瀬音の森日記 320


1月、小菅の間伐教室



2004. 1. 10/11


1月10日(土)11日(日)の二日間、小菅の舩木山林で間伐教室を開催した。参加
者は渡部さん、ハミングウェイさん、しゃあさん、kurooの4名だった。二日間とも快
晴で風もない穏やかな日和だった。作業は4人という少なさながら順調に進み、二日間
で太いヒノキを20本以上も間伐することが出来た。当初に比べてスキルアップしてき
たことがハッキリ分かる作業状況だった。                    

朝、駐車場で渡部さんと合流し、身支度をして山登りを始める。穏やかで風もなく、歩
いているうちに暑くなってしまい、途中で上着を脱いだ。乾いた落ち葉を踏みしめなが
らフウフウと山道を登り山小屋に到着。渡部さんはすぐに水場へ水くみに、私はチェー
ンソーの刃を丸ヤスリで研ぎ始めた。先週、秩父でコナラを丸1日切っていたら刃がま
ったく切れなくなってしまったのだ。堅いコナラを切ってはいたのだが、あれほど切れ
なくなってしまうとは思わなかった。きちんと目立てをしないと今日の作業に支障が出
てしまうので、時間をかけてしっかりと目立てをした。              

午前中は新しい薪ストック場所を作り、玉切りしてあったヒノキを薪割りした。大量の
薪が出来たが、新しいストック場所(石垣の手前)にちょうど納まった。ここなら多少
の雨に濡れても、乾いてくれるはずだ。薪割りを交代しながらやったのだが、渡部さん
の斧が抜群の切れ味で、まったく苦にならなかった。薪の方からパリンっと割れてくれ
る感じが快感だった。午前中は薪割りで終わってしまい、お昼を食べていると、ハミさ
んがやってきた。そして缶ビールをケースで担いだしゃあさんもやってきた。    

午後は本題の間伐を行う。山小屋の急斜面上部にテン場を作ったので、その前面に当た
る場所の間伐をすることにした。ここは太いヒノキが密生している場所で、枝が絡み合
っており、間伐する場所としてはかなり難しい場所だ。株から切り落として、幹を引き
ずって横に倒す方法しか通用しない場所だったので1本倒すにも時間がかかった。それ
でも1本1本丁寧に倒して行くと次第に明るくなっていくのがよく分かる。間伐の醍醐
味は木を倒す瞬間と、確実に明るくなる森を見られることだ。特に今回のような密生し
たヒノキ林を相手にすると確実に明るくなる手応えを感じることが出来る。     

4人で10本ほども倒して3時半になったので初日の作業を終了した。さすがに手が凍
えてくる時間になってきた。山小屋に戻り、焚き火で暖を取る。ひと汗かいた後の缶ビ
ールはじつに美味い。ひと休みして、ハミさんは小菅の湯に向かい、私は夕食の鍋を準
備する。渡部さんが秩父の杉田さんから頂いてきた鹿肉を持参したので、それをスライ
スして、生姜醤油で食べた。トロリとした甘さが口中に広がる、くせがなく柔らかい逸
品だった。焚き火の前で、ビールを飲みながら、その鹿肉の刺身を堪能した。    

充分焚き火を楽しんで寒くなったので山小屋に入る。山小屋の中には午後の作業前に炭
火の上にセットしておいた鍋にイノシシ肉が軟らかく煮えていた。4時間煮たイノシシ
肉は軟らかく、肉汁がたっぷり出ている。ここに牛蒡や大根、白菜、下仁田ネギ、里芋
、きのこなどを入れて更に煮込む。柔らかくなったら味噌で味を調えてイノシシ鍋の出
来上がりとなる。すでに焼酎を飲み始めていたので、いい気分で調理を進めていた。 

ハミさんが温泉から帰ってきたので、みんなでイノシシ鍋を食べる。肉は頼りないくら
い柔らかく、本当にイノシシなの?という感じである。少々手応えが欲しくなる。お酒
を飲みながら歌が出て、渡部さんのギターが始まる。懐かしい歌がCDから流れてきて、
それに合わせて伴奏がつき、時には歌が出る。懐かしくも楽しい時間が過ぎていった。

翌朝はさほど寒くなく、渡部さんとしゃあさんが焚き火にあたっている所へ朝プシュを
やりながら加わった。朝食は渡部さんが、なんとカルボナーラを作ってくれた。この山
の中でまさかカルボナーラが食べられようとは思わなかったので大感激。味はもう折り
紙つきの逸品で、全員無言でかぶりついた。いやあ、美味かった。         

午前中は昨日の続きの間伐をした。切れないチェーンソーにいらだったり、押した木が
外れて、それと一緒に転倒したりと、アクシデントもあったが、順調に作業は進み、午
前中で10本以上の太いヒノキを倒した。4人でも、かなり太い木を倒せる自信がつい
たのが収穫だった。当初と比べるとかなりスキルアップしてきたように感じる。チェー
ンソーのガソリン切れをシオに、明るくなった森を確認し、次回の間伐木を選定して作
業を終えた。充実した3時間だった。                      

昼の締めはハミさんのお雑煮・・・あとはまた明日から。