瀬音の森ニュース 272


小菅の山小屋・トイレ解体



2016. 11. 26



小菅の山小屋にある使用不能トイレを解体した。


 11月26日(土)小菅の山小屋にトイレ解体工事に行った。参加者は野村さん、加藤
さん、JICkYさん、山口敏治さん、山口和己さん、kurooの6人だった。       
 小菅の山小屋にトイレを作ったのはもう13年前の事になる。山小屋を使った様々な活
動に参加する女性の為に必要だからと作った本格的なコンポストトイレだった。作った当
初は盛んに使われ便利なものだったが、今では山小屋自体も年に二回くらいしか使わない
し、トイレは誰も使っていない。最近屋根が壊れてしまい登山道沿いで見苦しい事もあり
、解体を決めた。                                
今年の紅葉はきれいだ。小菅に行く途中奥多摩湖で足を止めた。 いつもの河原は日蔭なので雪が10センチくらい積もっていた。

 前々日に降った季節外れの大雪が心配されたが、何とか車も入れ、山小屋まで登る事が
出来た。JICkYさんと水場で集水器を使って水の確保をしているうちに、山口さん親子が
登ってきてくれた。建築当初に参加して頂き、山小屋作りに欠かせない人だった。今回解
体をするという事で急遽参加してくれた。本当にありがたいことだ。そのうちに野村さん
と加藤さんも到着。大汗をかいて登って来た二人も焚き火で暖まる。         
山小屋の中を掃除して片づけた。まだまだきれいなものだ。 器具がいろいろ置いてあるスペース。

二階の様子。こちらもきれいなもの。 階段から入口方面を撮る。

山口和己さんが来てくれた。 前回来たのは建築当時なので、もう10年以上前になる。

 早速持参したイノシシ肉を捌き、三分の一は焼肉用にタレに漬け込み、三分の二は鍋用
に刻む。鍋で水から煮込み、アク取りをプロの和己君にお願いする。時間の掛かる地味な
作業をお願いしてしまった。                           
雪解けの雨だれがひどく、山口さんがシートを広げてくれた。 イノシシ肉を捌く。焼肉と鍋用に切り分ける。

焚き火前に勢揃いして作業の打ち合わせをする。 加藤さんと野村さんもやる気満々だ。

イノシシ鍋のアク取りをする和己さん。プロだから安心。 これが解体前のトイレ。屋根が崩壊している。

 お昼を各自で食べて解体工事にかかる。壊れた屋根をチェーンソーで切り離し、梁を外
して分解する。ベニヤの壁をチェーンソーで切り落とす。壁ログをチェーンソーで切り離
し一本一本外す。組み立てるのは一日がかりだったが、壊すのは一時間で終わった。チェ
ーンソーが釘を噛んでしまい切れなくなり、ヤスリを取りに車までJICkYさんに往復して
もらったのはありがたかった。山登り前に忘れ物をしないようにしないとこうして迷惑を
かける事になる。                                
解体はまず屋根を壊すところから。チェーンソーが大活躍。 壁はコンパネ。チェーンソーでズバッと切り落とす。

壁ログは片方を切れば全部外れる。 廃材は薪置き場の前に積み上げられた。けっこうな量だ。

 解体した廃材は焚き火場周辺に山積みになっている。これもチェーンソーで細かく裁断
する。裁断した廃材を燃やせる長さに切り刻んで薪小屋に積み上げる。これを燃やすのが
次の仕事になる。                                
玉切りした廃材はどんどん燃やす。 山口さんが下山するので集合写真。お疲れさまでした。

 ここで山口さん親子は下山。残った四人は夕飯の支度。まずはイノシシ肉の焼肉を食べ
る。焼肉のタレで漬け込んだイノシシ肉は軟らかく旨い。次は焚き火をしながら赤ワイン
を飲み、ウインナーを焼く。これがじつに旨い。いつもより大きめの焚き火は暖かく、赤
ワインとウインナーの消費も早い。そして部屋の中でイノシシ鍋へとメイン料理が続く。
イノシシ肉の炭火焼肉。柔らかくて旨い。 デッキの上で焼肉を食べる参加者。自分で焼いて食べる。

焼肉を食べながら飲むビールが最高! イノシシ鍋はもう少し煮込まなければならない。湯気が温かそう。

焚き火でウインナーを焼き、食べながら赤ワインを飲む。至福… ウインナーを焼く焚き火場。そろそろ暗くなってきた。

いつもより大きめの焚き火に「熱い熱い」と逃げる加藤さん。 こうして思う存分焚き火が出来る幸せ。この場所ならではの贅沢。

 山小屋の電気はまだ健在で、この寒さの中で二時間ほど点ってくれた。太陽電池とバッ
テリーも頑張っている。焚き火をしながら考えた。トイレの解体工事でこれだけ大変なの
だから、本体の山小屋を解体するときはどれほど大変か。何より燃やせない不燃物の処理
をどうするのか?誰がするのか?かかる費用をだれが負担するのか?様々な思いが浮かん
だが、できる事は限られている。みんなで協力して最後を楽しみたい。        
小屋の中に移動してイノシシ鍋を食べる。肉がいっぱいだ。 プロが煮てくれたイノシシ肉がホロホロと軟らかい。箸が進む。

電気は二時間ほど点灯してくれた。まだまだ使える優秀なシステム。 外に出て最後の焚き火。私はすぐに眠くなってしまった。

 朝、霧が掛かって幻想的な山の景色だった。霧の中の山小屋はまだまだ存在感が大きく
て安心感もある。この山小屋をいつまで使えるのか。そう遠くない時期に決断を下さなく
てはいけなくなりそうだが、もったいなくもある。あと何回使えるか。まあ、自分で使え
ばいいだけの話なので、今年から来年にかけて山小屋行きを増やそうかなと思う。   
朝靄にけむるヒノキ林。夜来の雨は上がって、雪が消えていた。 山小屋の存在感がいい。まだまだ使えるよなあ……

朝飯はイノシシ肉うどん。揚げや豆腐も入った具だくさん。 加藤さんもJICkYさんも食べる食べる。お腹いっぱいになった。

これがイノシシ肉うどん。具がいっぱいでうどんが見えない。 片付けを終えて下山する加藤さんと野村さん。

最後に一枚写真を撮ってもらった。 下山したら、下にはまだ雪が残っていた。

 いつかはしなければいけない山小屋本体の解体工事。それまでの間にできる事をやって
おかないと大変なことになりそうだ。                       
 作るのは大変だったけど、楽しかった。何年もここで楽しい時間を過ごした。まだまだ
使える山小屋だけど、このまま放置する訳にはいかない。              
 この日、下ろす予定だったラダー三本は分解に必要な工具がなく断念した。できる事を
整理して、地主の舩木さんとも相談して、今後のあれこれを進めたい。想像以上に大変な
ことになりそうだ。