瀬音の森日記 294
小菅の森・樹木板調査
2003. 5. 24.25
5月24日と25日の二日間、小菅で樹木板調査ほかいろいろな作業をした。参加者は
渡部さん、ハミングウェイさん、あきおさん、長南さん、ゆうさん、すみ放のさいとう
さん、同じくカワニシさん、鵜住居さん、猫ミュウさん、野村さん、kurooの11人で
した。おこなった作業はカボチャ苗の植え付け、トイレの仕上げ工事、樹木板取り付け
の調査兼樹木観察会、畑の耕耘と落花生の種まきなどだった。
カボチャの苗は全部で5本。そのうち4本を畑に植え、1本を山小屋横に植えた。畑は
シャベルで耕耘し、2メートル間隔でツルが伸びたらフェンスによじ登ってくれること
を期待して、フェンス沿いに植えた。雑草に負けずに育って欲しいものだ。山のトイレ
工事はあきおさん中心に進んでいた。昼近くにすみ放のさいとうさんとカワニシさんが
やってきた。二人には重すぎるトイレのドアを軽くするために張ってあるコンパネの片
側を剥がす作業をしてもらった。
昼のサイレンが鳴り、前夜から泊まり込んだ渡部さんが全員に昼食の焼きそばを作って
くれた。鮮やかな鍋捌きで大量に作ってくれた焼きそばはじつに旨かった。思い思いの
場所に陣取ってお昼を食べ、ひと休みしてから樹木板調査のための山登りとなった。山
小屋からモロクボ平まで登り、様々な樹木をウオッチングし、樹木板をどの木に取り付
けるかを検討するための調査だ。
山小屋上のヒノキ林を越え、杉林を抜けて尾根に出ると、広葉樹の広がる明るい道にな
る。カエデやアカシデ、ヤマボウシ、ダンコウバイなど沢山の新緑が観察出来た。低木
ではアブラチャン、クロモジ、ニシキギなど。高木はコナラ、クリ、ホウノキ、アカマ
ツなど。珍しいところではアサダ、樹皮がサロンパスの香りを発するミズメなどが尾根
の明るい道を覆っていた。参加者の質問に答えながら、樹木の解説をし、知っている事
を分かりやすく話す。そう、これこそ森林インストラクトだった。考えていた以上に樹
木の種類が多く、豊かな森であることが分かったのは収穫だった。
モロクボ平は我々の間で小菅の森と呼ばれている山上の楽園とも言える場所。尾根を登
り詰めたところに広がる3ヘクタールほどの平地で、コナラ、ミズナラ、クリが優先す
る二次林。昔は炭焼きの材料として何度も伐採を繰り返していた森だが、炭の需要が無
くなると同時に放置され、豊かな広葉樹の森になろうとしている。ここに樹木板を設置
して登山者に樹木の知識を覚えたもらいたいというのが今回のイベントの主旨だった。
最上部から下りながら登山道横の1本1本の木を確認しながら、樹木板をどの木に付け
るかメモして行く。同じような木が多いので、なかなかバランスを取るのが難しい。
この現地メモと、我々が作成した樹木マップ、kazuyaさんが作成した樹木一覧表と樹
木板サンプルを揃えて小菅村に許可申請しなくてはならない。登山道沿いという事もあ
り、勝手に樹木板を設置出来るはずもないので、資料が揃い次第確認するつもりだ。設
置する樹木板は樹種が25種、枚数が合計47枚とメモされた。
山小屋に戻り焚き火で体を暖め、ひと休みする。その後、まだ終わってなかったトイレ
工事に参加した。壁を張り終わり、ドアは明日に回し、レジャーシートをドア代わりに
貼って本日の作業終了とした。デッキではハミングウェイさんが買ってきた様々な食材
が焼かれて宴会が始まった。すみ方の渡辺会長が差し入れてくれたウドとフキの煮物は
絶品だった。ビールで始まり、肉と一緒に赤ワインが出て、メロンと一緒にウイスキー
が出て、果ては焼酎、日本酒の海・・・私は最短記録か・・9時には轟沈していた。
朝は渡部さんの焚き火の音で目覚めた。恒例の朝プシュをして目を覚まし、終わってな
かったトイレのドアを作りに行く。ドアが重いので軽くするために貼ってあるコンパネ
を切り抜くことにした。単に切り抜くだけでは面白くないので葉っぱの形に切り抜くこ
とにした。作業はけっこう大変だったが、瀬音の森らしいトイレのドアが出来た。こん
な遊び心も山の中では大切な事だと思う。
朝食はハミングウェイさんがフレンチトーストを作ってくれた。9時に野村さんが到着
し、下の畑で耕耘の準備をしているとのこと。トイレドアの工事をあきおさんに任せて
、ゆうさん、カワニシさん、ハミングウェイさん長南さんの5人で山を降りて畑に行っ
た。野村さんがコマメちゃん(耕耘機)の準備をしている横で、全員で草むしりをする
。フェンス沿いには大きな背丈の雑草が繁茂しており、これを力任せに取り除く。畑の
中にはスギナなどの取りにくい雑草が沢山生えていて、草むしりは大変だった。
ジャガイモ畑の横をコマメちゃんで耕耘する。ゆうさんが途中から手伝ってくれた。鍬
で畝を切り、落花生を植え付けます。8畝に落花生を植え、カラス除けにテグスを張り
巡らせた。収穫は10月だから気の長い話だが、おいしいつまみを確保出来そうだ。午
前中いっぱいかかって作業を終え、再び山登りして山小屋に戻った。
山小屋ではトイレが完成しており、昼食のうどんとパスタが作られていた。山登りした
あとのビールが最高に旨く、じつに幸せな1本だった。食事の待ち時間にふと気がつい
て周辺のお茶の木の新芽を摘んで鍋でから煎りし、煎茶を作ってみた。思いの外好評で
普通のお茶のように飲んでみたが、なかなかの出来具合だった。いろいろあった二日間
だったが、それなりに楽しめたので充実した二日間だった。
教訓:お茶は煎る前に蒸す・・・あとはまた明日から。