瀬音の森日記 314


所沢コナラ林の再生活動



2003. 12. 7


12月7日(日)久しぶりに所沢中富のコナラ林再生ボランティアに参加した。里ネッ
トの大森先生が主催しているこの活動は、所沢中富にある江戸時代からの農用林を復活
させようというもので、放置され藪化している雑木林を落ち葉掻き出来る状態に戻すこ
とが目標だ。この日は16名の参加で主に伐採を行った。私は久しぶりの参加だったの
で「まるで七夕だね」などと冷やかされた。                   

準備体操と大森先生の話の後、今日の作業に入った。今日は雑木の伐採を手分けして行
うことになった。私はチェーンソーを持っていたので太いリョウブやエゴノキの伐採を
担当した。小春日和のポカポカ陽気に汗を流しながらの作業となった。チェーンソーは
すこぶる調子よく、気持ちよく思った通りに切れる。やはり、伐採は気分いい。   

平地の雑木林ということもあり、手入れしてない場所には多くの不法投棄ゴミがある。
都市部に近接した自然は貴重なのだが、人によっては”人目のない、何をやってもいい
場所”に映るようだ。ゴミの山を見ると暗澹たる気持ちになる。少しでも早く手入れを
して、ゴミのないきれいな雑木林にしたいものだ。こうしたゴミの問題は行政が解決す
べき問題なのだが、現時点で行政は「雑木林の持ち主がゴミを処分するべき」という立
場を取っているようだ。持ち主にしてみれば踏んだり蹴ったりではないか。     

焚き火を囲んでの昼食は楽しい。焼き芋が振る舞われ、鍋にはお湯が沸いている。その
お湯でラーメンを作って食べる人もいる。私は自前のガスコンロで湯を沸かす。伊藤さ
んが自慢のスープを振る舞ってくれた。イタリアの料理らしいオリーブオイルとニンニ
クの風味とフランスパンが絶妙の美味しさだった。その後コーヒーも振る舞ってくれて
、さながらオープンカフェのようだった。                    

午後の作業は太いアカマツの伐採から始まった。一抱えもある太さにたじろいだが、指
名されたので思い切って挑戦した。ラダーをかけロープを高い位置にかける。見上げて
作業するとアカマツの皮がバリバリとはがれて頭の上から降ってくる。メガネをしてい
ても目にゴミが入るので厳しい。ロープを伐倒方向に引き、滑車で角度を変えてチルホ
ールにセットする。こうして引けば安全に、狙った方向に倒れてくれるのだ。牽引は平
川インストラクターと吉田インストラクターが担当してくれた。          

大きな受け口を切り、追い口を切ると、巨大なアカマツは風を巻き上げながら轟音と共
に倒れた。さすがにこの大きさの木が倒れる瞬間はいつも緊張する。倒れた赤松の年輪
を数えたら90年の年輪が数えられた。90年間育ってマツクイムシにやられるアカマ
ツも可哀想だが、これも自然の摂理だから仕方ない。この一帯だけでも沢山の枯れたア
カマツが放置されており、それが全てマツクイムシの放出源になっていることを考える
と、あまり気分の良いものではない。かといって、すぐに処理出来るほど簡単な相手で
もない。1本の木を倒すのも3人で1時間がかりになるのだから。         

その後、掛かり木の処理をしたりして共同作業を行い、3時で終了とした。3時を過ぎ
るとこの時期は急に寒さが厳しくなり、手元が狂ったり手が滑ったりするので、安全を
考えると適切だと思う。瀬音の森の作業も3時か3時半には終わるようにしているのも
安全のためだ。                                

大森先生から8年かけて再生してきたコナラ林の解説を聞き、整理体操をして解散した
。私はその場で作った竹箒を手に、堆肥作り用の落ち葉集めをした。大きなビニール袋
で5つの落ち葉が集まった。山の畑で立派な堆肥を作らなくては・・。       

久しぶりの笑顔が嬉しかった1日・・・あとはまた明日から。