瀬音の森日記 289
正丸オートキャンプ場に行った
2003. 4. 26.27
荒川水系渓流保存会の須崎会長から正丸オートキャンプ場の管理人杉田さんを紹介して
もらった。杉田さんは自分の山から切り出した杉を使って3階建てのログハウスを自分
で作った人で、一度そのログハウスを見て以来、何とかログハウス作りのノウハウを身
につけたくてお願いしていたのだ。前日に伺う旨の電話をしておいたので、早めに家を
出てキャンプ場に着いた。
杉田さんはまだ来ていなかったので、ログハウス前の竹藪の整備をした。古い竹を切り
、枯れた竹を取り除き、切り株を低い位置で切り直し・・といろいろやっているうちに
杉田さんが到着した。挨拶して四方山話をする。話を急いでも仕方ないので、杉田さん
にキャンプ場を案内してもらう。ユンボ1台で杉林を切り開き、砂利を敷き、杉を伐採
してログハウスを造ったのだ。
キャンプ場内にはチョウセンニンジン、ザゼンソウ、ワサビなどが植えてあり、雑木林
の日陰にはサクラやコナラの木が玉切りされてシイタケやクリタケの菌床になっている
。シイタケはすっかり大きくなっていて取り頃だった。ユンボで切り開いた道から急な
尾根の踏みあとに入る。この上には踏みあとしかない。右側の斜面は杉に覆われた鬱蒼
とした暗い森、左側はヤマザクラやリョウブ、コナラの明るい林。至る所にシカの踏み
あとがあり、シカが縦横無尽に山の中を走り回っているようすが分かる。
三角点のある尾根にたどりついて一息いれた。杉田さんと並んで座り、木々の間の眺望
を楽しむ。双子山、武甲山が見渡せる。「こっから下がうちの山だいね」と杉田さん。
付近に繁茂しているフジを切り払いながら、ミズナラの木の下で記念写真を撮った。杉
林は3分の2くらいの量を間伐しなければダメだという点で意見は一致した。
杉田さんとはここで分かれて一人で更に上を目指した。右側が鬱蒼としたヒノキ林で左
側は明るい雑木林が続いている。尾根道はヒノキの根が張っていてじつに見事だった。
ひとしきり汗をかいて直登すると正丸山に出た。奥武蔵登山道の一部で右に下れば正丸
峠、左に下れば虚空蔵峠に行く道だ。今日は正丸峠に下り、一般道を歩いてキャンプ場
に帰ることにした。ヤマザクラがそこかしこで咲いていてゆったりした花見を楽しむこ
とができた。途中にミツバチの巣箱がたくさん並んでいる場所があった。今の時期だと
ヤマザクラの蜜を集めているのだろうか。
キャンプ場に戻り、植樹木を支えるための杭を作った。そして夕食用に蕎麦打ちをする
ことになった。蕎麦を打つのは初めてだったが、うどんと同じだろうと気軽に引き受け
た。コネをやるだけで、あとは製麺機を使っての蕎麦作りだった。変わっていたのはダ
ッタン蕎麦粉を少し入れて打ったことだった。ダッタン蕎麦は血液をサラサラにするル
チンが日本蕎麦の296倍含まれているのだそうで、少し黄色みがかった蕎麦が出来上
がった。入れすぎると苦くなるそうで、風味を出しながら苦みを出さない塩梅が難しい
のだとのこと。何とかたくさんの蕎麦を作ることが出来た。近所のおばさんが蕎麦をも
らいに来て、代わりに天ぷらを揚げてくれたので、豪華な夕食になった。
外の釜で焚き火をしながら夕食を頂き、ビールを何本か飲み、四方山話ををして9時に
は寝袋に入って寝てしまった。
翌日はのんびりと起きて、犬と挨拶し、顔を洗い、野鳥の観察をした。焼却炉の煙突に
シジュウカラが巣を作っており、頻繁に巣の材料を運び入れている。すぐ横の巣箱には
キビタキが巣を作っているようだ。ミソサザイの甲高い歌声が川面に響き渡り、川ガラ
スが素早く影のように川面を飛び去る。ヒヨドリがオオヤマザクラの花の中を飛び回っ
ている。たぶん花の蜜を食べに来たのだろう。目の前のヤマザクラの梢にオオルリが来
て素晴らしい声で鳴きだした。双眼鏡でじっくりとその姿を楽しむ。オオルリをこの目
で、こんな近くで観察したのは初めてだった。
ご飯を炊き、みそ汁を作り朝食を食べた。杭を植樹僕の支え用にカケヤで打ち込み、横
木をコーススレッドで固定した。今日の仕事はここまで、あとはログのトイレの見学や
ら、山菜採りやらで時間が過ぎていった。本格的なログハウス作りの作業は秋からにな
りそうな予感がする。炭焼き窯作りも道づくりも、まだまだたくさんやることがあるよ
うだ。
忙しい夏になりそうな予感・・・あとはまた明日から。