瀬音の森日記 191


6月のコナラ林再生ボランティア



2001. 6. 3


6月3日(日)所沢下富のコナラ林再生ボランティアの日だ。今日の参加者は9人。
前回よりも少ないが、このくらいの人数がちょうどいいと先生は言う。多すぎると目
が届かず、安全対策などがおろそかになるのだそうだ。そういえば、瀬音の森のイベ
ントでも同じように感じることがある。特に間伐作業では全員の作業に目を配ること
が出来ないのは危険だと感じていた。                     

体操をして作業に入る。今日も新しいフィールドの間伐作業だ。朝から暑いので汗が
流れる。いたるところにヤマウルシの幼樹が生えているので長袖のシャツを腕まくり
することも出来ず汗を流しながら作業を続けていた。枯れた松の大木をチェーンソー
で切る。受け口を慎重に切り取り、追い口を切る。枯れているのでツルが効かず、い
きなり倒れた。枯れて幹だけになっていた木だったので良かったが、枝までしっかり
付いている木だったら大変だ。伐倒は枯れ木の方が神経を使う。         

90センチに玉切りして運ぶ。太いから重いので大変だ。ぬぐってもぬぐっても汗が
流れ落ちてくる。水筒の水がどんどんなくなっていく。エゴノキを切り倒して枝の処
理をする。ノコギリとナタを使って手早く処理をする。強い日射しの下でのんびり作
業をしていると熱中症になるのではないかと思うくらい暑い。なるべく日影を選んで
作業するように努める。                           

チェーンソーを使った玉切りやロープ掛けなど他の人の作業を手伝ったりしているう
ちにお昼になってしまった。全員作業を切り上げ、日影で車座になって昼食タイム。
コンビニのお弁当を食べたのだが、水分を摂りすぎたためか食欲がまったく無い。困
ったことになってしまった。夏の作業はこれがあるから恐い。おそらく胃液が薄くな
ってしまったのだろう。                           

ご飯を口に運んでも咀嚼と呑み込みが上手く出来ない。口の中がパサパサしている。
こりゃ、水の飲み過ぎだなあ・・・と思ったのだが、食べないと午後の作業に支障が
出るかもしれない。シャリバテなんてしゃれにもならない。もぐもぐと良く噛んで、
お茶と一緒に無理矢理飲み込む。夏の山仕事の昼食は喉通りの良いものを考えないと
問題かもしれない。バナナとかゼリーとかも考えないといけないなあ、などと真剣に
考えていた。                                

午後は先生から指示されてサワラの大木をチェーンソーで切り倒す作業をした。チョ
ークで受け口と追い口のマーキングをして倒す方向を決める。それに沿ってチェーン
ソーで切り込みを入れる。大きなサワラは狙った方向より1メートルほど右に倒れた
。まだまだ未熟だ。切り口は正確に切れたので満足だった。年輪を数えたら45年生
のサワラだった。みきの直径は40センチくらいになっている。私が2歳の時に芽生
えた木だったことになる。                          

元玉4メートルと中玉4メートルを切り離し、枝の処理をする。大量の枝が山積みに
なっていった。中玉を45センチずつ玉切りし、皮を剥く。上手に処理をすると、き
れいなイスになるのだ。初参加の大学生が皮むきを手伝ってくれた。藤野さんが学生
にサワラとヒノキの違いや皮の組成などを解説している。元玉の皮むきをした。太い
サワラの皮を剥くと、中から床柱のような凹凸の美しい木肌が現れた。この素晴らし
さにはちょっとびっくり。                          

3時の休憩には先生がアイスクリームを差し入れてくれた。この暑さの中で生き返る
ような美味しさだった。本当は生ビールでも飲みたいところだが、家に帰るまでの我
慢、我慢と自分に言い聞かせていた。                     

休憩後、中玉を使ったイス作りが進む。大学生も手伝ってくれて面白いものがいくつ
か出来た。参加者が思い思いのものを持ち帰る。私も2個の丸太を持ち帰ることにし
た。木の枝が飛び出していて、なかなか面白い形をしている。植木鉢の台に良さそう
だ。そんな作業をしているうちに日射しも斜めになり、作業終了の時間になった。 
先生がしきりにウルシにかぶれたと言っていた。チェーンソーでヤマウルシの幼樹を
切り払った時に樹液が飛び散ったようだ。夏の作業には長袖のシャツが欠かせない。

今日の収穫、おみやげの丸太台2本・・・あとはまた明日から。