瀬音の森日記 178
渓畔林植樹場所の下見
2001. 4. 1
4月1日(日)朝10時出会いの丘集合で、渓畔林植樹の下見を行った。参加者は安
谷さん、JICKYさん、kazuyaさん、kurooの4人だった。前日に降った雪で周りの山
も谷も真っ白だった。積雪は深いところで15センチくらいはありそうだ。
全員集合したので、身支度をする。合羽のズボンを履き、スパイク付きの長靴を履く
と気持ちが引き締まる。この時にうっかり忘れてしまったのだが、雪の中を歩くとき
はサングラスが必携だ。現場について作業するときにまぶしくてまぶしくてたまらな
かった。雪眼になるかと思った。
ワサビ沢の堰堤群に沿って急斜面を下る。雪が積もっているで慎重に歩を進めるが、
スパイク付き長靴は抜群のグリップ力を発揮してくれた。この長靴はじつに雪に強い
のだ。小菅で実証済みだったが、こうして雪の急斜面を歩くと良く分かる。
斜面を下りきったところに大きな堰堤がある。ここを下るのが第一の難関になる。当
日は女性や子供もいるので、ここには梯子をかけようという事になった。笹の斜面は
滑りやすいので、このアプローチも滑らないように整備しなくてはならない。小さな
川を渡る部分は飛び石の設置が必要だ。植樹場所の手前にある本流は橋を作って渡っ
てもらうことにした。
植樹の現地は雪で真っ白だった。岩だらけの河原のはずだが、白い雪原はすべてを隠
して白い台地が見えるだけだ。荷物を置いてkazuyaさんの説明を聞く。おおよその説
明を聞いたあと測量作業に入った。私は測量に使う杭を作り、その後はアプローチ整
備の作業をした。正直なところ測量作業はまぶしくて眼が痛くて続けられなかったの
だ。そんな訳で測量は3人にやってもらった。
アプローチ整備の方は、梯子の柱材の切り出し。切り出しといっても、河原に土砂崩
れで倒れたシオジの大木を切り、堰堤の場所まで引きずっていくというものだ。力仕
事は小菅で慣れているが、川から堰堤まで引きずり上げる作業がきつかった。これを
2本。その後は橋にする材をシオジの大木から切り離し、橋かけの位置まで引きずっ
ていった。これも疲れた。
あっという間に午前中の作業が終わり、雪の河原で昼食。ガスコンロでお湯を沸かし
コンソメスープにお餅を入れたスープを作る。なかなかおいしい。それぞれ思い思い
の昼食でお腹を満たす。この河原から豆焼き橋を見上げると、遙か上空のアーチ橋が
とても人間の作り物とは思えないくらい巨大に見える。人間はとんでもない事をする
ものだ。
午後も測量作業が続く。私は橋の材料を切り出す。堰堤から下る斜面に道をふさぐよ
うに横たわっていたイヌシデの大木を切る。7メートルくらいの長さで20センチく
らいの太さがある重い木だった。細引きをかけ、肩がらみで思い切り引っ張る。汗が
吹き出してくる。何とか橋かけの場所まで引きずった後は肩で息をするようだった。
次は、ヒノキかサワラの立ち枯れの切り倒し。河原の隅にぽつんと立ち枯れていた木
で、これを橋の中央に使うと具合が良さそうだ。受け口を切って、追い口を切る。思
ったところにピタリと倒れてくれた。これにも細引きを掛けて引きずる。
下流から釣り人が登ってきたようだ。後で話を聞くと、測量していたすぐ横の淵で大
きなイワナをかけたようだ。3人は測量どころではなかったとのこと。釣り人も罪な
ことをするものだ。昼休みにJICKYさんが竿を振った時は気配すら無かった場所だっ
たが、この時期は餌釣りがやはり強いか。
2時半に作業終了。さて、急斜面を登らなければならない。3人とも足に自慢の強者
だが、私は少々自信がない。kazuyaさんがしんがりをしてくれたが、それが余計プレ
ッシャーになってしまう。ひたすら斜面の踏み跡を見ながら登る。汗が額から吹き出
してくる。当日、女性や子供たちはここを登れるのだろうか。すこし時間に余裕を持
って、足弱な人達をゆっくり登らせる必要がありそうだ。
上の平らな場所まで登ったら、ほっとして足がふらついてしまった。それにしても、
スパイク付き長靴の威力はすごい。この長靴でなかったらこんなに楽に登れたかどう
か分からない。普通の靴の人のことを考えてやらないといけないような気がする。
さあ、次は来週のアプローチ整備だ・・・あとはまた明日から。