瀬音の森・源流部会


入川支流赤沢谷 清掃山行



2010. 11. 3



●日時:2010年11月3日(水)祝日                      
●参加者:安谷さん、長南さん、kazuyaさん、たんぽぽ屋台さん、JICKY(報告者)
●場所:入川支流赤沢谷                            

 恒例の荒川源流清掃山行を行った。                      

 前日まで仕事で大滝に泊まっていたkazuyaさんから連絡があり、先日の台風とその
後の大雨で川が増水しており、おそらく遡行は難しいだろうとの事。        
 延期か決行か迷ったが、せっかくメンバーの都合がついた好天の一日を無駄にしたく
なかったし、ここは沢沿いに道がついているので、最悪の場合はここから部分的に川に
下りるような形ででもゴミ拾いをしようと考えて決行することにした。       
 当日は秩父鉄道主催のハイキングが催されるとの情報を得ていたので、混雑を避ける
ためいつもより早めに朝8時に集合した。気温は3℃とかなり低いが日が差して風もな
く、あまり寒さは感じない。色づき始めた木々を眺めながら、気持ちよく森林軌道跡を
歩いて赤沢谷の出合に到着。                          

沢は増水しているので山道を行く。 水が少なくなったので沢に降りる。

 本流の増水を見ていたので大方の予想はついていたのだが、やはり水量が多くてここ
からの遡行は無理のようだ。そのまま登山道を登って上流を目指す事にした。    
 十文字峠への道を離れて赤沢軌道跡を進むと次第に川が近づいて来る。下流ほどでは
ないが、まだ水が多い。でももう少し登ればどうにか川通しに歩けそうだ。道沿いのゴ
ミを拾いながらさらに上に歩き、白泰沢出合の下流からようやく川に下りる。    

増水気味の赤沢谷を行く。 赤沢谷を遡行しながらゴミ拾いする。

 ほとんど谷幅いっぱいに増水の痕跡が残っていて、当然そこにあったかも知れないゴ
ミも流されてしまっていて見当たらない。谷が開けて河原状になった場所、テン場にな
りそうな高台を重点的に探してポツポツと収穫しながら遡行する。         
 今回は釣り人の残したゴミに限って拾うことに決めていた。この沢沿いは昔の造林小
屋跡があって、部分的に大量の酒瓶や粗大ゴミが散乱しているので、それを全部拾って
いたら大変なことになってしまうからである。これらはもはや遺跡としてこのまま残し
ておくしかないだろう。                            

赤沢谷を遡行する。 山はすでに秋の色に。


造林小屋跡はとても手がつけられない。 モミ谷出合いで休憩しているところ。

 水量が減って、落差もほとんど無くなってくると空が開けてモミ谷出合の河原。ここ
が今日の最終目的地。テン場として利用する人も多い場所なので、最後にこの周辺を徹
底的に探し回って遡行は終了。貧果とは言えそこそこのゴミを拾うことが出来た。初参
加のたんぽぽ屋台さんも、慣れない沢歩きに苦労しながら結構見つけていた。    
 日当たりの良い河原でゆっくりと昼食を取って、再度ゴミを探しながら道を下る。 
 時間も早いのでちょっと寄り道をして信玄ブナに会いに行くことになった。最近はこ
ちらのルートを歩かなくなったので、私は数年ぶりの対面だったが、やはりこの幹の太
さは格が違う。ここ数年で一帯のスズタケが枯れたため、根元まわりがスッキリとして
さらに太くなったような印象を受けた。                     
 ここで安谷さんから、ブナの殻斗に生えるという「ウスキブナノミタケ」というキノ
コを教えてもらった。忘れないようにと、長南さんとkazuyaさんが下山中何度も名前を
復唱していたため、基本的に食えないキノコは覚えない主義の私も、怪しい呪文のよう
に繰り返し唱えられるこの名前を完璧に記憶してしまった。            
 時間が早かったので、本流の出合からハイキングの参加者に追いついてしまう。  
 我々より一つ上の世代の元気な方々が大勢参加されていた。           
 最後に彼らの残していったゴミも拾いながら歩いて車に戻り、今日の収穫を分別。5
人分でレジ袋2つ分と少なかったが、最近のゴミの少なさと、大雨で流されてしまった
事を考えると良く集めた方だろう。                       

軌道跡を通って下山しているところ。 今回の収穫物。ゴミは少なくなった。

 近年ゴミが減った要因として「ゴミを捨てる世代」が山に入らなくなった(体力的に
来れなくなった?)というのが大きいのだ。という話が出た。確かに山に入る人に限定
すれば、年配の方ほどゴミの持ち帰りの意識が低いように思う。彼らにしてみれば、握
り飯を包んでいた竹皮を捨てるのと同じ感覚でビニールや発泡スチロールまで放置して
いたのかも知れないが・・・。                         
 いずれにせよ、毎年ゴミが減ってゆくのを実感できるのは喜ばしい事だ。我々の微々
たる活動も「沢の清掃作業」から「釣り人の意識向上の確認作業」に変わりつつあるの
かな?などと考えた秋の一日だった。