瀬音の森日記 504
製材勉強会
2009. 11. 28
小鹿野町丸圓製材所で製材や材木について勉強会を開催した。
11月28日(土)小鹿野町の丸圓製材所で製材の勉強会を開催した。オーナーの久保
さんのご厚意で、木鉢作りやまな板作りも経験することができた。参加者は主催の関根
さん、NAKANOさん、渡部さん、さっちゃん、クロさん、野村さん、たんぽぽ屋台さ
んと kurooの8名。近くにお住まいの杉田さんも駆け付けてくれた。
会場に着くと、みんなが何か作業をしている。久保さんの紹介で小鹿野町の今井さんが
コネ鉢作りを指導してくれ、みんなで木鉢を削っているところだった。材料はイチョウ
で、慣れないチョウナで削るのが難しいようで、みんな苦戦していた。私もその輪に加
わり、誰かが途中まで削った木鉢を削り始めた。一昨年大滝の中津川で木鉢作りを経験
しているので、他の人よりは上手く道具を使える。こればかりは慣れるしかない。
遅れていた野村さんが到着し、全員が揃った。関根さんの集合がかかり、今日のイベン
トの主旨が伝えられ、久保さんの案内で製材工場へと向かった。今日は普段あまり見る
ことが出来ない製材の現場で、木材がどう加工されて製品になるのかを勉強するのが目
的だった。バンドソーで丸太を切って板にする場面は迫力があり、目が釘付けになる。
みんな初めて見る光景に興味津々だ。丸太を運び、固定し、台車を動かす。久保さんが
解説しながら作業してくれて、とても分かりやすい説明がありがたかった。
百年生の檜が二本、大学の門になるという檜を四角に製材して太い柱にする。最初から
最後まで目が釘付けになる作業で、出来上がった柱はまだ湿っていた。木肌をなでなが
ら、いったい何処に立つ柱なのか・・・素晴らしい木目が出ていた。丸い丸太を四角の
柱に製材するというのは、出来上がるまでの過程がとても興味深かった。こうして山の
木が世の中に出て行くのだという事が実感として分かる過程だった。
本日のメイン製材の材料が到着した。木材会社のトラックが太いシラカシを運んできた
。今日はこの太いシラカシを半割に加工するらしい。製材会社の人がフォークリフトを
器用に運転して、荷台から太いシラカシを運ぶ。シラカシは直径70センチはあろうか
という巨木で、あの小さいフォークリフトでよく動かせるものだと驚くやら感心するや
ら。よほど慣れていないと大惨事になりそうな作業だ。素人にはとても真似できない。
シラカシが地響きを立てて下ろされる。見ているだけでも怖くなる。ここまでやって一
休みしようということになった。
休憩時間に二人引きのノコギリの話になり、みんなでやって見ようという話になった。
製材所の横に積んである丸太の中から適当な太さの丸太を選んで切ってみた。二人の息
が合わないとスムーズに切れないが、息が合うと面白いように切れる。それぞれパート
ナーを変えて順番に全員が挑戦した。息の合う人、会わない人、それぞれに楽しい時間
を過ごした。足場の悪いところから、地面に下ろしてやってみたり、全員が汗を流しな
がら楽しんだ。なんだか面白かった。
休憩が終わり、いよいよ太いシラカシが機械にセットされる。クレーンを使って台車に
セットされたシラカシはじつに堂々としている。この台車は12メートルの長さまでバ
ンドソーで切ることが出来るが、久保さんも「これだけ立派なシラカシは滅多にない」
と感心するシラカシだった。慎重に久保さんが面取りをする。まず出っ張ったところを
削り、太さを揃える。そしていよいよ半割りの作業に入る。ゆっくりと台車が動き、バ
ンドソーが高音を上げる。シラカシは固いのでゆっくり切らないと機械が熱を持ってし
まう。油を注しながら慎重に台車を動かす。
シラカシの半割り終わり、またフォークリフトを上手に使ってトラックに移された。こ
のまま製材所に運び1年から2年乾燥させ、その後加工に回すらしい。まだどんな用途
に使うのか決まっていないとのこと。トラックに乗せられた丸太の切断面にみんなが群
がる。素晴らしい木目が出ていた。針葉樹の木目と違い、カシの木は一本一本木目の出
方が違うそうだ。その木目によって用途が変わる。よい木目が出れば凄い値段になる事
もある。今回の木目は期待通りだったようだ。
半割作業はとても慎重にやったので時間がかかり、午前中の作業はここで終了となった
。各自自分の昼食を持ち出して食べる。先ほどまで見ていたシラカシの木目や、上に置
いてある屋久杉の木目について語りながらの楽しい昼食だった。さっちゃんが美味しい
ロールキャベツとサンドイッチを作って来てくれた。図々しくもそれを頂いてお腹いっ
ぱいの昼食になった。
午後も製材の色々を久保さんに教えてもらい、様々な木の板を鑑賞した。使用目的に合
わせて加工する方法や出来上がりの違いを教えてもらい、とても有意義な製材勉強会と
なった。久保さん、関根さん、ありがとうございました。