瀬音の森日記 220


山小屋の壁高くなり



2001. 11. 18


11月18日(日)今日は小菅の山小屋作りの日。紅葉真っ盛りの奥多摩湖を横目に
見ながら車を走らせる。いつもは土日の作業なのだが、土曜日の夜に森林インストラ
クター講師の仕事があったので今回は日曜日だけの作業となった。        

8時、舩木山荘前に到着。渡部さんの車と同時に到着だった。挨拶して準備している
ところに鵜住居さんがやってきた。今日は鵜住居さんが参加している暇人協会の秋田
さんと同行である。秋田さんが間伐材のログハウス作りに興味があるとのことで、見
学を兼ねての参加となった。興味ある人は大歓迎で、手伝って頂ければ尚大歓迎であ
る。秋田さんと挨拶を交わし、山登りに向かう。                

途中、竹を伐採して担ぎ上げる。渡部さんと二人で3本ずつ担いだり引きずったりし
ながら山を登る。長い竹なのでカーブの度に苦労しながら登っていく。この竹は足場
を作るときに手すりとして使うもの。他にも支柱にしたり物干し竿になったりと用途
は広い。何かと重宝すると思って、いつか切ってやろうと狙っていたのだ。    

山小屋の手前に大きなオオモミジの木があり、見事に紅葉していた。思わず見とれて
しまった。山小屋は何の異常もなく静かに建っていた。さっそく壁ログ加工に入る。
すぐに山口さん、シンジ君、吉川さん、内田さんが到着し、にぎやかになった。  

私はシンジ君と秋田さんに協力してもらい、先日倒した太いスギの処理に当たった。
太いスギはそのままでは重くてどうにも動かないので、30センチの長さに切って、
椅子にしようという事にした。チェーンソーを使って足場の悪い場所でスギを玉切り
し、ロープで一個一個引っ張り上げてもらう。秋田さんのものすごいパワーが無けれ
ば難しかった作業だった。丸太をブンッと引っ張り上げる力はすごい!杉丸太の椅子
があっという間に20個ほど出来上がった。                  

次はシンジ君と二人で足場組みの為の杭作りと打ち込み。石垣の下に足場を立てるた
めの杭を打つ。カケヤで杭を打ち込むのだがなかなか難しい。カケヤ使いは独特のコ
ツが必要なようだ。足場組みのちょうど良い場所にスギの木が立っていて使えるのが
ありがたい。午前中はそんな作業で終わってしまった。             

昼近くにわたるさんと謙太郎君、裕次郎君が到着。また一気ににぎやかになる。お昼
は杉丸太の椅子を使って外で食べる。温かいラーメンがじつにおいしい。     

午後は壁ログ用の丸太が無くなりそうになったので、もっぱら丸太の切り出しと皮む
きをした。チェーンソーで2メートルに切った丸太を皮むき場に運び、鬼皮をナタで
削るように剥いていく。節が多いので、節をガンガン落としているうちにナタの刃が
ボロボロになってしまった。                         

山口さんと内田さんのコンビは黙々と作業している。作業もじつにスムーズで、今日
一日だけで11本の壁ログ加工をしてしまった。すごいことだ。吉川さんとシンジ君
は何か似ている二人で、兄弟のような感じで作業している。見ていると何だか楽しそ
うで微笑ましい。渡部さんと鵜住居さん、秋田さんは沢の話や山の話をしながら和気
藹々と作業している。ここも見てるとじつに楽しそうだった。渡部さんの明るい笑い
声が山に響き渡っていた。                          

鵜住居さんと秋田さんが先に上がり、我々も今日は3時で作業を終了した。壁はズン
ズン高くなり、満足の作業終了だった。私は丸太の皮むきで両腕がだるくなるくらい
の筋肉疲労だったが気分はすこぶる良かった。まだ明るい空の下、オオモミジの見事
な紅葉をわたるさんが撮影している。山小屋工事でこんなに明るい時間に終わるのは
久しぶりのような気がする。                         

紅葉を楽しむ時間も少なく・・・あとはまた明日から。