瀬音の森日記 316
12月小菅の間伐教室
2003. 12. 13/14
12月13日(土)14日(日)の二日間、小菅で間伐をした。12月は忙しい仕事に
追われてか、毎年参加者が少ない間伐教室だったが、今年も3人という少ない参加者数
になってしまった。参加者はハミングウェイさん、しゃあさん、kurooの3人だった。
12月のこの時期に間伐をやろうと計画するのが無謀だと言えるのだが、それにしても
誰からも音沙汰がないというのは寂しいものだ。舩木山荘に車を停めて山登りの準備を
している間も風が冷たかった。ハミングウェイさんから「今、向かっているよ」という
電話がなければ、このまま帰るところだった。持ってきた食材とチェーンソーとザック
を担いで山小屋に登る。乾いた落ち葉がカサカサと音を立て、冬の里山は静かだった。
山小屋到着。汗を拭きながら何気なく小屋を見たその目に飛び込んだのは、割れた窓ガ
ラスだった。「やられた!」つぶやきながら小屋の鍵を開ける。飛び散ったガラスを想
像したが、中には何も無かった。その時、先週鵜住居さんが会ったという「律儀なドロ
ボウさん」の話を思い出した。「あいつか・・・」確かモロクボ平に登って行ったと言
っていた。たぶんそのまま舞い戻り、どうしても中に入りたくて窓を割ったのだろう。
中の食材が少し減っていたようだが、きちんと整理してあるので分からない。ガラスの
破片をキチンと掃除するくらいなら割るなよ!と言ってやりたかった。
何だか嫌な気分を抱えてしまったので、気分転換に薪割りを始めた。チェーンソーで置
いてあった間伐材を玉切りし、端からバンバン割っていった。焚き火も始めて、休憩時
にビールも飲んだ。体を動かしていたら、先ほどまでの嫌な感じは消えていった。そし
てハミングウェイさんが到着。ハミさんも割られたガラスを見て唖然としていた。お湯
を沸かしてラーメンを食べ、焚き火にあたる。二人でいるのはやはり落ち着く。
午後はハミさんの希望で、新しいテントサイトを作ろうということになり、前から目を
つけていた山小屋上の平地まで行った。石や倒木をかたづければ何とかテントサイトに
なりそうだったので、クワで石や土を掻きだして平らにした。水道があるようで、ジク
ジクしてきたので間伐した丸太を並べて床を作ろうとしたが全部は出来なかった。寒く
なり山小屋に戻ると、もう作業するのがおっくうになってしまった。ハミさんはお風呂
に行ってくると下山し、私は夕食の準備を始めた。準備といっても炭を熾し、野菜を切
るだけなのだが、焚き火にあたりながらそんな作業をするのも楽しかった。
寒くなったので山小屋の中に移動した。炭は真っ赤に熾り鍋は沸々と煮立っている。聖
護院大根の短冊も煮えて透明になってきた。ハミさんが帰ってきて一緒に鍋料理を食べ
始めたら、ビールケースを背負ったしゃあさんが入ってきた。突然の来訪者に驚いたが
ちょうど鍋も煮えたところだったのですぐに宴会になった。まあ、しゃあさんらしい登
場の仕方だ。それからは歌で盛り上がり、話で盛り上がり、夜の10時まで飲んで騒い
でいた。
翌朝、朝プシュをやって、ハミさんが作ってくれた焼きそばに舌鼓を打ち、今日の作業
について話し合った。昨日は間伐をやっていないので間伐をやろうということになり、
さっそく夏に皮むきをしたヒノキを倒しにいった。ところが、すっかり枯れているはず
のヒノキは皮を剥いてしまったにもかかわらず、青々と葉を茂らせている。これは一体
どうした事だ。本来なら3ヶ月も経っているのだから枯れていてもいいはずなのに・・
ヒノキの生命力に驚き、考えを改めさせられた。
6本のヒノキを間伐し、4メートルに玉切りし、山小屋の前に運んで薪用に更に玉切り
した。運ぶのも大変だったが玉切りも大変だった。割る体力は残っていないので、次回
の作業にしようということになった。ハミさんが前から言っていた山小屋のデッキから
谷側に下りる階段を作ろうという事になり、切ってきた太い間伐材を使って階段を作っ
た。途中でチェーンソーのガソリンが切れた為、手切りが大変だったがステップが出来
た。これで山小屋の作業動線が便利になった。
少人数の作業も楽しい・・・あとはまた明日から。