瀬音の森日記 279
2月の間伐教室
2003. 2. 22.23
2月22日(土)と23日(日)の二日間、小菅で間伐教室を開催した。参加者は長南
さん、ハミングウェイさん、あきおさん、フクロウさん、nyankoさん、猫ミュウさん、
NAKANOさん、kurooの8人だった。曇り空の寒い日だったが、まず最初にやったのは
畑の藁を燃やして草木灰を作ることだった。畑を耕耘する前に草木灰を撒いておくこと
が必要で、参加者に手伝ってもらい畑の藁を燃やした。湿り気のある藁が燃えなくて苦
労したが、どうしても耕耘前に灰を撒いておきたかったので無理矢理燃した。
すぐに身支度をして山登り。荷物が多く、みんなに手伝ってもらいながらの登山となっ
た。山小屋はいつもと変わらず、雪もなく快適な状態だった。電気が点かないのが唯一
の問題だが、配線をスイッチから外して直接コードで点けるようにしたので、次回は大
丈夫だろうと思う。すでに11時をまわっていたのだが、そのまま間伐作業に入った。
各自、安全帯を付けてモンキーラダーをかついで作業現場に向かう。現在の間伐地は細
い木が密集している場所なので、枝打ちと間伐をすると見違えるように明るくなる。特
に枝打ちは良材を得ることと林内環境を良くすることに効果的だ。見通しが良くなり、
明るい光が差し込むようになればこのヒノキ林も素晴らしい森になるはずだ。
正午のチャイムが鳴ったので作業を中断し、片付けて山小屋に戻った。合流した猫ミュ
ウさんとNAKANOさん、トイレ用の製材作業をしていたあきおさんも一緒に焚き火を囲
んで昼食を食べた。お湯を沸かしてカップラーメンを作り、それをすすりながらおにぎ
りを食べると体も暖まり手足が伸びるような気がする。今日のような寒い日は特に温か
いものがおいしく感じる。何でもない昼休みの会話がまた楽しい。
午後も間伐と枝打ちをした。猫ミュウさんもNAKANOさんもモンキーラダーに登り、ヒ
ノキの枝打ちをした。寒さに加え疲労が蓄積すると事故が起こりやすくなるので、3時
で作業は終了した。山小屋に戻り、片付けをしているうちに細かい雪が降り出した。ど
うりで寒いはずだ。細かい雪が音もなく静かに真っ直ぐに降りてくるのをしばし見とれ
てしまった。山の中で音もなく降る雪というのもいいものだ。寒さは一段と厳しくなっ
てきただ、参加者は慣れたもので、相変わらず外で料理したり飲んだりしていた。
今日の料理はタコ入りチヂミ、炭火で熱した中華鍋を使って焼いた。イノシシ鍋は焚き
火でゆっくりと煮込み、仕上げに野菜をたっぷり加え調味した。猫ミュウさんがメジナ
の一夜干しを持ってきて焼いた。ハミさんがワカサギの天ぷらを揚げ、大量に残ったワ
カサギを叩いてキムチ味噌とネギを刻み込んで練ったもの揚げ、つみれを作った。これ
が旨かった。2回目には片栗粉をつなぎに入れ、更に美味しいつみれが出来た。フクロ
ウさん持参の干物やイカも焼かれて参加者のお腹を満たした。
お酒を飲みながら動き回っていたら、フラフラしてしまった。みんながまだ外で飲んで
いるいるときに二階に寝袋を敷いて横になってしまった。ちょっと腰が痛かったので横
になっただけだったのだが、そのまま翌朝まで寝てしまった。いやはや何とも・・翌朝
聞いたら8時前に寝てしまったとのこと。せっかくの小菅で何というもったいないこと
をしてしまったのか・・・飲もうと思っていたボウモアがそのまま残っていた。
翌朝は雪が積もって銀世界だった。韓国のおもち「トッポギ」を使って餅鍋を作り朝食
にした。昨日のイノシシ鍋の具がだいぶ残っていたので素晴らしい味の鍋が出来上がっ
た。トッポギは煮込んでも溶けないので鍋料理に向いている。満腹になるまで食べて、
コーヒーを飲んで今日の作業について話し合った。たいぶ雪が梢にあるので枝打ちも間
伐も危険だと判断し、上の森までハイキングすることにした。目的は小菅の森にただ1
本ある絶滅危惧種「ヤエガワカンバ」を見ること。
雪の山道を尾根まで登る。ここまで登ったのは本当に久しぶりだ。本来ならこの森が小
菅の森となるはずだったのだが、いろいろな問題があって現在の活動場所になってしま
ったという経由がある。雪が積もった平らな小菅の森は見通しが良く、何となく雪遊び
の雰囲気が似合う。その一角にヤエガワカンバは立っていた。絶滅危惧種レッドデータ
ブックB2分類に指定されているその木は毎木調査をした2ヘクタールほどの広さに中に
ただ1本だけ立っていた。何重にもなった薄い皮が重なり、鱗のような樹皮を持つ珍し
い木だ。樹勢も弱く、いつまで生きていられるか分からない。その樹皮をなでながらじ
っと見つめる長南さんの顔が印象的だった。
絶滅危惧種の1本を見つめて・・・あとはまた明日から。