瀬音の森日記 252


丹沢笹子沢ヒノキ林下刈り



2002. 7. 20


7月20日(土)丹沢笹子沢ヒノキ林にて下刈りを行った。梅雨明け当日の快晴の朝
、早朝5時集合は無謀とも思われたのだが、前夜泊のハミングウェイさん、ひらり〜
さん、佐々木さんは別にしても、坂本ヒラメさん、ラーマさん、山口さんご夫妻、猫
ミュウさん、kurooと藪の高橋さん以下陽炎の会会員5名、安達さん、鎌田さん、井
上さん、山本さん、打田さんを加え総勢15名の参加者が集まった。       

いつもの堰堤上に次々に参加者の車がやってきて、勢揃いした参加者がまず集合写真
を撮った。疲れる前に写真だけでも撮っておこうということで、大鎌を持った参加者
はやる気満々である。怪我をしないように準備体操は入念に、身支度は完全に、忘れ
物のないようにと、それぞれの準備作業を行う。私はスパイク付き地下足袋を履き、
長袖シャツに滑り止めの付いた手袋をして、頭にはバンダナを巻いてヘルメットを被
った。山仕事の完全装備である。腰には満タンの水筒と鋸・鉈の二丁差し。背中のザ
ックには2リットルの水が入ったペットボトルとタオルと救急セットを入れた。  

一列になって川の横の道を登る。15分ほどで植栽地に着く。鹿よけの柵にかけられ
た脚立を乗り越えて中に入り、ひたすら上の担当場所を目指す。朝早いとはいえ、も
うすでに日が昇り暑さの予感が漂ってきた。初参加の山口さんが元気だ。2台目の脚
立のところで唖然とした。鹿よけの柵が何者かによってすっかり切り取られているの
だ。猟師が鹿を追いつめるために柵を壊して鹿を中に入れ、冬にそれを打つという話
を聞いたことがある。こうしてその現場を目の当たりにすると、人間の独りよがりな
欲深さが思い知らされる。こうして穴だらけになった植栽地のヒノキは鹿の格好の餌
となってしまうのだ。                            

担当場所の最上部に着いた。ここから刈り払いながら下っていこうということになっ
たのだが、クサギと思われる木が一気に生長していて林のようになっている。直径5
センチほどもあるので、鎌ではとても歯が立たない。鉈というよりノコギリが必要に
なりそうだ。私は両方持っていたので、ノコギリを貸して鉈でクサギにの林に向かっ
ていった。片っ端からバッサバッサと切り倒す。これはこれで気持ちいい。    

これほど一気に育った木なんだから残しておけばいいではないか、という疑問の声も
あったが、クサギは決して高木になることはなく、低木のままヤブ化してしまう元凶
なのだ。山にとっても好ましくない木だとも言える。ここは心を鬼にして全てを切り
払ってしまうのがベストだ。しかし、とにかく暑い。じりじりと照りつける日差しが
確実に体力を奪い、腰の水筒はすぐに空になる。ザックのペットボトルからすぐに水
を補給するのだがどんどん無くなる。シャツもズボンも汗でグチャグチャだ。   

全体が声を掛け合いながら下へ下へと下っていく。下の方は笹が多く、これはこれで
大変な状況だった。笹を刈り払っていると鎌はすぐに切れなくなり、必要以上に体力
を消耗することになる。私は鉈でヒノキの前面にあたる笹だけを坪刈りの要領で刈り
払ったが圧倒的なボリュームの笹に無力感を感じていた。このエリアは機械刈りでな
いと無理かもしれない。そうこうするうちに時間も9時半を回り体力の限界が近づい
てきた。藪の高橋さんに声をかけて終了としてもらった。高橋さんの「終了ぉ〜〜」
「撤収ぅ〜〜」という声が山に響き渡り作業は終わった。            

集合場所に集まり、猫ミュウさんが凍らせてきたというペットボトルの冷たい水をも
らう。これが浸みるほど旨かった。参加者全員が汗だくになっていたが、怪我もなく
蜂にも刺されず無事に終わったのが何よりだった。こうしてみると5時スタートとい
うのは正解だったと言える。あと2時間スタートが遅かったら熱中症で倒れる人が出
たかもしれなかった。そのくらい暑い中での作業だった。参加された皆さん、本当に
お疲れさまでした。                             

凍らせた水は下刈りのごちそう・・・あとはまた明日から。