瀬音の森ニュース 217


10周年企画の下見ツアー



2008. 9. 6/7



瀬音の森10周年を来年に控え、記念企画の下見ツアーに行った。


9月6日(土)と7日(日)の二日間、来年の10周年企画の視察ツアーに行って来た。
参加者は長南さん、吉瀬さん、関根さん、野村さんkurooの5人だった。場所は長南さん
お勧めの朝日連峰前衛のブナ林。角楢小屋を目的地として、ブナ林や吊り橋やキノコ狩り
を念頭に置いた視察だった。前日夜10時に東久留米駅前で野村さん、長南さんと待ち合
わせて出発。関越道で新潟の関川道の駅を目指した。                


道の駅関川で仮眠をして起きたところ。まさかの好天。 甘木沢の林道終点で沢に入る身支度をする。

給油で立ち寄った途中の越後川口SAで関根さん吉瀬さんとバッタリ遭遇。珍しいことも
あるものだ。給油を済ませ、一路関川へ走る。高速を下りて関川のコンビニでお弁当とお
酒を買って道の駅に行き、奥の駐車場でミニ宴会。時間は午前2時、そのまま仮眠する。
朝、予報よりも天気がいいことに驚き、みんなで相談して釣りに行くことにする。天気が
悪くなったらすぐに戻ることにして、三面川水系の甘木沢に向かった。        

ナラ枯れ病が蔓延している新潟県の山。 最初は関根さんが釣った。


みんなで上流を目指す。 入渓から1時間は釣れなかった。

林道の終点に車を停め、身支度をして入渓。しばらくは魚の影も見えず、疑心暗鬼になり
なかながらも上流を目指す。1時間ほど歩いたところから釣れだした。関根さん、野村さ
ん、長南さん、吉瀬さん、私の順で釣れた。狭い川で5人が交互に釣るのは、必然的に待
ち時間が多くなる。そんな中で長南さんは尺岩魚を釣り上げた。素晴らしい岩魚だった。
悪くなると思った天気も晴れて暑くなる有り様で、嬉しい誤算だった。全員がまんべんな
く釣れて大満足。お昼を食べて、ゆっくり川を下ってきた。             

上流へと向かう。まだ釣れない時間が続く。 やっと私にも釣れた。きれいな白い岩魚だった。


野村さんもいい型の岩魚を釣った。 長南さんが釣った尺岩魚。


きれいな水ときれいな岩魚。 順番待ちの長い列。


関根さんが釣った。 昼になったので河原で昼食にする。


野村さんトラバース中。 下る途中で休憩。トウモロコシを食べる長南さん。

甘木沢から関川に戻り、小国の森を目指す。ところが、前方に積乱雲が立ち上がり、不穏
な雰囲気が漂っている。国道113号から五味沢方面に曲がったところで雨が降り出した
、と思ったらすぐに前が見えないような豪雨になってしまった。土砂降りの雨の中を宿泊
する民宿「美和」に到着。荷物を担いで逃げ込むように玄関に飛び込んだ。そのまま部屋
で休憩していたが、いっこうに雨の止む気配がない。そのまま5時が過ぎ、今日の視察は
断念するしかなかった。お風呂に入り7時から夕食を食べて寝不足の体を布団に沈めた。

絵に描いたような積乱雲が前方に立ち上がっている。 前も見えないような土砂降りの雨。車は走る。


民宿「美和」の部屋でくつろぐ野村さんと長南さん。 7時からの夕食。美味しい山菜とキノコ料理。


客は我々だけ。こぢんまりとした食卓。 宿の主人から「カジカの唐揚げ」が提供された。

朝、雨は上がって道も乾いていた。朝食を食べ、林道終点の朝日連峰登山口まで走った。
登山口は大きな看板とトイレが建っていて、車が3台停まっていた。しっかりと身支度を
して登山口を登り始める。いきなり吊り橋があり、少々あわてた。下を昨日の雨でも濁ら
なかった荒川の太い流れが白いしぶきを上げている。足元を見ながら歩くが、川の中央で
軽いめまいのようなものを感じ、足がよろめいた。吊り橋は心臓に良くない。     

民宿「美和」朝日連峰に一番近い宿。 宿の前に広がる景色。雨上がりで雲が流れていた。


お世話になったおかみさん。 おかみさんに撮ってもらった写真はちょっとピンボケ。


朝日連峰への登山口。トイレが建っている。 手早く身支度をして出発した。


さっそく吊り橋だ。ユラユラ揺れるのが怖い。 対岸に広がっていたブナの森。

対岸のブナ林はまだ若かった。奥に行くにつれ太いブナが見られるようになる。風で倒れ
たブナがあった。大木だけれど根が浅いことに驚かされた。その近くには白いキノコがビ
ッシリと生えていたが、同定できず採集しなかった。吉瀬さんと関根さんが同定出来ない
キノコには手を出すわけにはいかない。すぐに2番目の吊り橋があった。ワイヤーの手す
りで歩く場所は足場板のような狭い釣り橋。距離は短いけれど、少々揺れが怖かった。 

