瀬音の森日記 411
追悼植樹
2006. 9. 18
9月18日(日)故・高橋一政(猫ミュウさん)・土筆さんご夫妻の追悼植樹が秋田県
西木町、小波内の「再会の森」にてしめやかに行われた。前日の森林作業に参加した会
員が参加して、仙北市役所の皆さんや小波内地区の皆さんのご協力を得て行われた。植
樹したのは4メートルものコブシ。苗は西木の皆さんのご厚意で手配して頂いた。コブ
シは猫ミュウさんが好きだった木で、白い花が咲くと渓流釣りの季節になった気がする
と話していたことを思い出す。そして、植えた場所は春には土筆でいっぱいになる。
9月3日(日)本会会員であった高橋一政(ハンドルネーム:猫ミュウさん)・土筆さ
んご夫妻が不慮の事故で亡くなられた。秋の西木イベントには本人も参加する予定だっ
た。事故の一報を聞いた会員から、西木で何か追悼が出来ないかと問い合わせがあり、
会として西木の皆さんと相談をしたところ、野中部長、布谷課長、高橋さん、阿部さん
、ほか皆さんのご厚意で追悼植樹をしましょうということになり、準備が始まった。本
来の間伐作業とは別に準備に奔走していただき、こうして追悼の植樹が実現致できたこ
と、瀬音の森を代表して西木の皆さんに感謝したい。本当に有り難いことだった。
追悼植樹の場所は小波内川を望む「再会の森」、ここは秋田瀬音の森でもあり、猫ミュ
ウさんと土筆さんがブナを植樹した場所でもある。会場に集まった参加者の手で移植用
の土が運ばれ、藪澤さんが持参した土壌改良材が土に混ぜられ、コブシ苗を入れた穴に
スコップで投じられた。冬の雪に負けないように2本の杭が打たれ、苗が固定された。
その杭に私が持参した猫ミュウさんの遺品である愛用のヘルメットをかけた。ヘルメッ
トの後ろには猫さんの会員番号の「68」が書かれている。何度も何度も使われて傷だ
らけのヘルメットが猫さんの在りし日を思い起こさせ、また涙が流れた。小雨の中、参
加者一人一人が猫さんの好きだったお酒を手向け、手を合わせて二人を偲んだ。涙雨が
降っていた。植えたコブシの根本に静かに雨がしみ込んでいた。
そういえば、二人がここでブナを植樹をしていたときだった。誰かが川でサクラマスを
発見したのだ。全員が手を休めてサクラマスが産卵場を作る動きを見守っていた。海か
らサクラマスが登ってくる川の横に「再会の森」を作っている。そんな感動を覚えた事
件だった。今、そのサクラマスを見ていた場所に二人を追悼する植樹をした。ブナを植
樹しているときの二人の写真が懐かしく思い出される。二人はいつも一緒だった。
今回の秋田には私は猫ミュウさんと一緒に来るはずだった。クリオンにも二人の名前で
宿泊予約をしていた。イベント前日に桧内川の支流で二人で釣りをするはずだった。猫
ミュウさんも凄く楽しみにしていたのに叶わなかった。こうしてここで追悼植樹が出来
て、猫ミュウさんも少しは満足してくれたかもしれない。
コブシの花が咲く頃、再訪したいものだ。そして、ここで一晩飲み明かしたいものだ。