瀬音の森日記 242


南会津の山菜を楽しむ



2002. 4. 27


4月27日、朝5時半に家を出て、東北道に入る。ゴールデンウィークの初日だった
ので心配していたのだが、予想以上に車は空いていて順調に走った。8時半、那須塩
原インターを下りて新緑まっただ中の塩原温泉を抜け、会津西街道を北上する。9時
半、会津高原駅に到着。山はまだ冬の様子だ。この先に行くよりもこの周辺で山菜を
採って行った方が良さそうだと判断し、川の近くに車を止めた。         

土手を物色していると沢山の山菜が出ている。ヤブカンゾウ、ツクシ、コゴミが沢山
出ているのを選んで採る。今回は山菜オフなので、山菜が無くては話にならない。こ
うして採れるとほっとする。田の畦に畳一枚分くらいの広さにタゼリがびっしりと生
えていた。これをお浸しにすると爆発的に旨いのだ。ナイフを使って丁寧に葉を切り
取る。灌木帯にアケビがあった。キノメと呼ばれる新芽を何本も中空に伸ばしている
。これも端から頂く。これもお浸しで食べるのが旨い。さらに、フキノトウ、ノビル
、野生のニラなどを採取していたらお昼になってしまった。河原で釣り人が釣り竿を
振るのを眺めながらおにぎりを食べた。どうも釣れている気配は無い。釣りをする気
にもならないのんびりした昼下がりだった。                  

集合場所は秋山さんのログハウスだった。場所はすぐに分かった。ハミングウェイさ
んが1人で会場をセッティングしていた。昨夜から大勢の宴会で大変だったらしい。
ビールの空き缶が大量に残されているのでビックリした。みんな釣りと山菜採りに出
かけたらしい。ひらり〜さんが釣りから帰って来たので挨拶をする。やはり釣れてい
ないそうだ。                                

しばらくログハウスで時間をつぶしていた。ハミングウェイさんが会津高原駅から桃
色インコさんを乗せてきた。桃色インコさんは今朝大阪から出てきたとのこと。いや
はや遠くからの参加者には頭が下がる。さっそく楽しい話を聞きながら、持参の上海
土産の紹興酒をごちそうになる。「うん、香りが高くておいしい・・」      

グリーンのレガシィで予定よりも早く秋山さんが来た。「いやあ、空いてたね〜」と
上機嫌の秋山さんと初対面の挨拶をする。ほぼ予想通りの人だった。さっそくひらり
〜さん、桃色インコさんと私の4人で秋山さんの秘密の山菜ポイントに向かうことに
なった。まずはギョウジャニンニクのポイント。山を越えて、とある畑の横に車を止
めて下りると秋山さんが「ほら、そこですよ」と言う。見ると何ということもない林
の中にギョウジャニンニクが生えている。私はギョウジャニンニクが生えているのを
見たことが無かったので、これには感激した。すると秋山さんが「こっちにはもっと
沢山ありますよ」と言う。行くと一面にギョウジャニンニクが生えている斜面があっ
た。古いお墓に守られるようにギョウジャニンニクが密生していた。今晩の食材とし
てビニール袋一杯のギョウジャニンニクを採取した。              

続いて車はカタクリの群生地に向かう。ここは古い神社の参道で、びっしりとカタク
リが生えている。これをお浸しにすると野菜どころではない旨さなのだが地元の人は
見向きもしないそうだ。関東でカタクリを食べるなどと言うと白い目で見られるが、
東北ではそんなことはない。これもしっかり一晩分頂く。さらに車は沢筋奥に向かう
。立派な堰堤の上にコゴミが生えていた。途中ではタラノメも4個採取した。これで
今晩の食材は充分だ。                            

ログハウスに戻ると山菜採りの人たちが帰って来ていて、大量の山菜をシートの上に
広げて仕分けしていた。その量の多さにびっくりしてしまった。温泉に行く人たちを
見送って、残った男達がさっそく山菜の天ぷらを作ってビールを飲む。揚げたてのフ
キノトウを口に放り込むと春の味が口いっぱいに広がる。う〜〜ん、旨い!    

私はスペイン風オムレツの仕込みを小屋の中でやっていた。少々の手間はかかるが暖
かいものを食べてもらおうと頑張った。小屋の外は寒いのだが、庭に敷いたブルーシ
ートの上で宴会が始まった。山菜を揚げ、炒め、茹で、煮て食べる。ビール、日本酒
焼酎の瓶が空いていく。小屋の中では秋山さんが鮎ご飯を作っていた。この鮎は作家
の夢枕漠さんが釣った鮎とのこと、おしいく頂いた。              

宴会は小屋の外と中で同時進行していた。外の炭火でイワナがカリカリに焼かれて骨
酒になって回される。これがじつに旨い。次々にカップが空けられ日本酒の瓶がすぐ
に空になってしまった。いやはや、秋山さんとじっくり話す時間が無かった。いつの
間にか庭に張られたテントの中の寝袋に潜り込んで寝ていた。          

骨酒が効いた〜・・・あとはまた明日から。