瀬音の森日記 440




秩父の薪割り



2007. 8. 11


8月11日(土)正丸オートキャンプ場で薪割りをしました。これはお世話になってい
るオーナーの杉田さんからのお願いで、キャンプ場で使うための薪作りだった。参加者
は渡部さん、関根さん、NAKANOさん、吉瀬さん、kurooの5人。         

まずは管理棟の庭にブルーシートを張る。真夏の日射しの下で薪割りなど自殺行為なの
で、せめて日射しを避けて作業が出来るようにしておく。このシートを一枚張るだけで
もまったく温度が違う。ここは朝のうちは涼しいくらいだったのだが、9時を過ぎ、日
射しが照りつけてくるとあっという間に気温が上がり、日陰に行かないと立っていられ
ないような暑さになっていた。作業開始時間にはすでに32度を越えていたと思う。 

管理棟脇に乾燥した丸太が積んであり、それを順に割る。この乾燥したナラやミズキの
丸太が割れないこと、割れないこと。これらの丸太は乾燥すると木理がガッチリと食い
込み、まるで糊で固めた棒のようになっている。矢(鉄製のくさび)を使っても割れな
い程固く締まった丸太は、1本割るだけで全身が汗まみれになってしまう。ひたすら斧
を振り下ろし、少しずつ削るように割っているうちに滝のような汗が流れ出す。加えて
最高気温36度に達するかという日だったから本当に大変だった。         

薪割り作業開始後2時間ほどで昼になり、休憩となった。渡部さんは着替えて川に飛び
込み、頭から水をかぶって大騒ぎをしている。NAKANOさんは足を川の水に浸けて涼ん
でいる。私も作業用の長靴を脱ぎ、サンダルに履き替えて川に飛び込んだ。冷たい川の
水が頭の中までスッキリさせてくれ、最高に気持ちよかった。関根さんは看板の作製に
余念がない。知り合いから頼まれた看板で、書をしたため、篆刻する大作だ。みんなの
意見をいろいろ聞いて参考にしているようだった。私はスカリ製作用のスゲの細縄を綯
(な)っていた。みんなのために杉田さんが持参のカボチャを煮てくれた。甘くて柔ら
かいカボチャだった。思い思いの時間を過ごしながら昼食を食べた。吉瀬さんは午前中
の作業を終えて帰った。急ぎの用事があるとの事だった。             

午後の作業も薪割り。暑いのでもう一度長靴を履いたり、革手袋をするのは辛かったの
だが、もう一頑張りと気合いを入れて薪割りに励んだ。最後の方は空振りしたりと、明
らかに腕に疲労が出てきたので、渡部さんとも声を掛け合いながら最後まで怪我の無い
ように注意して作業を進めた。午後3時半、やっと全ての丸太を割り終わった。割った
山のような薪を崩れないように積むのが最後の仕事だ。両側を井桁組みにして上へ上へ
と積む。長さも太さも不揃いだが、積み終わると何だかきれいに見えるものだ。薪の壁
を見ていると達成感が湧いてくる。                       

ひと休みしてからNAKANOさんは釣りに、関根さんは看板の製作、渡部さんは夕飯の準
備、私は買い出しとそれぞれの用事に向かう。夕飯はたっぷりの薬味が並んだ素麺だっ
た。ザルに盛られた素麺をネギとミョウガの薬味で食べる。買ってきた冷たいビールも
喉を鳴らし、夏の食事はこれに限る・・とみんな納得の夕飯だった。キャンプに来てい
た若者と焚き火を囲んで飲みながらの歓談もあり、楽しい時間を過ごすことが出来た。

夜になると寒いくらいの気温になり、焚き火が嬉しいという気持ちになる。昼の暑さが
嘘のような夜のキャンプ場だった。お酒や焚き火の暖かさや、若者との楽しい会話に程
良く酔い、夜のふけるのを忘れていた。結局12時近くなって寝たのだが、涼しくてシ
ュラフにもぐり込んで熟睡していた。