瀬音の森日記 335
西木村 森作り体験交流会
2004. 6. 19
6月19日(土)雨の中、西木村上荒井地区にて森林作業体験交流会が行われた。朝か
ら小雨がぱらつくあいにくの空模様だったが、予定通り森林作業体験交流会が行われた
。瀬音の森からの参加者は澤田さん、河西さん、ハミングウェイさん、琥珀さん、岡田
さん、渡部さん、奥貫さん、ひらり〜さん、佐藤さん、坪井さん、宮内さん、金田さん
、old-beanさん、吉田桂治さん、吉田裕之さん、吉田敦子さん、たまくらさん、ぬま子
さん、kazuyaさん、稲垣さん、モルマーさん、原渓さん、PONTAさん、健さん、八木
さん、こねこさん、kurooの27名だった。
当日はあいにくの雨模様で、役場の担当者も準備が大変だったようだ。私は車で作業道
具を運んでいたので、どこに車を移動させればよいか分からず役場の担当者の後につい
て右往左往していた。林道が一方通行で車の通行が制限されたのだが、瀬音の森の道具
運搬車ということで、会場の近くに停めさせてもらえたので助かった。バスで参加の会
員や車を近くの中学校に止めて歩いてくる会員にヘルメットや鋸や鉈を無事に渡すこと
が出来た。参加者は全員雨合羽を着て歩いてきた。
小さな山の中の公園に巨大なブルーシートが張られて会場が作られ、地元の方、首都圏
からの参加者が続々とそこに集まってきた。開会式はブルーシートの下で行われ、雨模
様の下で村長の元気な挨拶が始まった。事前に班分けされていたので現場で混乱するこ
ともなく準備作業も出来て、班ごとに作業場所に移動する事が出来た。我々は間伐と枝
打ちをする場所に移動して森林組合の担当者から安全教育を受けた。雨は小降りになっ
ていたが、杉林の中は林内雨がひどく、木々の葉からおちてくる滴で合羽が濡れて蒸し
暑く、作業は大変だった。
作業は20年生のスギの間伐と枝払い。曲がったスギや枯れそうなスギっを間伐し、玉
切りにして処理をする。手が届く限りの枝を鋸で切り落とす。急斜面の足元が滑る条件
での作業は大変だったが、慣れてくれば問題なく作業できた。日頃、小菅や秩父の急斜
面を体験しているのでこの位は問題ない。始めて参加した人も頑張って作業している。
森林インストラクターでもある吉田さんとペアで作業出来たので、作業は楽しかった。
初参加の宮内さんと金田さんは枝打ちで頑張っている。合羽の上着を脱ぎ、汗を流しな
がら急斜面の杉林で枝打ちをしていた。布谷課長も澤田さんも汗でびしょ濡れになって
いる。私は途中で他の場所の作業記録を撮るために全体を廻った。各作業場所で瀬音の
森メンバーが奮闘していた。各作業場所とも安全に配慮して作業が進められていて、大
きな問題は無かった。チェーンソーを使っての伐採や玉切りなど本格的な作業をしてい
たが、皆楽しそうに作業していた。
午前中の作業を終えて、全員が開会式の会場に戻る。そこには地面にブルーシートが敷
かれ、昼食会場が作られていた。地元のお母さん方が作った何種類ものおにぎり、様々
なお漬け物と、ミズのみそ汁が温かそうな湯気を立てていた。濡れた合羽を脱ぎ、思い
思いの場所に陣取り大きなおにぎりにかぶりつく。いつ食べても西木村のお漬け物は美
味しい。ミズのみそ汁が冷えた身体を温めてくれた。懐かしい人、初めての人、様々な
話に花が咲きあちこちで笑顔の輪が広がっていた。さて、お腹一杯になって、落ち着い
てから気になるのは午後の作業をどうするかということだった。濡れた身体を一端暖め
た後に再度雨の中で作業するのはちょっとイヤな予感がしていた。
役場の人の打ち合わせが終わり、高橋さんから案内があった。午後の作業は中止し、そ
の代わりに懇親会の時間を早めますとのこと。車で来ている人は一端宿舎の「クリオン
」に車を運び、再度この会場に来るようにして欲しいとのことで、瀬音の森会員のうち
車で参加している会員が忙しく動き出した。私は道具やヘルメットを集めて車に戻り、
渡部さんを乗せてクリオンに走った。クリオンで車を置き、歩いて会場に向かった。雨
は上がっていたが、まだいつ降り出すか分からないような厚い雲に覆われていた。
山の公園では昼食の会場がそのまま懇親会の会場になっていた。濡れた服を着替えただ
けで快適な気分になっていて、この山の中の懇親会を思い切り楽しもうという気分にな
っていた。事実、このような山の中で宴会をやることは無いだろうし、貴重な体験にな
る予感もしていた。ドラム缶を半割にしたバーベキュー台に炭が焼かれ熱気を発散して
いた。そんなバーベキュー台が5カ所ほども出来ていただろうか、その周りに人が集ま
って手をかざしながら談笑していた。
そこにいきなり牛肉の固まりが登場した。前沢牛のスライス肉だった。大きな牛脂を鉄
板の上で焼く。瀬音の森チームは渡部シェフと琥珀さん、河西さんが大活躍でバーベキ
ューが進んでいった。前沢牛と野菜が鉄板の上で合体しタレがかけられて、絶妙の焼肉
が出来上がった。会場ではビールが回され、全員で乾杯が行われた。美味しい焼肉に舌
鼓を打ち、ビールが乾いた喉を潤す。みんな笑顔で上機嫌だった。初参加のメンバー紹
介や自己紹介をして座が盛り上がる。中央のテント(ブルーシート)では民謡の演奏と
舞が始まった。地元のご婦人と子供達による本格的な秋田民謡に接することが出来たの
はラッキーだった。しばし、美しい舞いに見とれてしまった。雨の山の中という厳しい
環境でありながら、最後まできりりと舞ってくれた凛とした表情に秋田の人の強さをか
いま見た思いがした。
雨がだんだん激しくなってきた。公園の周囲に池があるのだが、水面が泡立つような強
い雨になってきた。雨足がまるでカーテンのようにテントの外側を包囲している。こん
な状況で宴会を続けているのも異常だと思うのだが、まだまだ宴会は大いに盛り上がっ
ていて、濡れるのも楽しいような気分だった。さすがに役場の人から声がかかって、片
付けに入ったのだが、何だか妙に楽しかった。こんな大雨の山の中で宴会をすることな
ど、おそらく今後も無いだろうし、貴重な体験だった。
とても楽しい懇親会だった・・・あとはまた明日から。