瀬音の森日記 216
ロフトが出来た!
2001. 11. 4
多摩源流クリーンアップ作戦は無事終わった。そのまま全員が舩木山荘前に移動し、
山小屋を見に行くことになった。山荘前に一足先に行って、川端さんとムキタケを採
ったり、薪割りをしていたら、山口さんがやってきた。それからすぐにしゃあさんも
やってきた。今日は午後から作業と言ってあったので時間通りだ。ところが、その頃
から雨が降り出してきた。
天気予報通りの雨だった。雨足はだんだん強くなる。一旦解散しようかとも思ったの
だが、参加者から建築現場を見たいという声が出て、雨の中を山登りすることになっ
た。全員雨具に身を包み山道を黙々と登る。雨の中の山登りはあまり気分の良いもの
ではない。登り口の柿の木が熊にやられたと見えて、枝が折れ、柿が食い散らかして
あった。山の木の実が不作で熊も必死なのだろう。
小屋のブルーシートは無事で雨の中でも小屋の内部は濡れていなかった。一休みして
作業の手順を説明するために壁ログの加工をして見せた。簡単な加工なのだが、初め
て見る人にとっては珍しかったようで、しきりに感心していた。そういえば、ここに
初めて来たのはわたるさん、渡部さん、土筆さん、川端さんの4人だったが、それぞ
れに興味深そうだった。
せっかく登ってきたのだから作業しようよという事になり、雨の中で壁ログの加工が
始まった。ブルーシートのお陰で雨の中でも作業出来るのがありがたい。そのまま3
時ころまで作業して雨が一段と激しくなったのを機に下山した。舩木山荘で一休みし
て小菅の湯に行こうかという段になって、このまま帰る人が続出し、残るのは渡部さ
ん、しゃあさん、山口さんと私の4人になってしまい、明日の荷揚げにやや不安を残
すことになってしまった。まあ、とにかく小菅の湯に行って温まろうと出かけた。
小菅の湯で温泉に入り、生ビールを飲んで良い気分になって山荘に戻ったら、帰った
はずのわたるさんが待っていた。明日の荷揚げを心配して残ってくれたらしい。あり
がたいことだ、感謝、感謝である。夕飯は山口さんが作ってきてくれた自家製餃子を
焼いたものと、稲垣さんが採ってきたチャナツムタケと小屋前で昼に採って置いたム
キタケを使ってうどんを作った。きのこの味がよく浸みた旨いうどんになった。
翌朝はピーカン。昨夜の雨がウソのように真っ青な気持ちよい秋晴れだった。しゃあ
さんのコーヒーを頂いて、山口さんが作ってくれた昨夜の残りのうどんと雑炊を平ら
げ、いよいよ作業開始である。今日の作業は荷揚げから始まる。ロフト用の資材を荷
揚げするのだ。5人でベニヤ合板7枚、根太用角材3組を担ぎ上げるのだ。資材をロ
ープで括り、担いで山を登る。あっという間に汗が額から流れ出す。
小屋に着いて一休みすると、私はロフトの加工に入った。他の人にはもう一度山を下
ってもらい、残りの資材を上げてもらうことにした。ロフト用の根太を揃えて切り、
一本一本桁に渡す。作業は順調に進みすぐに板が乗った。そこで初めて根太を間違っ
て打ちつけた事に気づいた。303mmを330mmで打ちつけてしまったのだ・・・!
打ち直すことは出来ないし、これにはさすがに焦った。仕方ないので板の向きを変え
て張ることにした。まあ、何とかなるだろう。残りの資材を持って登ってきた4人は
ロフトが出来上がっていたのでビックリしていた。
二回目の荷揚げが終わり、それぞれに壁ログの加工に入る。山口さんとしゃあさんは
ベテランの組で作業が早い。わたるさんと渡部さんは慎重に作業を進めている。私は
頬杖(桁と柱に斜めに打ちつけて補強する丸太)を作り桁と柱の補強をした。明るい
日射しの下での作業はじつに気持ちよいものだ。ブルーシートにかかる木漏れ日がま
ぶしく反射する。
登山者向けのポスターを作りパウチしてきた。これを掲出しなければならない。丸太
で杭を作り上部を平らに削る。こんな作業はチェーンソーであっという間に出来てし
まう。チェーンソーワークも慣れたものだ。杭をカケヤで登山道脇に打ち込み、木ね
じでベニヤ合板を固定し、そこにパウチしたポスターを釘で打ちつける。これで登山
者にも何を作っているのか分かるだろう。間伐と山小屋作りをセットで行っているん
だということが分かってもらいたいのだが、果たしてどうか。
2時まで作業して今日は終わり。最後にロフトが写る角度から記念写真を撮って山を
降りた。明るいうちに山を降りるのは久しぶりだ。山荘の後かたづけをして、舩木さ
んに鍵を返し、黄葉したブナの葉を会員証用に150枚採集し、小菅を後にした。
紅葉狩りの車で帰りは大渋滞・・・あとはまた明日から。