瀬音の森日記 227


年内最後の作業は順調に進んだ



2001. 12. 16


寒くて寝られないことを覚悟しての山小屋泊まりだったはずなのに、逆に暑くて寝苦
しいくらいの夜だった。渡部さんから伝授してもらった寝袋へのホッカイロ内貼りの
おかげである。すきま風など全然気にならず、ぐっすり朝まで寝てのどが渇いて目が
覚めた。外では渡部さん、稲垣さん、しゃあさんが焚き火をしていた。時計を見ると
6時半。焚き火の横で飲む缶ビールが何とも言えず乾いた喉にしみる旨さだった。 

わたるさんも起きてきて焚き火を囲んで語り合う。山の上に朝陽が射して明るくなっ
てきた。どうも川横の舩木山荘よりも暖かいのではないかという話になった。思った
ほど寒くなく、快適な朝だった。こういう時の焚き火はじつに何ともいいものだ。 

昨夜の鍋料理の残り汁にご飯を入れて雑炊を稲垣さんが作ってくれた。これが絶品の
旨さだった。そのうち下から佐宗さん、猫ミュウさん、ハミングウェイさん、内田さ
んが上がってきて、一緒に朝ご飯を食べた。うどんも出来て温かい料理を腹一杯食べ
たので大満足。さっそく今年最後の作業に入った。               

私は昨日の続きで妻壁の合板張り。わたるさん、稲垣さんに手伝ってもらう。猫ミュ
ウさんとしゃあさんは窓の仕上げ。佐宗さんと内田さんは東側の窓作り。渡部さんと
ハミングウェイさんは壁ログ加工。しばらくしたら野村さんとひらり〜さんが登って
きた。ひらり〜さんは初めての山小屋工事への参加である。初めて見る山小屋に、し
きりに感心したりあきれたりしていた。(笑)                 

妻壁の合板を張り終えて、階段の補修に入った。階段をもう一段増やす事と2本の通
しボルトで左右から締め上げる事が作業の内容。まずは階段を担ぎ出し、ステップの
ホゾ穴をノミで刻む。ステップは前回半割にした丸太があるのでそれを使う。2セン
チのホゾを作り、それを強引にホゾに打ち込む。次に上から2段目、下から二段目の
柱に手回しドリルで穴を空け、8ミリの通しボルトを差し込みナットで両側から締め
上げる。こうして補強しておけばステップがはずれる事は無い。         

次に取りかかったのは二階の登り口に合板を張る作業。これがけっこうやっかいな作
業で時間がかかってしまった。垂木を根太にするのだがその上に張る合板のサイズを
何度か間違えてしまい、二階で調整していた。ポストに触れる部分の合板を丸く削る
為にナタを出して削っていた。ナタを置き、差し金を取ろうと右手を動かしたときだ
った、中指の先に激痛が走った!ナタの刃が上を向いていてその上に指先がぶつかっ
たのだ。「アッ!」っと思った時は血が噴き出していた。            

「ハミさん、ハミさん救急箱取って!」と下に叫ぶ。暗い二階で作業していたので注
意力が散漫になっていたのかもしれない。血をポタポタとたらしながら下に降りてガ
ーゼを当てて包帯でグルグル巻きにする。ちょうど昼食の時間で揃っていた人が心配
そうにのぞき込んでいた。傷は大したことないのですぐに血は止まるだろうと思った
が、この先の作業に支障が出るようで心配だった。               

お昼はうどんとおにぎり。ウインナーを焼いたりして豪華版だった。右手に巻いた包
帯で箸が上手く使えずに往生した。自分の不注意で怪我をするのは本当に恥ずかしい
ものだ。初歩的な注意を払わなかったばかりに痛い目にあってしまった。大反省。 

午後は登り口の仕上げ作業。南側の窓が完成した。猫ミュウさんとしゃあさんの力作
である。私は残った垂木を使って収納棚兼調理台の製作に入る。長くて邪魔な垂木を
切って足にし、半端な合板を天板にした。棚を2段作り軽く止めた。引き出しにする
事も考えたのだが、まあ引き出すほどなら取り出した方が効率が良さそうなので止め
た。今後宿泊のための道具などが増えてくるので、収納はきちんとしておきたい。 

東側の窓が急ピッチで仕上がっていく。佐宗さんと内田さんのコンビの作業はじつに
早い。壁ログを10段組み、更に二組の窓をセットしようと言うのだから凄い。佐宗
さんが叫ぶ「今日中に終わらせるぞ!」午後になってそのピッチが更に早くなった。
渡部さんとハミさん、ひらり〜さんの壁ログチームの作業も急ピッチだ。山側の壁が
どんどん高くなっていく。ひらり〜さんのカンナ掛けはじつに様になっている。  

猫ミュウさん、わたるさん、野村さんはドアをセットする柱の加工をしていた。立て
柱と壁ログを組み合わせてドアの空間を作る。苦労して加工してピッタリとセット出
来た。この瞬間が感激なのだ。この2日間でどんどん家の形が出来上がってきた。こ
の参加者の集中力が素晴らしいと思う。                    

東側の窓がついに完成した。これで窓は全て納まったことになる。さすがにプロの仕
事は素晴らしい。昨夜はブルーシートで壁全体を覆っていたのに、今は窓が2つもあ
る立派なログハウスの壁になっている。考えてみれば8月20日に作業を始めてから
まだ4ヶ月しかたっていないのだ。何もなかった場所に山小屋が出来上がろうとして
いるのだから凄い。                             

年内最後の山小屋工事は素晴らしい早さで進み、想像以上の仕上がりを見せた。もう
宿泊も可能だし、立派に山小屋と言えるだろう。あとは残りの壁を仕上げてドアを作
るだけである。そうそう、来年はデッキを作らなければならない。        

達成感いっぱいの作業終了・・・あとはまた明日から。