瀬音の森日記 397
妙高高原山菜ツアー
2006. 5. 13/14
5月13日(土)14日(日)の二日間、妙高高原にて恒例の山菜勉強会を開催した。
今回の参加者は長南さん、加藤さん、イナさん、藪沢賢治さん、みきちゃん、クロさん
、kurooの7人だった。天気予報が悪かったので心配だったが、朝から降っていた雨は
長野を過ぎることから弱くなり、妙高高原では降っていなかった。残雪が心配された山
荘への林道もまったく雪が無く、問題なく通過することが出来た。ボッカをする覚悟で
来たので、これは助かった。
雪が無いということは木の芽の最盛期ということで、タラノメ、コシアブラ、ハリギリ
のまさにジャストのタイミングという願ってもない状況だった。車を山荘に止めて周辺
を歩くだけでタラノメやコシアブラがいくらでも見つけることができた。採取は後のお
楽しみということで、妙高高原駅の待ち合わせに向かう。駅では加藤さん、イナさんが
釣りを楽しんだ後の充実した笑顔を見せ、藪沢さんとクロさんが久しぶりの挨拶を交わ
していた。時間通りに全員集合し、スーパーへ買い出しに行く。買い物籠に今晩の食材
を次々に投げ込み、大きな段ボール2箱の食材とアルコールを山荘へと運んだ。
山荘でひと休みした後、カラマツの間伐に入った。雨が来る前にやってしまおうと、素
早い動きで全員が連携し、ラダーの組み立て、ロープ掛け、滑車、チルホールのセット
を行う。ここのカラマツは25メートルほどの背丈で、滑車を使って方向を変えて牽引
しないと危険なのだ。まずは太いカラマツを倒す。チルホールで引きながら倒すことで
倒す方向を固定できるのでこれは安全な方法だ。あとは私がうけ口切りと追い口切りを
間違えさえしなければいい。狙ったところに大きなカラマツが倒れるのは実に快感だ。
倒したカラマツの枝落としを全員で素早く行う。私は3メートルの玉切りにする。そし
てすぐ次のカラマツを間伐する。こうして午前中だけで5本の大きなカラマツを間伐し
た。広く明るいギャップとなった裏庭は、来年にはたくさんのタラノキが生えて畑のよ
うになるだろう。カラマツは30センチの玉切りにして薪用に積み上げる。チェーンソ
ーの刃を新品に変えたら、素晴らしい切れ味で、カラマツが豆腐のように切れていく。
よく切れるチェーンソーを使うのはじつに楽しい。午前中の作業を終えて、イナさんが
作ってくれた焼きそばを食べながら歓談する。午後は山菜取りなので、ここでビールが
出される。汗を流したあとのビールは実に美味しい。
山菜取りは楽しかった。主にコシアブラを採ったのだが、これほど採取時期とピッタリ
合うのは珍しいと思う。ちょうど食べ頃のコシアブラが目の前にたくさんあるのだから
たまらない。食べる分だけ、などと思いながらもお土産用もしっかり確保する。皆が持
ち寄った山菜を仕分けしながら確認すると、コシアブラ、タラノメ、ハリギリ、ウド、
コゴミ、カンゾウ、イタドリ、フキノトウ、ワラビなどがズラリと並んだ。そして今回
の料理は長南さん、イナさん、クロさんが担当。私は間伐で疲れてしまい、外で焚き火
をしていた。チェーンソーを使い続けたので、すでに両腕が筋肉痛になっている。
出来上がった料理を肴に宴会が始まった。料理はコゴミの胡桃和え、コゴミのマヨネー
ズ和え、蕗味噌2種、カンゾウベーコン炒め、タラノメ胡桃和え、ギョウジャニンニク
の醤油炒め、コシアブラご飯、ハリギリご飯などなど。それに加えて藪沢さんが新潟か
ら仕入れてきた、ズワイガニ、イカの一夜干し、ツブガイが並ぶ。そこにイナさんが釣
ってきたイワナとヤマメの塩焼きが加わる。お酒はビールで始まり、芋焼酎、日本酒、
シングルモルトなどが出てくる。いつもながらグルメな山菜ツアーだった。
タンポポ屋台さんから激励の電話があり、日本代表の試合の事などの情報を聞く。した
たかに飲んでいたので受け答えの記憶がどうも心許ない。どうやら早々に寝てしまった
らしく、気が付いたら朝の7時だった。
外に出て朝の焚き火を始める。皆起きだしてきて四方山話に花を咲かせる。朝食はコシ
アブラご飯と長南さんが作ってくれた山菜の天ぷら。藪沢さんが作ってくれたカニだし
のみそ汁をいただく。どれもみなじつに美味しい。おかわりして朝から満腹になってし
まった。午前中にカラマツの玉切りをして丸太をピラミッド型に積み上げる。大量の丸
太なので軒下に入らないのだ。そして全員で散歩を兼ねて近くの川までコゴミ採りに出
かける。新緑の優しい光の中を歩き、雪解けの水が流れる川の畔にある放置された田ん
ぼを目指す。そこはまるでコゴミの畑だった。摘みごろのコゴミがいくらでも生えてい
る。明日になれば伸びてしまう葉ばかりで、まさにジャストのタイミングだった。
自宅消費分を採ったら、あとは気持ちよい土手でひと休み。川の流れる音を聞きながら
気持ちよい時間を過ごした。うららかな日差しにキクザキイチゲの花が揺れ、白い雲が
上空を流れていく。何とも豊かな時間が流れていた。