瀬音の森日記 273


1月の間伐教室



2003. 1. 18.19


1月18日(土)19日(日)の二日間、間伐教室を開催した。参加者はNAKANOさん、
長南さん、みきちゃん、しゃあさん、JICKYさん、初参加のゆうさん、そしてkurooの
7人だった。風邪を引いて体調を崩した人も多く、少ない人数だったが、天候にも恵ま
れ充実した二日間だった。                           

奥多摩駅で長南さん、みきちゃんと初参加のゆうさんをピックアップして舩木山荘に向
かう。小菅村に入ると道の両側の雪が多くなってくる。いつもの下り道も雪で真っ白に
になっているので慎重に下る。舩木山荘前はツルツルの氷でスケート場のようになって
いた。先に来ていたNAKANOさんとみんなで少しでも氷を割っておこうと、丸太を使っ
て割ろうとしたのだが、カチカチの氷はなかなか割れなかった。          

しばらく待ったが誰も来ないので先に山に登る。ゆうさんは70リットルも入る大きな
ザックを担いで登る。足元が滑るので歩きにくいようだ。雪や氷のある時はスパイク付
き長靴が滑らないので強い。一汗かいて山小屋に到着。デッキには雪もなく快適なステ
ージになっている。荷物を下ろし小屋の整理をする。長南さんが屋根の雪を下ろして、
電気を直してくれた。電気が点くようになったのは嬉しい。            

作業はモンキーラダーを使っての枝打ち。NAKANOさんがしきりにモンキーラダーの制
限加重が80キロなのを気にしている。まあ折れることもないと思うので大丈夫だろう。
ゆうさんが果敢にモンキーラダーに登って枝打ちに挑戦する。下でNAKANOさんに確保
してもらいながらだが、勇気のある子だなあと感心する。長南さんは相変わらず軽やか
な身のこなしでひょいひょい高い枝に登って枝打ちをしている。          

昼のサイレンが鳴ったので山小屋に戻り昼食にした。しゃあさんとJICKYさんが来てい
て楽しい食事となった。しゃあさんの車がスタックしたのをJICKYさんが救出していた
のだそうで、大変だったようだ。みきちゃんが湧かしておいてくれたお湯を使ってカッ
プラーメンを作って食べる。冬の山では暖かいものが旨い。イノシシ肉を取り出して鍋
に入れ水を注ぐ。これを夕方までかけてじっくり煮込むのだ。味付けはいっさいしない
で煮る。塩味が少しでも入ると肉が堅くなる。担当はみきちゃんにお願いした。   

午後の作業も枝打ち。しゃあさんが張り切ってモンキーラダーに登って枝打ちをする。
あとで聞いたら高所恐怖症だとのこと。4メートルの1本梯子の上での作業さぞ緊張し
たことだろう。頭が下がる。JICKYさんはチェーンソーで太いヒノキの間伐を行ってい
る。トイレ作りの柱や梁となる材を切り出してもらった。ゆうさんも間伐に挑戦した。
時間はかかったが、30年生のヒノキを自分の手で切り倒した瞬間の気持ちはどんなだ
っただろうか。午前中からフル稼働だった長南さんも腕の疲れを訴えてきた。枝打ちは
体重を支える為、以外と腕の筋力を消費する。日も傾いてきたので3時で作業終了とし
た。全員で作業終了の集合写真を撮った。みんないい顔をしている。        

焚き火で体を暖めてひと休み。そしていよいよ楽しみにしていた焼き肉タイム。七輪に
炭を熾し、ザックから鹿肉を取り出した。今回は長南さんの発案で、蕎麦を喰われたイ
ノシシ、豆焼沢でシオジやサワグルミを喰われたシカをみんなで喰ってやろうという事
になったもの。鹿肉1kg、イノシシ肉1kgを調達し、色々な食べ方を試してみた。
まず、鹿肉500gは前日から焼き肉のタレとオリーブオイルを調合したタレに漬け込
んだものを焼き肉で食べた。次に生鹿肉500gをスライスし、半分は刺身でショウガ
醤油で食べた。スライス肉に漬けニンニクを巻き込んで食べるのも美味しかった。最後
はスライスしたヒレ肉を炭火でさっと炙り、ニンニク醤油で食べた。どれもこれも、じ
つになめらかでくせが無く、ひたすら美味だった。                

イノシシ肉は水だけでひたすら煮込み(4時間)細かいアクをとり続け、最後に牛蒡の
ササガキ、大根、京ニンジン、下仁田ネギを加え、酒と醤油で調味して仕上げた。これ
はもう、何と言っていいか・・・極上の鍋が出来上がった。3センチもある脂身が豚の
ように溶けず、しっかりと歯ごたえや旨みを残して柔らかく煮上がった。肉も軟らかく
、噛めば噛むほど味が出てくる。この旨みを吸い込んだ大根や牛蒡の旨いこと。下仁田
ネギのとろけ具合も絶品で、人数が少なくて良かった・・・と参加した人は全員が思っ
たに違いない。                                

韓国のキムチも出て、おいしい宴会は夜遅くまで続いた。3時から飲み始めて午前2時
まで飲み続けた人が何人か・・・いやはや凄いことだ。私はしっかり先に寝たはずだっ
たのだが、炭による酸欠のためか途中で息苦しくなって起きた。そのまましばらく階下
の宴会に加わっていた。長南さんも途中仮眠したが復活して遅くまで飲んでいた。  

翌日は朝食のあと枝打ち隊・間伐隊と分かれて作業した。私はトイレ設置場所の基礎工
事をした。石を集めて石垣を組み、斜面を平らにする作業だ。その後山小屋上部の崩れ
ている斜面にやはり同じように石垣を組み、登山道がこれ以上崩れないように土留めを
した。そして間伐したヒノキを皮を剥いて乾燥させるために立てかけた。みんなそれぞ
れに忙しく作業をこなしていた。作業終了し山小屋を片付けて下山。しゃあさんの車を
上の道まで押し上げるという重労働がおまけだったが、無事に間伐教室は終了した。 

鹿もイノシシも旨かった・・・あとはまた明日から。