西別川へ行く3


2日目午後はひろしさんと送電線ポイントに入った。



二日目のお昼は西春別の「かつら」と決めてある。年に一度の常連という訳だが、
ここの料理はどれも美味しい。エスカロップ、カツカレー、オムライス、牡蠣フラ
イ、スパゲッティ、定食、ランチ、どれもこれもみんな美味しい。私はエスカロッ
プの大盛りを注文した。エスカロップとは微塵タケノコの入った山盛りバターライ
スの上にトンカツが乗り、ポテトと野菜サラダが添えられ、ドミグラスソースが掛
けられたもの。寒さに対抗する高カロリー食で私はここでしか食べたことがない。

三々五々メンバーが集まってきてビールを飲みながら午前中の釣果を語り合う。今
日はみんな良い釣りをしているようで、笑顔が輝いている。ひろしさんと久しぶり
の再会を果たし、午後は一緒に釣りをすることになった。SHINYAさんは【ピー】
を3本上げたそうだ。70センチオーバーの【ピー】にフックを伸ばされたとも言
っている。一緒に釣っていた西さんや足達さんもそれなりに良い釣果だったようで
、話しながらも午後の釣りに向けてルアーの調整に余念がない。        

すっかり満腹になったお腹で午後の送電線コースに入った。ひろしさんが案内して
くれるので安心だ。ただ、4人が交互に先頭を釣るのは何だかせわしいので、私は
最後尾をマイペースで釣り下ることにした。アメマスは目標をクリアしており、ニ
ジ30アップが残る目標だったが、ここで先行するのも大人げないし、明日の朝に
かけようと、ここはくろさん、わたるさんに先行してもらった。まあ、最後尾でも
それなりに釣れるし・・・。ひろしさんの後はちょっとつらいけど。      

そんな訳でポツポツと釣りながら回りを観察しながら下っていった。わたるさんが
声を上げて上空を指さす。そこには大きな鳥の姿が・・・タンチョウかナベツルか
すごく大きな鳥だった。倒木の影からひょいと顔を覗かせてサッと逃げたのはオコ
ジョだったかミンクだったか。名前の分からない白く小さく丸い鳥が水浴びをして
いる。渓畔林はケヤマハンノキとヤナギが大半で、サワグルミやヤチダモがチラホ
ラと顔を見せる。この自然が残されていればこそ魚が残っている訳だ。渓畔林の大
切さが痛いほどよく分かる川だ。周辺は全て牧場で緑は防風林のみ。この渓畔林だ
けが西別川の生命線と言っていい。巨大なフキも、トクサも、イラクサも深い藪も
川を守っているのだ。それでも以前より砂で埋まってしまったという。無理もない
ことだ。両側の果てしない牧場から雨のたびに土砂が流れ込んでいる訳だから。 

さすがに先行するほどは釣れないが、25センチ前後のアメマスを中心にそこそこ
に釣りを楽しんで下り、夕日が斜めに傾く頃に高見橋に到着した。3人とも満足の
顔である。私は終盤は腰が痛くて釣りをするのもやめて歩いているだけだった。い
やはや朝の3時から川に入り続けるとさすがに腰にくる。早く座って休みたかった
し、宿に帰って早く温泉に浸かりたかった。着替えてデポした車に乗り、送電線の
下に置いてある車をピックアップし、一路宿に向かう。さすがに疲れた。    

宿の温泉は冷えて疲れた体をじっくりと温めてくれた。宴会には少し遅れて合流し
、カニと鴨のすき焼きを中心にした豪華な夕食を楽しんだ。温泉に入った後に飲む
ビールの旨さは格別だった。この時に急いでいたのでデジカメを持って来るのを忘
れ、宴会の写真が撮れなかったのが残念だ。いよいよ山男魚さんが絶好調になって
きており、さすがの梅太郎さんもたじたじとなる場面が増えてきた。明日がピーク
になりそうだなこりゃ。                          

聞くと皆明日は知床に行くらしい。くろさんもわたるさんも午前中は西別川に入り
午後は知床に行きたいと言う。私は特に知床に行きたいとは思わないので、午後は
一人でムラサポイントに入ることにした。それにしても三日目が日曜日というのは
大変だ。朝が早くないとポイントに先行者が入ってしまい釣りにならなくなる可能
性があるからだ。三日目の朝も2時半に起きなければならない。そんな訳で本日も
11時前には寝かせてもらった。早起きしなくていい人はのんびり部屋で宴会の続
きをやっている。楽しそうな話し声を聞きながら一人布団で眠りについた。   



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