瀬音の森日記 367


関根武【三十六樹 刻字展】



2005. 5. 4


5月4日(水)南青山の蔦サロンに行った。瀬音の森会員の関根さんが【三十六樹 刻
字展】という個展を開催していて、それを拝見するためにカミさんと二人で出かけてき
た。表参道駅からB1出口の長い階段を登り、会場までは歩いて5分ほどで着く。前日の
設営から手伝った個展なので、まるで自分の個展のような気分でドキドキしていた。 

この前日、作ったポスターや写真パネルを持って10時に会場に入り、関根さんや友人
の堺さん達とフォレストグリーンのテーブルクロスで統一した作品を並べる台を作った
り、壁を装飾したり、小道具の配置を工夫したりと忙しい時間を過ごした。何とか基本
的な会場造りが終わり、後は作者が作品を並べるだけになったので私は帰ったのだが、
その後も様々な葛藤があったのだと思う。しかし、この日目にした個展会場はしっかり
と関根武【三十六樹 刻字展】の会場になっていた。やはり、作品が会場を造るのだ。

会場は秩父から運ばれたコナラ、ウワミズザクラ、ミヤマガマズミ、フジ、ヤマアジサ
イなどの緑が生き生きと活けられ、作者の自然への想いが伝わってくる会場に仕上がっ
ていた。記帳して座って作品を手にとって鑑賞する。初めて作品を目にするカミさんに
いろいろ説明したり、関根さんの話しを聞きながらゆったりとした時間を過ごした。 

この会場は入った正面に大きなガラス窓があり、そこに中庭の新緑が目に飛び込んでく
る構造になっている。都心にありながら畳に座って新緑に包まれるような雰囲気があり
、昔見た映画「外科室」のワンシーンを思い出させるような会場だった。奥さんの作品
も展示してあり、その「2分の1和装」もそんな雰囲気を醸し出している一因だったか
もしれない。自己表現の方法は様々な方法がある。こうした作品によるものもそのうち
の一つだろう。多くの人が自分の可能性に気づいて、それを発表出来るようになればい
いと思う。そんなお手伝いが出来るのなら労はいとわない。            

会社の井川さんがちょうど見に来てくれた。デザイナーではあるが書道の勉強もしてい
る子なので興味深く作品を見ていた。関根さんの説明も真剣に聞いている。私も紹介し
た甲斐があるというものだ。関根さんは、今後も作品を作り続けて100作品まで挑戦
したいと言っていたので、次からの作品発表も楽しみだ。こうして瀬音の森会員の個展
があちこちで開かれるようになると嬉しいのだが・・。              

今日は何だか豊かな気分で・・・あとはまた明日から。