面影画75


9月6日の面影画は山田美加さん




描いた人 山田貫一さん  七十六歳 父                       
     山田千代子さん 六十三歳 母                       
     パンチ      九歳 犬                        

文章はご本人の希望により不掲載です。



 9月6日の面影画は山田美加さん。                          

 津波で亡くなられたご両親と愛犬を描かせていただいた。                

 「家が流されちゃって、写真がこれしかなくて・・」と何枚かの写真を持って来てくれた美加
さん。話し出してすぐに涙が出てしまい、止まらない。                  

 無理もない、目の前で両親が津波に呑み込まれ、手にしていた綱を離した愛犬も津波に呑まれ
てしまった。息子と二人で津波から逃げた恐怖は今も消えない。かける言葉もなく、話を聞きな
がらこちらも涙が出てしまう。                             

 出来る事は、絵の中に美加さんの思いを込めること。                  

 いつの日かこの絵を見て、笑っているご両親を思い出してくれれば嬉しい。        

息子さんと絵を受け取りに来てくれた美加さん。 毎日の夕参りが欠かせない。今日のような重い話の時は特に・・・