瀬音の森日記 381


西木村閉村式で感謝状を頂く



2005. 9. 13


9月13日(火)秋田県西木村のクリオンで朝を迎えた。今日は西木村の閉村式参加の
ために前日から来てクリオンに宿泊していたのだ。この秋に西木村、田沢湖町、角館町
が合併して仙北市になることが決まっており、西木村としての最後の行事に望んでいた
。村役場に集合となっていたのでクリオンのバスで役場に行く。役場庁舎の看板はすで
に仙北市に変わっていた。                           

大きなバスに乗り換えて、閉村式の会場に向かう。会場の中学校にはまだ参加者は揃っ
ていなかった。我々は事前に表彰者の集合写真を撮る関係で早く会場に来なければなら
なかったのだ。まだ準備中の会場で表彰者だけが壇上に勢揃いして写真を撮った。森林
ボランティアとして一緒に活動してきた「にしきふるさと会」と「小田原育林隊」の代
表も一緒だった。年輩の方に囲まれて若輩者は少々緊張していた。         

閉村式は粛々と進められた。部外者としてこういう場に参加して、尚かつ表彰者として
前の方の椅子に座っていることの違和感はあったが、厳粛な式に感動した。特に村の小
学生、中学生、高校生が全員揃って合唱してくれたのが素晴らしかった。突然会場の四
方から子供達がゾロゾロ入って来たときは驚いたが、素晴らしいサプライズだった。子
供達の合唱も素晴らしかったし、立ち居振る舞いも素晴らしかった。村外者でも胸が熱
くなる演出だった。村の関係者が揃って感慨にふけっている様子からも、西木村が本当
に素晴らしい村だったことが伝わってきた。                   

西木村の村としての歴史が終わる瞬間に立ち会えたことは、今後なにかにつけて思い出
すに違いない。日本中で何度も合併が繰り返され、その度に今回のような涙が流され、
その度に何かが失われていった。しかし、全てが無くなる訳ではなく、それはまさに新
しい歩みの始まりだった。この場所はこれから育んでいくものの大きさを考え、広がる
未来を考える場なのだと思うようになっていた。閉村式会場から祝賀会会場の吉田体育
館に移って、そのことがハッキリと分かった。祝賀会場では、これから仙北市の市民と
して何をやらなければならないのか、何が出来るのか・・・という話で持ちきりになっ
ていた。村が無くなる感傷よりも、明日の自分達に向かって叫んでいる感じだった。笑
顔が並んでいた。                               

多くの人と語り合うことが出来た。顔見知りも知らない人も誰彼となくビールを注ぎあ
い、膝をつき合わせて話をした。西木の人はみんな元気で明るく、人なつっこい。話に
興が乗り、ついつい飲み過ぎてしまった。