参加者:長南さん、吉瀬さん、石田さん、関さん、藤木(報告者)
●場所:大洞川支流市ノ沢                    

昨年に引き続き、1シーズンお世話になった渓流に感謝の念をこめてゴミ拾いを行った。
この谷に入るのは6〜7年ぶりだろうか、入渓が楽な秩父の谷の例にもれず大量のゴミが
捨てられていて、30分ほどで大き目のレジ袋2個分ものゴミを拾い、ザックを一杯にし
て帰ってきた記憶がある。イワナもほとんど釣れず、それ以来、足が遠のいていたのだが
、入渓点を通るたびに釣り人と思われる車が止まっているのを見る度に、またゴミの山に
なっているのだろうなと気がかりでいた。                     

朝10時半、予定よりもだいぶ遅れてスタートした。天気予報に反して霧のような雨が降
っていたが、どうにかあがってくれたようだ、このまま回復してくれることを祈りつつ林
道から下降する。大洞ダムが近づくにつれ放水の轟音が大きくなる、先週の大雨の影響が
のこっているのだろうか、普段は水のないダム下の渓が激流に洗われていた。市ノ沢も予
想通り増水気味であったが遡行には問題ないレベル、堰堤の上から入渓してゆっくりと遡
行を開始する。                                 

大洞ダムを渡って行く。 市ノ沢の流れ。

以前来た時のイメージが残っている為、あっという間に袋が一杯になってしまうと思って
いたが、予想に反してゴミは少ない。先週の台風崩れの低気圧が洗い流してくれたのだろ
うか?と思い水線から離れたところを物色しても、だいぶ時間の経ったゴミが申し訳なさ
そうに半分土から顔を出している程度で、よく見かけるミミズの空き箱やらブドウ虫の容
器などはまったく落ちていない。ほんの2週間前まで釣り人が大勢入っていたはすなのだ
が。。釣り人が休憩や泊まりに利用しそうな台地状の河原などでいくつか見つかるゴミも
何年か放置されたものが多い。ひとつだけ、つい先日捨てられたと見られる弁当の容器が
あった、秩父の沢には禁漁後も平気で竿を出す人間も多いので、これもそういった輩の残
したものかもしれない。                             

ひと息つく。 さらに上流へ。

晴れ間は見えないものの雨が落ちてくることもなく、暑くも寒くもないなかなかの陽気だ
。ゴミが少ないので気持ちよく遡行し、1時間半ほどで昼食の休憩。少ないとはいえここ
までの遡行で各自レジ袋一つ分くらいの収穫があった。せきともさんはどこで拾ったのか
一升瓶の空き瓶を抱えていた。かつての伐採作業に携わった人たちの置き土産だろう。出
発が遅れたので予定の脱渓点までたどり着けるか心配だったが、このペースなら問題なさ
そうだ。時間の心配がなくなるとだいぶ余裕が出てくる。ゴミ拾いのついでにキノコなど
物色しながら遡行していると今日初めて瀬尻からイワナが走った。竿を持っていなくても
魚の反応があるのは嬉しいものだ。                        

炭焼き小屋の跡。 この少し上流で。

気持ちよく遡行を続け、ほぼ予定通り終了点に到着。魚止めはまだ先だが、ここまでくる
とゴミもほとんどないので、ここでゴミ拾いを終えて怪しげな踏み跡を使って下降する。
途中、杉の造林帯を通ると、結構な山の中にもかかわらずきれいに間伐されていた。切り
捨てられた枝葉がまだ枯れていない所を見るとつい最近の施業のようだ。意外に手入れし
てるんだなあと感心しながら歩いていると、その先は巻き枯らし間伐の林。所々に枯れて
倒れている木を見ると少々怖い。風の強い日には歩きたくない所だ。         

ナメコ。 集めたゴミを前に記念写真。

3時過ぎに車に戻り、今日の収穫を前に記念撮影。その後手分けしてゴミを分別して各自
で持ち帰った。去年も感じたことだが、いざ拾ってやろうとすると、思ったよりもゴミは
落ちていないものだ。最近、渓を歩いていて以前ほどゴミが気にならなくなってきたよう
な気がする。ゴミを捨てる釣り人が減っているのか、捨てる人は減っていないが我々のよ
うに拾って歩く物好きが増えたのか。いずれにせよ渓の将来は多少はいい方向に向かって
いるのではないだろうか。間伐されて明るくなった林を歩きながら、そんなことを考えた
一日だった。(写真提供:安谷さん、長南)                    

打ち上げは焚き火を囲んで。