瀬音の森日記 325


2月小菅の間伐教室



2004. 2. 14.15


2月14日(土)15日(日)の二日間、小菅の舩木山林でヒノキ林の間伐を行った。
参加者は猫ミュウさん、ハミングウェイさん、鵜住居さん、kurooの4人だった。この
日は春一番が吹いたのだが、小菅の山は雪もなく春のように暖かかった。人数が少なか
ったので、無理をしないようにしたが、間伐にも慣れてきた事もあり順調に作業が進ん
だ。午前中は小屋の周りの作業をしてからの間伐だったので5本しか倒せなかった。 

昼は山小屋で温かいラーメンを食べた。さすがに食事は温かいものに限る。体の芯から
暖まり、お腹から力が沸いてくるような気がする。小菅の冬は日が短いので食事を済ま
せてすぐに午後の作業に入る。ヒノキは枝が強いので、ほとんどの木が枝がかりになっ
てしまう。最初から掛かり木になることを想定して作業しなければならないので、木を
引きずる方向を考えて受け口、追い口を切るようにする。             

チェーンソーをフル回転させて、次から次へとヒノキを倒す。新しく作ったテントスペ
ース前のヒノキを中心に切り倒す。切り倒すというよりも引きずり倒すと言った方が正
しい。3人が力を合わせて引きずると何とかなるもので、午後の作業も順調に進んだ。
3時半に終了し、山小屋でひと休みして、小菅の湯に向かった。汗を流して体を暖める
為だ。下山して気が付いたのだが、登山口の栗林に大きな熊棚が出来ていた。昨年も隣
の林に大きな熊棚が出来ていて驚かされたのだが、今年も出来ていた。こんなに人家に
近いところまで熊が下りてきている事実に少々首がすくむ気がした。        

温泉で暖まった体をさらに登山で暖め、山小屋ではすっかりいい気分で宴会が始まった
。きんちゃく入りのおいしいちゃんこ鍋が出来上がり、焼酎のお湯割りと共にお腹に納
まっていく。3人の話は延々と続き、冬の夜は更けていく。            

翌朝7時に起きだし、焚き火をする。朝日が差すころには暖かくなってきた。ハミング
ウェイさんがお雑煮を作ってくれたのでそれを食べる。暖かくて美味くて、体が一気に
暖まった。ひと休みして、二日目の作業に入った。今日も間伐だ。         

きのう掛かり木にしてしまったヒノキにチルホールをかけて引き倒す。強引に倒すには
チルホールが有効だ。ラダーをかけ、ロープを掛けて引き倒す方法も試みてみたが、や
はり枝が掛かるとどうしようもない。結局根元を持って引きずり倒す方法がベストだっ
た。途中から鵜住居さんも加わったので作業が速くなった。今日も順調に作業が進み、
きのうと合わせて20本以上のヒノキを間伐した。                

日が差し込むヒノキ林を目指しているのだが、まだまだ暗いままだ。20本切ったくら
いではさほど環境は変わらない。まあ、少しずつやるしかないのだが、気が遠くなるよ
うな事でもある。日本中のヒノキ林がこんな実情である訳で・・・何だか、考えると絶
望的な気持ちになるが、自分に出来ることはこうして1本1本間伐する事しかないのだ
から考えても仕方ない。のんびり気長にやるしかないのだ。            

日だまりはまるで春だった・・・あとはまた明日から。