瀬音の森日記 134
養成講習(林業)
2000. 6. 18
6月17日・18日の2日間、森林インストラクター養成講習の「林業コース」に参加
した。いよいよ最終の林業コースなので、頑張って講習を受けたいと思う。今回は会社
の社員旅行と重なってしまい、一人だけ早く旅行から帰って講習という事になってしま
った。今頃みんなは楽しんでいるんだなあ・・などと考えながら会場に向かった。
いつものように受付でテキストをもらい、内容を確認する。これから2日間の講習内容
は以下の通り。中でも只木先生の講義と垰田(たおだ)先生の講義は楽しみだ。始まる
前からなんだかワクワクしているのが可笑しい。
●6月17日(土)
1時限 9:00〜11:00 森林の保全 林業土木コンサルタンツ治山技術部長 品川正義
2時限11:10〜12:00 森林の効用 名古屋大学名誉教授 只木 良也
3時限13:00〜15:00 〃 〃 〃
4時限15:10〜16:30 林業経営と森林施業 森林総合研究所植物生態科長 垰田 宏
5時限16:10〜18:10 〃 〃 〃
●6月18日(日)
1時限 9:00〜10:20 山村と農林業 元東京農工大学農学部教授 岡 和夫
2時限10:30〜12:00 〃 〃 〃
3時限13:00〜15:00 特用林産物 日本特用林産振興会専務理事 古谷 正人
4時限15:10〜16:30 木材の利用
元日本木材総合情報センター木の何でも相談室長 筒本 卓造
5時限16:40〜18:10 〃 〃 〃
(講習の一日ごとの内容は「森林インストラクターへの道」の方に掲載します。)
講習を終えた感想:
林業講習はやはり難しいというのが感想だ。林学から始まって施業方法や木材の活用法
など、どれをとっても深い問題がある。林業を取り巻く現状は厳しさを増す一方なのか
ら仕方ないのだが、あまりにも厳しい現実を直視するのはつらいものだ。ただ、只木先
生と垰田(たおだ)先生の講義で自分なりに確信を持った事があるので、それを書いて
みたい。
林業の現状は日本という国がこれから進むべき道をハッキリと示しているのではないか
という事だ。いつまでも外国から木材を輸入出来るはずもない事は分かっている。持続
可能な森林経営という言葉は日本が言いだした言葉だが、そもそも持続可能な森林経営
などというのは日本という国だからこそ言える言葉であって、諸外国では幻想でしかな
いのではないか。早晩輸入に制限が加わる事は目に見えているし、日本が材木の代金を
ずっと払い続けられるものでもない。それは材木に限らず、食料にしても同じ事。
我々は少しの人間が多くを使用する事よりも、多くの人間が少しを分け合う方法を選ば
ざるを得なくなるはずだ。そんな時代が必ず来る。林業というのは100年先、200
年先を考える産業だ。言い変えれば日本という国の将来を考える事にもなる。循環型社
会を夢見るのではなくて、実行しなければならない。持続可能な循環型森林経営、持続
可能な循環型食料生産、持続可能な循環型国家経営・・・21世紀は森林の時代になる
ような気がする。それまでこの国が残っていてくれればの話だが。
一日目の講習が終わって、垰田(たおだ)先生と話した。小菅の森についてである。小
菅の森の現状を話し、今後どう施業していけば良いかを教えを請うた。垰田先生が言う
には、そのままにしておくのが一番だが、木を太らせるのだったら巻き枯らしの方法が
ベストだろうとのこと。kazuyaさんと相談した方法が一番森にとってローインパクト
な方法だと分かり、安心した。我々の目指している方向で間違いなかった。
林業の問題は国の問題・・・あとはまた明日から。