瀬音の森日記 222
ポストが立ち、足場も出来た
2001. 11. 24.25
11月24日・25日の2日間、小菅の山小屋工事をした。前日がJICKYさんとユー
リさんの結婚式だったこともあり、飲み過ぎてしまって朝起きるのがとにかくつらか
った。出来ることなら午前中くらい休みたかったのだが、奥多摩駅で長南さんと8時
半に待ち合わせていたので遅れる訳にはいかなかった。いやあ、つらかった。
舩木山荘に着いて身支度をして山を登る。長南さんの登り足の速いこと速いこと、2
日酔いの体でついていくことも出来ず、先に行ってもらう。何度か気持ち悪くて吐き
そうになってしまった。じつに何とも情けない状態である。酒を体から追い出さない
ことには作業もおぼつない状態だった。
長南さんと二人でポストの加工をしていると、渡部さんと内田さんがやってきた。二
人には壁ログの加工をしてもらう。午前中でポストをはめ込み、屋根の高さと位置を
実感した。私はその後スペーサーに金具を取り付ける作業に没頭し、長南さんと内田
さんが壁ログ加工に入った。渡部さんは山から丸太を切り出す作業にかかりきりとな
った。昨年間伐した丸太のうち太い物を選んで2メートルに切る作業だ。チェーンソ
ーの音が断続的に山に響き渡る。
作業に夢中になり昼食を食べ忘れるところだった。まあ、2日酔いで食欲がなかった
こともあるのだが、個人で別々に食べるということで特に昼食の時間を設けず作業に
専念した。スペーサーに金具を取り付けるために初めて電動工具を買った。充電式の
電動ドライバーである。力加減がどうも難しく、雑にやるとネジ山を潰してしまう。
道具は何でもそうだが、慣れるまでしばらく経験が必要だと感じた。スペーサー加工
が半分終わったところで電池切れ、手で半分以上のネジ止めはきつかった。
初日の作業はここで終わり、暗くなったので下山した。今日は舩木山荘ではなくて、
隣の若林山荘に泊まることになっている。夕飯の買い出しに行き、今晩の食事材料を
買い込む。夕食は長南シェフの鍋料理。調理がじつに素早い。薪ストーブの火で暖ま
りながら鍋を囲み、おいしいお酒を飲みながら夜の時間を楽しんだ。渡部さんと会話
が弾み、気がついたら夜の11時を回っていた。
翌朝、あまりの寒さに起きられない。寝袋の中で凍えていたが、意を決して起きる。
外は霜で一面真っ白。車は真っ白に凍り付き、ドアに手をかけるのもためらうようだ
った。朝のラーメンを食べ終わる頃に野村さんが到着。続いてしゃあさんが来て、2
日目の作業に参加してくれた。出かける頃にわたるさん一家が到着し、一気に活気づ
いた。真っ白な河原で身支度を整え、真っ白な息を吐きながら山を登る。小菅の朝は
とにかく寒い。
今日のメインは足場作り。わたるさんと野村さんに手伝ってもらい、丸太を山から運
び1本ずつ組み立てる。小屋の山側に杭を打ち込み、丸太を渡し、谷側のスギの木に
番線で縛り付ける。反対側は谷側の杭に丸太を立てて番線で縛り付け、同じように丸
太を渡す。杭打ち、柱立て、丸太渡しを何度か繰り返し、足場が完成した。最初に足
場を歩いたときは谷側で少々ビビッたがすぐに慣れた。しっかりした足場が出来た。
次は先日切ってきた竹で手すりを作る。番線をシノで締め上げ滑らないように固定す
る。このころにはシノの使い方をすっかりマスターしていた。手すりが出来、角を補
強すると2〜3人乗ってもまったく動じない手すりの完成だ。素晴らしい出来上がり
である。これが無いと来週の屋根工事が出来ないところだったので、今日出来て本当
に良かった。足場を使って鬼ごっこする謙太郎君と裕次郎君を見ながらつくづくそう
思っていた。
足場は完成した。壁ログは着々と高さを増している。ポストの上に乗せる棟木の加工
も終わった。スペーサーも棟木と桁に取り付けた。さあ、屋根工事の準備は完了だ。
ポストが出来て屋根の高さに張られたブルーシートを見上げながら「あそこまで屋根
になるんだなあ」とつぶやく。集合写真を撮って2日目の終了。すっかり暗くなった
山道を下りながら、来週の屋根工事の段取りを考えていた。
いよいよ屋根だ・・・あとはまた明日から。