存続をかけて


J2存続をかけて水戸ホーリーホックの戦いが続く





とあるサッカー掲示板の書き込みからJ2の水戸ホーリーホックが存続の危機に立ってい
ることを知った。水戸は来季の存続条件の一つとして、Jリーグから「ホームの1試合
平均入場者三千人以上」の達成を提示されている。だが、今季ここまでのホーム開催試
合十四試合の一試合あたりの平均入場者数は二千五百六十一人。依然として残留条件の
目標数字には届いていない。                          

8月31日の新潟戦は、Jリーグの審判を受ける前の”最後のチャンス”。今回、九千
百四十六人を動員すれば、計算上は一試合あたりの平均動員数は三千人に届く。そんな
情報を知り、幸い浦和レッズの試合は広島で行けず、テレビ中継も無いことから、少し
でも足しになればと姪をを誘って笠松運動公園で行われる水戸VS新潟の試合を見に行く
ことにした。浦和レッズサポーターとしてではなく純粋にサッカーファンとしての行動
だ。今年J2の試合を見るのは初めてなので、今首位の新潟がどんなサッカーをするのか
にも興味があった。                              

和光市で姪を拾い、外環道から常磐道へと車を走らせる。会場の笠松運動公園はナビに
よると那珂インターから7キロとなっている。途中お弁当確保の為にサービスエリアで
休憩し、その後は一直線に会場を目指した。懸念された渋滞もなく自宅から2時間ほど
で笠松運動公園に着くことが出来た。駐車場の出口に一番近い場所に車を止めてスタジ
アムに向かう。強い西日の中に止まっている車は新潟ナンバーがほとんど。さすがに首
位で観客動員ダントツのチームである。応援バスも6台駐車していて、新潟の志気の高
さに驚かされた。                               

会場前でチケットを購入。日陰のS席を購入し、ホーリーホックTシャツ2枚とタオルマ
フラーも購入する。にわかホーリーホックサポーターである。会場入り口では様々なイ
ベントをやっており、大勢のサポーターが楽しんでいた。誰でも引けるクジは二人とも
「ハズレ」でがっかり。お米のプレゼントや梨のプレゼントもやっていた。     

荷物チェックを受けて入場。席は自由に選べる。まだ試合開始まで1時間あるので席は
ガラガラだ。全体がよく見える場所に移動して席を確保し、ビールで喉をうるおす。焼
きそばはあまり旨くないが、ビールは良く冷えている。ボーイズマッチを見ながら、初
めて観戦する姪にサッカーのルールや観戦のポイントを説明していた。そのうちに選手
のウオーミングアップが始まり、新潟サポーターから大歓声が沸き上がった。さすがに
新潟から大挙してやってきているだけあって気合いが入っている。         

午後6時、待望のキックオフ。照明灯にも灯が入り緑のピッチがきれいだ。駒場もそう
なのだが、どうにも手前のアンツーカーが邪魔だ。選手が遠い。陸上競技のトラックは
サッカー観戦には本当に邪魔だ。何とかならないものだろうか・・。試合は一進一退で
進む。水戸が良い戦いをしているのか、新潟が中途半端な戦いをしているのか判断つけ
かねる内容だったが、水戸の先取点で会場が爆発した。しかし、その後すぐに同点とさ
れシュンとしてハーフタイムになった。なかなかスリリングな展開。        

後半から水戸の10番池田信康が出てきた。元レッズの選手で、駒場で声をからして応
援した選手だ。俄然、応援に熱が入る。「ノブヤス〜前だ! ノブヤス〜急げ!バカァ
そこじゃない!」叫ぶ叫ぶ。これには姪もビックリしていたようだ。往年の鋭さはない
が緩急自在な動きで攻撃の起点となっているノブヤスを見ていて、何だか嬉しくなって
しまった。後半40分、そのノブヤスが起点となって水戸の決勝ゴールが生まれた。会
場は大歓声。試合終了までみんなが声をからして応援し続けた。そして試合終了のホイ
ッスル。全員総立ちで大歓声。「いやあ、8位が1位に勝っちゃったよ!」「すごい、
すごい!」「いい試合するじゃないか!」みんなニッコニコで話している。     

楽しい試合だった。水戸もよい試合をした。こういう試合を続けていればサポーターは
間違いなく増える。しかし、存続をかけて望んだこの試合の観客数は「4964人」に
とどまった。水戸ホーリーホックの存続に向けての戦いはまだまだ続くことになってし
まった。果たして9月中旬に行われるJリーグの審査結果がどうなるのか、余談を許さ
ない状況だ。頑張れ!水戸ホーリーホック!                   



 
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