瀬音の森日記 417
小菅・追悼植樹と蕎麦刈り
2006. 10. 21/22
10月21日(土)・22日(日)の二日間、小菅の山小屋下に追悼植樹としてヤマザ
クラの苗16本を植樹した。参加者は野村さん、加藤さん、稲垣さん、NAKANOさん、
斉藤さん、ミクちゃん、鵜住居さん、ハミングウェイさん、kurooの9名。翌日の蕎麦
収穫には尾崎さんが久しぶりに参加してくれた。
朝8時小菅の畑に到着、すぐにスコップと麻布、麻ヒモを運び、根巻きの作業に入る。
今日はここにある20本近いヤマザクラの苗を山小屋に運び、植樹するのだ。参加者が
来る前に根巻きの作業を終えなければならない。スコップで苗木の周辺を丸く掘る。広
葉樹は土を付けた状態で移植しないと活着しない。これは針葉樹と違う点だ。必然的に
運ぶのが重くて大変になる。ましてや3年も畑で育った苗木だ。大きなものは3メート
ルもの高さに成長しているのだ。土を付けすぎると重くなり運べなくなる。土を落とし
すぎると活着しなくなる。その辺の加減が難しい。ここは人任せに出来ない作業だ。
一本ずつ根巻きをする。思うように出来たものもあり、崩れてしまったものもある。こ
れをどう山小屋まで運ぶかが最大の問題なのだ。半分くらい終わったところに、野村さ
んとNAKANOさんがやってきた。一緒に根巻きを手伝ってもらうが、やはりこれは難し
かったようだ。加藤さんとイナさんがやってきた。今度はどう運ぶかを相談している。
イナさんがネコぐるまを舩木さんから借りてきた。どうやらそれで山小屋まで苗を持ち
上げようとしているらしい。1本1本担いだ方が早いと思うのだが、まあ任せた。私は
残りの根巻きをやらなければならない。
根巻きが終わったので荷揚げと苗木の運搬にかかる。残っている苗は6本。大きな苗を
ザックに固定し、両手に小さい苗を持って山を登る。久しぶりの登山なので大汗をかく
が順調に3本の苗を運んだ。山小屋ではイナさんと加藤さんが肩で息をしている。ネコ
ぐるまで一度に6本の苗を引っ張り上げたのだ。凄いものだ。そこに齊藤さんから電話
があった。下に来ているとのこと。私はすぐに山小屋から下り、合流して荷揚げをする
。残った荷物と大苗2本をザックに固定して最後の一本を肩がらみでぶら下げる。斉藤
さんと一緒に山を登るがあっという間に離される。とにかく重いので歩くのがやっとの
状態だ。汗が滝のように流れてメガネが濡れる。
山小屋にやっとの思いで到着。休憩とお昼が重なり、各自思い思いの食事をとる。山小
屋は事前の情報ほどはネズミの匂いもひどくなく、これなら何とか使えそうだと思われ
た。食事を終えたら体が冷えてきたので、すぐ植樹にかかった。野村さんが運んでくれ
たトウグワで斜面のクサギを掘り起こす。大きなクサギが生えている場所がヤマザクラ
を植えるべき場所の目安になる。そこが日当たりが良く、土も良いところだからだ。ク
サギは根が横に張っているので、簡単に抜けた。穴を掘り、汲んであった水を入れ、す
ぐにかき混ぜ、ゲル状にする。こうしないと水は下に浸透してしまい。植樹の役に立た
ないのだ。そして根巻きしたままのヤマザクラ苗をゲル状の穴に入れ、周囲の土をかけ
る。特に山側の土を穴に入れ、植えた面が平らになるようにする。こうすれば雨を受け
やすくなるからだ。平らになるように周囲を踏み固めれば終了となる。
16本の苗を約2メートル間隔で植えた。一人一人同じ手順で植えていった。まだまだ
小さい苗木だが、活着して大きく育てばヤマザクラの林になるはずだ。山小屋の目の前
でヤマザクラを見ることが出来る。一人一人が手植えした苗が大きく育ってくれればこ
れほど嬉しい事はない。最後にハミさんとNAKANOさんが大きな苗を植えて追悼植樹は
終了した。
さて、山小屋が凄いことになっていた。床のシートを剥がし、棚に置いたものも全て外
に出し、徹底的な掃除が始まった。ネズミの糞も凄かったし、匂いも凄い。ネズミが運
んだ米粒があちこちに山になって固まっている。棚には紙くずをテープ状に食いちぎっ
たもので巣とおぼしきものがたくさん作られていて、ぐしゃぐしゃになっていた。全部
掃きだし、雑巾がけをする。何度か雑巾がけをすると匂いも気にならなくなってきた。
最後の仕上げに石けんの匂いのスプレーをまんべんなく噴射した。そして、新しい銀マ
ットを敷くと匂いはまったく気にならなくなった。これなら完璧に大丈夫だ。
そして、夕飯はハミングウェイさんが担当した豪華なものになった。上質のサーロイン
ステーキが焼かれ、カツオのタタキが回り、串焼きアサリが炭火で焼かれた。冷やした
ビールで乾杯し、宴会が始まった。体力勝負の作業だったので、ビールが美味い。肉を
食べながら飲む赤ワインも美味しい。鵜住居さんのクラッカー&チーズとシングルモル
トの組み合わせも良かった。宴がたけなわになると、猫さんの話になる。そう、今回は
追悼の集会なのだ。焚き火の周辺でも談笑が続き、話の間が空くと猫さんがどこからか
「やあ、遅れました・・」
と言いながら出てきそうな気がしてならなかった。
翌朝、朝プシュで始まり、雑炊を食べ、山小屋の片づけをして下山した。私と野村さん
、鵜住居さんが残り、畑の蕎麦収穫をすることになった。そこへ久しぶりにカヌ沈隊長
の尾崎さんが来てくれた。こういうサプライズは嬉しい。4人で畑の蕎麦を摘みに行く
。蕎麦を刈り取るには遅くなってしまったので、出ている穂をつみ取る作業になってし
まったのだ。4人で手分けして蕎麦の実をつみ取り、広げたブルーシートの上でゴミ拾
いをする。より分けた蕎麦の実は野村さんが家で干すことになった。こうして二日間の
作業は終了した。皆さん、お疲れさまでした。