瀬音の森日記 202
ログハウス基礎作り、二日目
2001. 8. 19
二日目の朝、6時半起床。稲垣さんと外に出ると、鵜住居さんの車が止まっている。
ああ、来てくれたんだ・・と思いながら本人を探すがいない。どこへ行ったんだろう
と思いながら、部屋の後かたづけをした。そのうち、稲垣さんが作った豚汁うどんが
出来上がり、起きてきた2人と一緒に朝食を食べながら今日の打ち合わせをした。
みんなが鵜住居さんを待つ間、先に山に登って作業を始めた。すぐに吉川さんも登っ
てきて、二人で杭作りの作業をしていた時だった、「お疲れさまです」と上から声が
して鵜住居さんが山から下りてきた。何と早朝に山登りをしてナラタケをいっぱい採
ってきたとのこと。いやはや驚いた、さらに車に戻ってもう一度登ってくるとのこと
、いやはや健脚、健脚。私なんかここに登ってくるだけでゼェゼェ言ってるのに。
基礎に使う柱は全部で20本。なるべく太い間伐材を探して1メートルに揃える。皮
を剥いていない木は皮をむき、汚れている木は汚れを拭き取る。その作業に夢中にな
っていると下から稲垣さん、しゃあさん、鵜住居さんが登ってきて、一緒に作業を手
伝ってくれた。柱には防腐剤のクレオソートを刷毛で塗る。周辺に電信柱や枕木に塗
ってあるあのクレオソートの匂いが漂う。
さて、いよいよ柱を立てる穴掘り作業だ。ここで稲垣さんが大活躍。まるで人間ユン
ボのようにしゃあさんと穴を掘る。鵜住居さんが水糸と下げ振りを使って一つ一つ位
置を確認しながら穴を掘る。掘れるだけ掘って底に大きな石を平らな面を上にして沈
める。地下の束石(つかいし)となるようにし、その上に柱を立てるのだ。
私と吉川さんは現場周辺に道のスペースがまったく無くなってしまったため、斜面下
側に桟橋を作る作業に入った。まず丸太で支柱になる杭を2本打ち込み、その上に丸
太を固定する。さらにその柱を下方向から斜めに支える支柱を当てて固定した。長い
丸太を3本並べてカスガイで支柱の上の丸太に固定し、反対方向から丸太を3本掛け
て、それも支柱の上で固定した。
こうして石垣の端に負担をかけずに作業場所に移動出来るようになった。文字で書く
とじつに簡単だが、作業は大変だった。丸太は重いし、足場は悪いし、道具は最小限
のものしかない。丸太を組む際にチェーンソーはじつに有り難い存在だ。切ったり削
ったりという作業が簡単で素早い。精度は求むべくもないが、丸太相手だったら十分
だ。チェーンソーだけでログハウスを作ってしまうという人の気持ちも分かるような
気がした。
基礎の柱穴は20カ所掘らなければならない。昼食をはさみ何時間かかっただろうか
・・稲垣さんの素晴らしいパワーが無かったらとても終わらなかっただろう。山の上
の作業は機械が使えないので、人間そのもののパワーと技が出来映えを左右する。作
業を進めながら、じつに充実していくのが気持ちいい。一つ一つ自分たちの手でログ
ハウスを作るのだ、という実感が楽しい。
私は桟橋が出来上がったので、柱用の間伐をしにゆく。1本は素直に倒れてくれたの
だが、次のがかかり木になってしまい、吉川さんに助けを求めた。何とか倒して、次
は大丈夫だろうと気を抜いたら、またかかり木になってしまい、今度はしゃあさんも
加わって3人でやっと倒した。ここまでで疲労困憊してしまい、作業を終了すること
にした。稲垣さんの穴掘りも終わって、ここに二日目の作業が無事終了した。
疲労困憊した体を動かして後かたづけをする。いやはや、本当に疲れた。クレオソー
トを塗った柱はまとめてブルーシートで養生した。来月の基礎工事までに防腐剤もし
っかり染み込んでいることだろう。最後に全員で穴を掘った現場で記念の集合写真を
撮った。工具をザックに入れて背負い、チェーンソーを担いで山を下りる。来月まで
無事であったくれと祈るような気分で。
台風が来たらどうなっちゃうだろう・・・あとはまた明日から。