瀬音の森日記 238


渓畔林植樹の準備作業



2002. 4. 6


4月6日(土)秩父郡大滝村、東大演習林内豆焼沢にて植樹の準備作業が行われた。
これは、植樹場所に至る道筋に梯子をかけたり、橋をかけたり、実際に苗を植えてみ
て何か問題がないかどうか確認する作業で、昨年も本番の前の週に行った作業だ。当
日に滞りなく作業するために欠かせない準備で、じつはかなり重要な作業なのだ。 

集合場所の出会いの丘に集まった参加者はkazuyaさん、安谷 修さん、NAKANOさ
ん、渡部さん、澤田さん、島野さん、川端さん、志村さん、進藤さん、kurooの10
名だった。うららかな春の日差しの下で、額に汗を流しながらの作業となった。  

私と渡部さん、澤田さんは演習林のヒノキ林から間伐材を引きずって斜面を下ってい
った。ロープを掛けて引きずるのだが、長い丸太は重い。途中何度か休みながら下っ
ていった。堰堤で梯子に必要な長さを切り取り、残った部分を橋で使うために堰堤か
ら投げ降ろす。梯子作りを渡部さんと澤田さんに任せて、私は橋作りに向かう。上流
にkazuyaさんが作ってくれた橋があるのだが、作業の便利性を考えると、やはり最
短距離の場所に橋が欲しい。                         

ヒノキの丸太を渡し、橋頭堡作りに入る。NAKANOさん、志村さん、川端さんが手伝
ってくれた。シオジの丸太を引っ張ってきて補強し、何とか新しい橋を作ることが出
来た。急いで梯子作りの応援に行く。こちらもヒノキの丸太で真っ直ぐなしっかりし
た梯子が出来ていた。ステップ部分は半割にした丸太を釘を打ち込んで、バンセンで
締め上げて固定する。小菅の山小屋作りで培ったノウハウはこういう所でも役に立っ
ている。午前中に何とか梯子も出来上がった。                 

じつはkazuyaさんが腰を痛めていた。演習林で大量の黒土をトラックに積み込むの
を一人でやっていて痛めたのだそうだ。来週の黒土運搬はよほど注意深くやらないと
同じように腰を痛める人が出るかもしれない。くれぐれも無理をしないように言って
おかなければならない。日当たりの良い河原でコッヘルに湯を沸かし、ラーメンを煮
ながらそんな事を考えていた。                        

昼食後、一本持参したシオジの苗を実際に河原に植えてみた。スコップ、トウグワ、
ツルハシで試しに石だらけの河原を掘ってみた。ツルハシが一番作業が早く、次にト
ウグワが有効だった。スコップはほとんど役に立たない。1班に1本のツルハシが必
要だと分かり、演習林で4本準備してもらうことになった。30センチくらいの深さ
に穴を掘りシオジの苗を置く。左右に支柱を立てようと木槌を打ち込むが、やはり入
らない。これだけ石ばかりだと打ち込むことは難しい。穴を深く掘って埋め込むよう
に支柱を立てるしかない。苗を出して、また穴を掘る。             

ぐらぐらしない状態で支柱が立ち、苗の根巻き周りに黒土と腐葉土を混ぜ合わせた土
が入れられた。これを良く踏み固める。苗にツリーシェルターのチューブを上からか
ぶせ、専用のバンドで支柱に固定した。苗はちょうど温室に入ったような状態となっ
ていて暖かそうだ。今は葉がないからいいが、葉が茂ってきたらいくらなんでも狭苦
しそうに思える。でも鹿に喰われるよりもずっといい。             

次にトウモロコシ繊維のネットを使う方法を実演してみる。このやり方を良く覚えて
おいて、今日ここにいる人が班長になって来週の本番を迎えることになる。4班に分
けて作業を行うので安谷さん、渡部さん、志村さん、kurooが各班の班長ということ
になった。もちろん総合監督はkazuyaさんである。              

全ての準備を終えて急斜面を登り、出会いの丘に上がる。坂を上りきったところに黒
土と腐葉土が入ったビニール袋の山が作られていた。こうしてみると凄い量だ。これ
を人間の手で河原まで運ばなければならないのだ。果たして何人の参加者があるのだ
ろうか。一人何往復しなければならないのだろうか。まあ、やってみなければ分から
ないのだから、考えても仕方ないのだが。                   

演習林トラックの前で終了の集合写真を撮った・・・あとはまた明日から。