面影画
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6月3日 ブログに面影画のことを書く
テントにつける看板をダンプラで作った。面影画の看板だ。
面影画(おもかげが)
6月1日から会社を長期休暇して、岩手に災害復旧ボランティアに行くことにした。
何をするかというと、絵のボランティア。期間は三ヶ月くらいを予定している。
陸前高田市の避難所で亡くなられた方や行方不明の方の面影を絵にしようというもの。
「面影画(おもかげが)」という名前をつけたのだが、人物画でもなく似顔絵でもないこ
の絵は「面影画」としか呼びようがない。
写真があればそれを元にして、写真がなくても約3000人分の顔写真をサンプルにし
てモンタージュ方式で笑顔を再現して水彩画に定着させる。
誰もやったことがない作業だし、出来るかどうかも分からないが、今までの総力を注ぎ
込めば出来るのではないかと思う。
津波で何もかも流されてしまい、残っているのが記憶だけというのは、いくらなんでも
悲しすぎる。せめてお盆やお彼岸までに、ひとりでも多くの笑顔を描いて届けたい。
4月の初めから、そんな想いで準備を始めた。場所は、気仙川で釣りをして、高田の松
原で遊んだ記憶をたどり、陸前高田に決めた。
テントや生活用具一式を持参しなければならないので、準備が大変だった。一番大変だ
ったのは現地の情報が分からないこと。
電話では詳しいことが分からず、最終的には5月21日に現地に行って、直接、社会福
祉協議会や避難所を訪ねた。幸い、最初に訪れた避難所で話が決まり、そこにお世話にな
ることにした。事務局長がとりまとめしてくれ、まだ何も始まっていないのに、すでに予
約が入っているとのこと。
気持ちが通じるのは本当にうれしい。
今日はコンパネや垂木を買って車に積み込んだ。看板はダンプラで作った。
3日の夜に東京を発って陸前高田に向かう。4日は一日設営作業をして、5日からいよ
いよ「面影画」を描く。
これから三ヶ月続く活動の始まりだ。