長南さん曰く「コクワの畑」サルナシが沢山実を付けていた。 ブナの森が広がる。


ミズナラの大木で記念写真「枯れるなよ・・・」 巨木の森が広がっている。


風で倒れたブナの大木。根返り状態になっている。 以外と根が浅いので驚いた。


吊り橋の2本目。ここはワイヤーの手すりに足場板。 吊り橋の先に広がるブナの森。

この先のブナ林は巨木の森で見応え十分だった。高低差のない森の道は広くて歩きやすい
道だった。ゆっくりと周囲を観賞しながら歩く。大きなミズナラが枯れている。尾根にも
楢が枯れて痛々しい姿をさらしている。楢枯れ病について調べてみたら、衝撃的なことが
分かった。今、大きなミズナラほど枯れる率が高く、まるで座して死を待つばかりなのだ
。朝日連峰、飯豊連峰のミズナラ、コナラはほとんどが枯れてしまう。その惨状を目の当
たりにして、栗やブナの将来もどうなるか分からないと感じた。楢枯れ病についてはこち
らに詳しく載っているの読んで欲しい。                      

高低差のない平坦な森に入る道は広くて歩きやすかった。 森の中央部に大きなギャップ(開けている場所)があった。


ブナの森を歩く。気分がいい。 大きなブナで記念写真。コケが年輪を感じさせる。


天井が高く、とても気分のいい道。 明るく歩きやすい道が続く。

ブナ平の先には最後の吊り橋があった。ここの吊り橋はワイヤー二本が手すりで足場は一
本の丸太しかない。バランスを取りながらその丸太の上を歩く。下は荒川が逆巻きながら
流れている。丸太が一部腐っていて、お尻がキュッと持ち上がるような緊張感を感じた。
この吊り橋は一度歩いてみたかった。何度もみんなの話で聞いていて、実際にはどんなも
のなのだろうか、とにかく一度渡ってみたいものだと思っていた。念願叶って丸太の吊り
橋を渡った。そして吊り橋のすぐ上が終点の角楢小屋だった。ここで大休止。周辺の自然
を観察し、山小屋を見学し、休憩を終えて帰路に着いたのは10時過ぎだった。帰路も吊
り橋は楽しかった。サルナシを沢山お土産に摘んだ。そして登山口に到着。      

最後の吊り橋は丸太の吊り橋だった。 これは怖かった。途中の腐っている場所が怖い。


野村さんが渡っているのを見ても怖くなる。 目的地の角楢小屋に到着。

そこから、これまた念願のキャットウオークへと向かった。このキャットウオークとは、
荒川本流を対岸に渡る吊り橋で、一本のワイヤーが手すりで、足場も一本の丸太という吊
り橋のこと。以前、猫ミュウさんが渡った時の写真を見て、一度渡りたいものだと思って
いた吊り橋だ。長南さんがまるで平地を歩くようにすいすいと渡っていく。関根さんはキ
ャラバンシューズで渡っていく。次は私の番だ。揺れる丸太に登って左手だけで手すりを
掴み、渡り始める。これは本当に怖かった。距離が長いので吊り橋全体がゆら〜っと揺れ
るのだ。この時にバランスを崩しそうになって冷や汗をかいた。落ちれば荒川の流れに飲
まれる。渡り終え、そのまま戻ってきた。時間を空けると緊張感が切れそうな感じがして
必死に戻ってきた。いやあ、久しぶりに膝が笑うような緊張感を味わった。      

角楢小屋の内部はきれいに整頓されていた。 キャットウオークを渡る長南さん。


キャットウオークを帰ってくる関根さん。 梅花皮(かいらぎ)荘で温泉に浸かった。

車に着いたと同時に雨が降り出した。そのまま前が見えないような土砂降りになった。車
は飯豊連峰の懐深く、企画宿泊予定地の飯豊山荘を目指して走る。途中、濡れ鼠になって
道を歩いているフライフィッシャーが何人もいた。突然の雨は怖い。それにしても我々は
何て運のいいことだろう。昨日も今日も雨には降られるけど、一度も濡れていないのだ。
1時間ほど走り、飯豊連峰にほど近く飯豊山荘に到着。パンフレットをもらい、今度は温
泉を目指して梅花皮(かいらぎ)荘へと向かった。梅花皮(かいらぎ)荘で温泉に浸かり
、越後屋で蕎麦を食べて解散した。雨には降られたが、じつに有意義な視察が出来た。来
年の10月には、紅葉真っ盛りの朝日連峰、飯豊連峰の森を楽しむツアーを企画したい。
温泉、キノコ、吊り橋、ブナ林と楽しみ満載なツアーにしたい。           

熊の毛皮が貼ってある蕎麦屋「越後屋」で昼食。 主人が撮った写真が何冊ものファイルになっている。

野村さんから写真を提供してもらったので4枚ほど掲載します。           

甘木沢を遡って釣りに入るところ。 二番目の吊り橋を渡っているkurooです。


角楢小屋で撮った集合写真。 キャットウオークを渡り、向こう側から帰ってきたkurooです。