瀬音の森日記 142
シオジ苗畑の除草と根切り
2000. 9. 9
9月9日(土)東大秩父演習林影森苗畑でのシオジ苗畑の3回目の除草と根切りの作業
が行われた。当日の9時に西武秩父駅前で待ち合わせた初参加の小早川さんを心配して
いたが、時間通りに集合する事が出来たのでほっとした。
今回の参加者はkazuyaさん、JICKYさん、しゃあさん、わたるさん、謙太郎くん、裕次
郎くん、英理香ちゃん、澤田さん、加藤さん、稲垣さん、安谷さん、新井さん、小早川さ
ん、梨央さん、kurooの15人だった。
午前中の作業はまず草むしりから始まった。kazuyaさんの手入れのおかげで草も少なく
人数も多いことから順調に作業が進んだ。見る見るうちに草の山が出来ていく。シオジ
はずいぶん大きくなった。この大きさではすでに運ぶのですら大変そうである。JICKY
さんが「kurooさん、このシオジ早く植えないと大変な事になりますね。」と言う。私も
ひそかに同じ事を考えていたので思わず大きく頷いていた。
初参加の小早川さん、新井さんも汗を流している。子供たちも遊びながら手伝っている。
加藤さんはもう汗まみれ。人一倍仕事をしているように見える。しゃあさんのTシャツは
汗で色が変わっている。むしった草を一輪車に乗せて捨て場に運ぶ。順調、順調。
草取りは終わって、次に樹高測定に入った。1本1本の苗の生長を測定する。ここで私は
秩父市内の「秩父工機」に瀬音の森として購入する器材の打ち合わせに行くことにして、
苗畑を後にした。この器材購入の件は項を改めて書く。
思いの外「秩父工機」での打ち合わせが長引いてしまい、苗畑に帰った時はすでに測定も
終わっていて、スコップを使った「根切り」の作業に入っていた。この「根切り」という
作業は根が横に張るのを防ぎ、細根を根際に密生させる為のものである。細根が根際に密
生していないと植林した際に活着率が悪くなるのだ。広葉樹の植林技術はまだ確立されて
いないというが、こういう点などはkazuyaさんがいなかったら手の施しようがない事だ
ったと思う。我々も勉強しながら作業している。
昼はいつものようにバーベキュー。ビールが回り、安谷さんの野菜、大量のお肉がジュー
ジューと焼かれていい匂いが漂ってくる。作業の後のビールが旨い。英理香ちゃんがスト
ーブの煙突に触って指を火傷してしまった。急いで水道の水に浸ける。火傷は冷やす事し
か治療法がないから、ひたすら冷やし続けるしかない。バケツに水をくみ、そこに氷を入
れて手を浸けたままにしておくと、痛みが納まったのか泣きやんだ。痛いだろうに、我慢
強い子だと感心する。
安谷さんの野菜達は本当においしい。生ピーマンやナス。巨大なズッキーニとタマネギは
焼いて食べる。お肉よりも野菜が主役のようだ。手間をかけて作られた野菜には野菜力と
でもいうような力がある。本物の味だ。
昼休み中に演習林の杉を伐採して運んできたトラックがあった。70年から80年生の杉
だそうだ。その丸太をクレーンで下ろす作業が興味深くてじっと見ていた。3本ずつワイ
ヤーが掛けられており、それを次々に下ろしていく。クレーンを作動させる音が心地よく
響き、てきぱきとした男女の呼吸の合った動きが丸太を積み上げて行く。
杉の香りが漂ってくる。ビールの酔いが体に回ってくる。積み上げられた杉丸太の山に登
り、大の字に横になると、体が杉の香りに包まれる。あまりにも気持ちよくてそのまま寝
てしまった。目が覚めたら昼休みは終わっていた。
午後の作業も根切り。体からビールを追い出すように汗が吹き出る。手袋はしていたのだ
がスコップを握る手のひらにマメが出来てしまった。稲垣さんはマメをつぶしている。手
の平は以外と弱いことを知る。根切りをした株の様子がおかしい。新芽の部分がぐんにゃ
りしてきている。こんなにすぐに影響が出るとは思わなかったので心配していると、すぐ
にkazuyaさんが散水機をセットしてくれた。水を吸えば良くなるので気にしなくても大丈
夫との事でほっとした。
本当に蒸し暑い日で、参加者は大変だったと思う。除草作業は今回で終了し、次の段階に
進むことになった。いよいよ、来年は植林である。
苗の生長は早い、人間も成長しなくては・・・あとはまた明日から。