瀬音の森日記 268


ピザ窯を作ってピザを焼く



2002. 11. 30


11月30日(土)小菅の山小屋でピザ窯作りを行った。これはわたるさんの友人の大
豆さんがピザ窯作りに必要な耐火レンガを無償提供してくれることになり、急遽決まっ
たイベントだった。私は当日の午後に用事があり、夕方から駆けつけることになってい
た。当日の参加者はしゃあさん、わたるさん、kazuyaさん、渡部さん、大豆さんと息子
の小豆君の6人だった。山慣れたkazuyaさんやしゃあさん、わたるさんとはいえ荷揚げ
は大変だったと思う。本当にお疲れさまでした。                 

私は用事を済ませ午後4時半に家を出た。ところがどこも渋滞でいつものように走れな
い。いつもは朝6時ころに家を出るのだから、当たり前と言えば当たり前なのだが、渋
滞を避けて青梅街道に出て、ひたすら小菅を目指したのだが、予定した時間には着かな
かった。渋滞の中で野村さんから電話が入った。今日は仕事だそうだ。お疲れさま。 
途中、コンビニから山小屋のわたるさんに電話をする。缶ビールを買ってきてくれとの
ことで1ダースの缶ビールを買う。山小屋はにぎやかだ。「ピザが旨い〜!」と叫んで
いる。う〜〜〜む、気がはやる。                        

舩木山荘前に着いたのは7時過ぎだった。車を河原に止め、ヘッドライトを装着し、山
登りの準備をする。車のヘッドライトを消すといきなり真っ暗で、心細いことおびただ
しい。考えてみたら、夜ひとりで山を登るのは初めての経験だ。「さて、登るか!」声
を上げて勢いを付けたが、かえって一人だという事を強調してしまったようで、やけに
後ろが気にかかる。山道を歩く足音がやけに大きく響く。いやあ、心細いもんだ。  

半分くらい登ったところで何やら大きな叫び声が聞こえたような気がした。「ドキッ!
」上の大きなモミの木から鳥が飛び立った。バタバタ!!またしても「ドキッ!」夜の
山道は光の当たらない範囲が何だか怖い。遠くに山小屋の明かりが見えた時には本当に
ほっとした。荷物は重いのに、いつもより登るのが速い。体は正直なものだ(笑)  
山小屋についてみんなと挨拶を交わし、何気なく先ほどの「声」の話をしたら、わたる
さんが夜の山彦の実験で叫んでいたんだそうな。                 
「まったく〜、おどかすんじゃないよ・・」と心の中でつぶやいた。        

ピザ窯の中で真っ赤なおきが燃えている。それを掻き出して2回目のピザ焼きが始まっ
た。しゃあさんがドウを伸ばし、サラミやベーコンをトッピングし、チーズをたっぷり
振りかけて窯の中に入れる。ふたをして約3分。「さあ、焼けた!」と取り出されたの
は湯気を立てて焼けている本物のピザだった。すぐに包丁で切り分けて(切る時の音が
、サクッっという軽い音、もぅ〜たまりません)アツアツを口に運ぶ。ひとくち食べた
瞬間に「うまいぃ〜〜〜」という叫びが出た。いや、本当に旨かった。       

いやはや、窯で焼きたてのピザの旨いこと。しゃあさんが1日かけて準備したドウはカ
リカリのクリスピーピザとなって小菅の山小屋のご馳走に化けた。正直なところ、会社
の近所のピザ屋さんのピザよりも旨い。山登りで乾いたのどにビールを流し込み、次か
ら次にピザを食らう。いくらでも入ってしまう。一回の加熱で4枚のピザが焼けた。落
ち着いたところで今度は渡部さんがニンニクベーコンパスタを作ってくれた。これまた
旨い!今日の山小屋はイタリアンの夜だ。                    

その後、ほかほかと暖かいピザ窯に座ったりして暖まりながらマカランと山崎12年を
飲み、おでんをつつきながら芋焼酎森伊蔵などを飲み、山小屋の夜は更けていった。私
はいつもの場所に寝袋を広げていつものように一番早く寝てしまった。一番遅く来て、
一番早く寝るのは問題だなあ・・などと思いつつも、睡魔には勝てなかった。    

翌朝は雨。目が覚めたらもう8時になっていた。あんまり暗いのでまだ6時ころかと思
ったくらい暗い朝だった。焚き火をしている横に行って、恒例の「朝プシュ!」朝飲む
缶ビールの旨いこと。いつもながら渡部さんは不思議そうに見ている。みんな起き出し
て、だるそうに朝食の準備をする。朝食はうどん、ドウ生地で焼いたチャパティ、卵焼
き、おでんなど。ひたすら食べて食材の消費に努めた。              

その後、みんな炭火を囲んでまったりと過ごしていたが、私は12月の間伐教室の下見
と間伐の選木をした。20本ほどの木に赤いテープを巻いたが、上の山に多くの未間伐
地帯があるので、12月はそこの間伐・枝打ちをやることにした。ここは低い部分まで
枝が残る藪状態で、間伐と枝打ちをすることで劇的に明るくなると思われる。今シーズ
ン何回かの間伐でここが明るくなれば上々だろう。                

昼にはおでんの残り汁にごはんを入れておじやを作って食べた。じっくり煮込んだ煮汁
で作るおじやの旨いこと。何だか食べてばかりいた。かなり太ったような気がするので
心配だ。片付けて清掃し、山小屋を後にしたのは12時を過ぎていた。のんびり過ごし
た山小屋での時間だった。                           

今度はどんなピザにしようか・・・あとはまた明日から。