瀬音の森日記 213
小菅山小屋(ログハウス)の柱加工
2001. 10. 13.14
10月13日(土)と14日(日)の二日間小菅の山小屋(ログハウス)の柱加工を
おこなった。前々回で基礎工事が終わり、いよいよ立体に向かっての構造材を作り出
す作業に入ったことになる。初日は隅柱の加工をした。前回エンジンを焼き付けたチ
ェーンソーも無事復活し快調な音を響かせている。快晴の空の下、山の中にはチェー
ンソーのエンジン音やノミを叩く金槌の音が響いた。
チェーンソーで溝のラインを切り、ノミで仕上げる。3センチ幅で3センチの深さの
溝を2メートルの柱に2本掘る。文字で書くと簡単だが、ノミで仕上げるのは大変で
結構時間がかかる作業だ。山口さんと二人でコツコツやっていたら吉川さんがやって
きてくれた。3人になると俄然作業がはかどる。それでも午前中に1本仕上げるがや
っとだった。
午後はチェーンソーを使う場面だけ手伝ってあとは二人に任せ、私は間伐をした。壁
ログが不足する分や、足場丸太にする分を切っておかなければならないのだ。もちろ
ん闇雲に切る訳ではなくきちんとした間伐作業である。一人でやる間伐は大変だ。ち
ょっと太いヒノキは地面に刺さるとびくともしなくなってしまう。枝がからまってい
るので素直に倒れてくれず100%かかり木になってしまう。細引きを使ったり、押
したり引いたりと汗だくになりながら8本のヒノキを倒した。
柱は2本目が終わって3本目の溝切りをした。チェーンソーで真っ直ぐに溝を入れる
作業も難なく出来るようになってきた。3本目の途中で携帯に野村さんから電話が入
った。今、下にいると言う。蕎麦の出来具合が心配になって見に来たのだという。足
を捻挫していて山には登れないとのこと。作業が終わるまで下で待ってもらうことに
した。その後3本目の途中だったが暗くなってきたので作業を止め下山した。
野村さんの差し入れが車のリヤワイパーにくくりつけてあった。5尾のニジマスと梨
8個だ。今晩の夕食になりそう。畑から戻ってきた野村さんに蕎麦の様子を聞くと、
全滅だとのこと。猪にやられたようだ。舩木さんが警告していた事が的中してしまっ
たようで、野村さんはいたく落ち込んでいる。夏から手塩にかけて育てた蕎麦が収穫
するまえに猪に喰われてしまったのだからその気持ちは良く分かる。
野村さんと分かれ、3人で小菅の湯に行く。終了間際であわただしい入浴だったが、
上がってビールも飲めて一安心。その後買い出しに行き豚肉とうどんと白菜を買って
山荘に戻った。夕飯は山口さんがサッと作った白菜と豚肉鍋と吉川さんがじっくり作
ったニジマスのバターソテー、どちらも絶品でした。お酒は何でも揃っていた。
翌日は7時から山に登って作業した。昨日の続きをコツコツとやっていたらハミング
ウェイさんと内田さんが助っ人に来てくれた。内田さんは任せて安心な仕事をしてく
れるので、正確さが求められる土台のホゾ穴作りを担当してもらった。ハミさんには
柱のホゾ穴掘りとホゾ切りの作業を頼んだ。
昼食をはさんでホゾ切りの作業が続いたが、思った以上に時間がかかった。鋸を使っ
て柱のホゾを切る場合、縦に2回、横に4回鋸を入れなければならない。この縦に2
回切る作業が時間がかかるのだ。これは予想外だった。板なら縦に切る方が楽なのだ
が、丸太を縦に切るのは大変だった。
柱の他に梁2本を仕上げた。ホゾ穴をチェーンソーで切り込むのもだいぶ上手くなっ
てきた。ノミを使うのも慣れてきて、手のひらがまるで厚いグローブをしているかの
ような感覚になってきた。やっと仕事人の手になってきたのだろう。床板の上に出来
上がった柱を並べて写真を撮り、作業を終了した。この人数で良くやったものだ。
いよいよ次回は柱が立つ・・・あとはまた明日から。