瀬音の森日記 118
「瀬音の森・秩父」初会合
2000. 4. 1
4月1日(土)大村さんの呼びかけで「瀬音の森・秩父」の会合が、所沢駅ビルの「な
なかまど」で行われた。所沢はおりしもパリーグ開幕戦を西武ライオンズが逆転サヨナ
ラ勝ちを納めたばかりで、駅前もにぎやかだった。「ななかまど」は駅ビルの4階にあ
る和風の居酒屋(?)だ。私が先に着き、しばらく待つうちに、大村さん、新井さん、
JICKYさんがやってきた。しばらくして安谷さんもやってきて全員が揃った。
「瀬音の森・秩父」の会合と書いたが、正確には秩父在来イワナを保護する為には何が
出来るか?を考える集まりだったのだ。この件での大村さんの動きは本当にめざましい
ものがある。今までのいきさつをざっと書いてみると次のようになる。
2/8・10 秩父イワナ放流史聞き取り調査のお願い(H瀬氏・H田氏・T島氏)。
2/17 県水産試験場・熊谷支場、O氏にDNA鑑定の依頼と解答。
3/11 秩父漁協・大滝支部、役員より「禁漁区設定の可能性」について連絡あり。
3/17 大滝支部役員会に「在来イワナに関する考え」を提出。
同支部長に事情説明。
3/18 大滝支部より秩父漁協に上記の連絡。
そして、今日の打ち合わせになったということだ。我々はその動きについて行くだけで
精一杯という感じだ。若さというのは動き出すと素晴らしい力を発揮する。
今日の打ち合わせは、●真の沢の禁漁区設定について、●大滝管内の釣り場について、
●大滝支部との事前協議について、●秩父漁協への要請について、●イワナの調査につ
いて、●渓畔林の再生に関する研究について、という事になっている。大村さんはここ
までの部分のレジメを作っていて、我々はそれに沿って話し合っていく。ビールを飲み
ながらの話し合いなので、あっちこっちに話が飛ぶのだが、大村さんがその都度軌道修
正してくれる。
●真の沢の禁漁区設定について : これは地図を確認しながら真の沢と同じく股の沢
も禁漁にしないとダメだ。という事になった。申し入れはそのまま通るかどうか分から
ないが、ともかく柳小屋の上は禁漁とするのが、分かりやすいし現実的だろうという事
になった。真の沢だけを禁漁にした場合、すべての釣り人が股の沢を目指すようになり
イワナ保護という観点からも問題があるのではないか。それに、両川禁漁だという事な
れば釣りのために柳小屋まで登る人も少なくなるだろう。
●大滝管内の釣り場について : 中津川の方にキャッチアンドリリース区間を設定し
たらどうかという話になった。他の漁協の成功例を紹介する事で大滝村を説得出来れば
実現出来ない話でもない。そう、秩父漁協の大滝支部事務局は大滝村の産業観光課の中
にあるのだから、話も進めやすいかもしれない。
●秩父漁協への要請について、: これは、具体的にはまだどうする事も出来ないので
とにかく大滝支部を説得して、大滝支部から秩父漁協本体の方に持っていってもらうよ
うにしよう、という事になった。上の問題も含めて、大滝村としての考えでまとめられ
れば、あとは自然に決まって行くだろう。
●イワナの調査について : 大村さんは二つの案を持っていた。一つは柳小屋での釣
り人へのアンケート調査。どこでどのらいの大きさのイワナを釣ったかなどをアンケー
ト形式で答えてもらうもの。もう一つは7月〜8月に実際に潜っての潜水目視調査だ。
どちらも実現させたい内容で、特に潜水調査は秩父在来イワナの実態を調査する上でも
大事な調査になりそうだ。出来れば真の沢の仙丈の滝上でやりたいと言っていた。
●渓畔林の再生に関する研究について : これは演習林と瀬音の森が共同で研究しよ
うという事になっており、4月20日(木)にシオジを山採りして、影森の苗畑に植え
て育てることになっている。入川流域で5月に予備実験をしてから、久度の沢と大血川
の中山沢にケヤキとシオジの苗を堰堤上に植えようということになった。最終的には豆
焼き沢と中津川でこの渓畔林再生の活動を行いたい。
大滝村をどう活性化させるかという問題とも関連してくるのだが、秩父在来イワナの保
護がどんな意味を持っていて、村としてそれをどうアピール出来るのかを考えてやる事
も重要だと思う。村人または村役場では秩父在来イワナの存在が持つ意味を知らないか
もしれないからだ。それも含めて、4月17日(月)に大滝村役場に申し入れに行く事
に決まった。
順調なときほど慎重に、そして大胆に・・・あとはまた明日から。