瀬音の森日記 224


屋根完成!窓も出来た!



2001. 12. 2


12月2日(日)寒い朝だった。舩木山荘のいつもの場所で目を覚まし、隣の若林山
荘にいくと、皆すでに起きていてコーヒーを飲んでいる。昨夜のうちにkazuyaさんと
長南さん、野村さんが帰り、代わりに内田さんと佐宗さんが加わった。二人は今日の
窓工事の重要な戦力である。山口さんが作ってくれたうどん鍋で朝食を済ませ、山登
りの支度をする。外は霜で真っ白だった。                   

作業は昨日の続きだった。屋根張りチームと窓作りチームに分かれて作業開始。窓作
りチームは「チームウインドウズ」と宣言してチームワークを強調している。屋根張
り隊はわたるさんと吉川さんが朝からザイルに身を固めてとび職人と化して谷側のア
スファルトシングルを貼り始めた。                      

私と山口さん、岸良さんは山側の合板を張り始めた。昨日と同じ手順で合板張り→鼻
隠し側の水切り板→破風側の水切り板と進み、防水シート貼りに入る。このころには
谷側の仕上げが終わっていたので、防水シート張りの上の部分はザイル組にやっても
らった。防水シート最上部は90センチ幅にカットした防水シートを頂点にかぶせる
ように重ね貼りした。これで防水対策はバッチリだ。              

山側の下部からアスファルトシングルを貼っていく。これで屋根が出来上がると思う
と心なしピッチが早くなる。山側は落下の危険が無いので、防水シートを張り終えた
ところでザイル部隊はお役ご免となった。アスファルトシングル貼りの作業は垂木を
足場に組んで作業するようにし、午前中はここまでの作業で終わった。      

お昼は稲垣さんが担ぎ上げた鍋を使ってうどんを作ってくれた。ウインナーを焼いた
りして豪華な昼食となった。今日の作業のめども立ったのでゆったりした気分でラー
メンを食べていた。チームウインドウズも順調に作業を進めている。今日中にいくつ
かの窓が出来そうな話が出ている。内田さんと佐宗さんの参加はじつに大きかった。

午後はいよいよ屋根工事の仕上げ。山側のアスファルトシングルを貼り終えて、頂上
の部分に「棟役物」と呼ばれる金物を設置すれば完了だ。わたるさんと吉川さんが作
業を終えてにっこり笑う。「屋根完了〜〜〜!」と叫ぶ。「おお〜〜」という歓声が
沸き上がる。ホントに2日で出来ちゃったよ!                 

内田さんと佐宗さんの作業が急ピッチだ。窓は壁ログを水平に止めたものに、縦に柱
となるログを組み、その中に窓枠を挟み込むように納める。下の壁ログ、上の壁ログ
、窓枠、窓、縦の柱ログ、縦の壁ログで構成されており、精緻な工作精度が求められ
る。窓が落ちてしまったり、壁の圧力で開かなくなってしまったりしたら困るのだ。

しばらく作業に見とれていた。本職の道具捌きは美しい。二人は無垢の木を使った家
具作りの職人なのだ。無駄のない動きに見とれてしまう。しばらくしたら窓を組み上
げた。こちらでも歓声が上がる「窓、完成〜〜い!」窓を開けて佐宗さんが笑顔をの
ぞかせる。拍手にちょっと照れている。素晴らしい窓が出来た。入り口横はもう家の
形になってきたではないか。窓が付くと急に家らしくなってくるのが不思議だ。  

私は根曲がりヒノキを半割にして階段を作るための作業を始めた。作業台にヒノキを
固定してチェーンソーで半割にする。久しぶりに丸太加工の作業だ。チェーンソーの
音が耳に心地いい。適度な緊張感を感じながら丸太半割りを終え、カンナで削る。こ
れに墨付けして半割り丸太で作ったステップを組み合わせる。細い丸太なので、ホゾ
は1センチにした。この作業はしゃあさん、わたるさん、山口さんの4人でやった。
ノミを使うのも何だか久しぶりだ。多少の問題は強引に組み上げることで解決させ、
ロフトの登り口に出来上がった階段を設置した。確認のため自分で登ってみる。多少
ギシギシ言うが問題ない。これで階段も出来た。                

冬の夕方はすぐに暗くなる。4時半を過ぎた林の中はすでに暗くなりはじめていた。
窓がもう少しで出来上がる。ハミさんが持ち出したランタンの灯りを頼りに作業が続
く。他の人は後かたづけだ。資材や道具を屋根裏部屋(ロフト)に運んで整理し、次
回に使いやすいようにしておく。屋根があるのでもう資材が濡れる心配をしないで済
むのがありがたい。稲垣さん、岸良さん、吉川さん、ハミさんお疲れさまでした。 

谷側に2台目の窓が出来た。内田さん佐宗さん猫ミュウさん加藤さんお疲れさまでし
た。ランタンの灯りに照らされた室内を窓から覗くと、言いようのない達成感と充実
感に満たされてくる。自分たちで作った小屋がもうすぐ完成する。すごいことだ。 

後かたづけをして山を降りる。もう道は真っ暗だ。「次は山で泊まろうね」などと話
しながら暗い山道を降りていく。心は満たされている。何度も心の中でガッツポーズ
を繰り返していた。                             

次回はぜひ小屋泊まりに挑戦・・・あとはまた明日から。