瀬音の森日記 226


山小屋に泊まった!



2001. 12. 15


12月15日(土)今年最後の小菅での山小屋工事の日だ。朝から北風が強くものす
ごく寒い。奥多摩湖の湖面に白波が立ち、杉もヒノキも枝を大きく揺らしている。な
にもこんな日に山小屋工事をやらなくても・・という気分だ。まして、今日は山小屋
に宿泊することになっているのだ。車を走らせながら「耐寒訓練は本当になっちゃっ
たなあ・・」とつぶやいていた。                       

舩木山荘について荷揚げの準備をしていたらわたるさんが来た。「寒いねえ」と挨拶
を交わし準備する。今日はいつもの荷物の他にチェーンソー、飲料水用ポリタンク、
鍋、卓上ガスコンロ、食材、寝袋2枚を運び上げなければならない。屋根材の荷揚げ
ほどではないが結構な重さに腰がふらつく。                  

山登りはゆっくりゆっくりと歩いた。汗が額から流れ落ち息が弾む。いつもより時間
をかけて山小屋に着いた。さっそく二人で妻壁の工事に入る。今日はこの二階に寝る
ことになっているので、今日中に妻壁を作り上げないと大変な事になるのだ。垂木を
梁のログに打ちつけ基本の平面を作る。その上に細い垂木を打ちつけ、これを基準に
窓枠を作っていく。                             

妻壁は二等辺三角形を2つ合わせた形になっているので、その半分ずつを一人で担当
する。わたるさんに窓枠を作ってもらい、その間に桟を組む。屋根面には斜めに桟を
木工ボンドで貼って釘で止める。長い釘は屋根に抜けるので使えない。木工ボンドが
滑ってやりづらいことこの上ない。何とか斜めの桟を止めると、今度は窓枠の幅ぴっ
たりになるように垂直の桟を入れ釘で止める。ここに窓枠をスッポリとはめ込むとい
うのが窓取り付けの方法だ。桟がしっかり止まっていないと窓をはめ込む事は出来な
いからしっかりと釘で止める。また小口には木工ボンドを塗って、あとでずれないよ
うに配慮した。多少狭くしてあったので窓枠はすんなり入ってくれない。当て木をし
てハンマーでたたき込む。何とか最初の窓が納まった。             

わたるさんも苦戦している。私は外側に合板を打ちつける為の寸法取りに入る。この
ころには下から渡部さん、しゃあさん、猫ミュウさん、稲垣さんがやってきて、窓工
事と壁ログ加工に入っていた。私はひたすら妻壁の桟と格闘していた。北風が冷たく
て手がかじかんで作業にも支障が出るような寒さだった。合板をサイズ通りに切断し
妻壁に当てて釘で止める。何とか一つの面が埋まった。             

焚き火の横で昼ご飯を食べる。せっかく持ってきた缶ビールもあまりの寒さに飲む気
にならない。おにぎりを食べ、ラーメンを煮る。暖かいラーメンでやっと人心地付い
た。午後は西側の妻壁工事にかかりっきりになった。ここが完成しないと寝ることが
出来ないのだから頑張るしかない。手がかじかんで釘をつかめなかったり、トンカチ
で指を叩いたりと焦りから来るミスが多くなる。ハミングウェイさんが大量の食材を
持って登ってきてくれた。いや、ありがたいことだ。              

稲垣さんにブルーシートで壁の空いたところを塞いでもらう。そろそろ今夜の宿泊対
策で動かなければならないのだが私は妻壁が終わらずに焦っていた。桟を組み終わり
窓を2台はめ込んだところでギブアップ。合板ではなく防水シートを外から貼って今
夜をしのぐことにした。ガンタッカーで防水シートを打ちつけて今日の作業が終了し
た。一階に下りると、すでに夕食の準備が出来ていたので驚いてしまった。    

夕食は稲垣さんの鳥鍋&ふぐちり、ハミングウェイさんが運んできてくれた極上肉の
すき焼き、ステーキが準備されていた。渡部さん、ハミングウェイさん、わたるさん
、しゃあさん、稲垣さん、猫ミュウさん、kurooの7人で宴会が始まった。部屋は熱
気に充ちていて乾杯の缶ビールがじつに旨かった。日本酒やバーボン、赤ワインなど
が次々に出てきて空けられる。ふぐちりも旨い、すき焼きも旨い、ステーキも旨い、
山の上でこれほどのご馳走を食べられるとは・・・驚いた。           

初めての山小屋泊まりを祝って豪華な宴会だった。山小屋は7人が円座になると一杯
で、とても暖かかった。これではストーブを置く場所も無いし、また置く必要も無さ
そうだ。断熱材を使うことでストーブは無用になりそうだ。猫ミュウさんとハミング
ウェイさんは下の舩木山荘に泊まる事になっていたので宴会が一息ついたところで下
山した。今夜、舩木山荘の方に佐宗さんと内田さんが来ることになっているのだ。 

ご馳走をたらふく食べて・・・あとはまた明日から。