再び国立での決勝へ


2003年11月浦和レッズは再度優勝をかけてアントラーズと戦う。


昨年の11月4日、東京国立競技場でのナビスコカップ決勝戦で浦和レッズは鹿島
アントラーズに1対0で借敗した。準優勝というのがあれほどつらいものだとは思
わなかった。スタンドから重い足取りで駅まで歩く道すがら、鹿島アントラーズサ
ポーターの嬉々とした笑い声がぐさぐさと胸に突き刺さり、殴りかかりたい衝動に
かられたことを思い出す。                         

あれから1年。我が浦和レッズは今年もファイナリストとなり決勝の地に望む。対
するはまたしても鹿島アントラーズ。願ってもない相手である。昨年の悔しさをバ
ネに、歯を食いしばってここまで勝ち上がって来た選手達にとっても、我々サポー
ターにとってもこれ以上ない相手である。準決勝の清水戦終了後、駒場での場内ア
ナウンスが「決勝の対戦相手は鹿島アントラーズです!」と告げた時の場内のどよ
めきが歓声に変わったのもその現れだったと思う。              

昨年は初タイトルに向けて選手も周りもサポーターも舞い上がっていた部分があっ
た。私もすっかり舞い上がっていた。今年は昨年の経験が生きて、チームもサポー
ターも特別なことはせずに平常心で決戦を迎えようとしている。それでもチケット
が10分で完売になったり、並びの列が2000番を越えるような状況だ。静かに
熱く、決戦の日を待っている。                       

名誉あるファイナリスト、その称号だけでは足りないものを掴むために。手が届き
そうだったが逃してしまったタイトルという名誉を掴むために。これからのチーム
の礎となる大きな1勝を勝ち取るために。10年待った思いをこの1戦にかけて、
去年国立競技場に置いてきた優勝カップという忘れ物を取りにいくのだ。    

何とかしてチケットは手に入れた。フラッグも買った。いつものように民族衣装に
身を包み、決戦の地に行くだけだ。いつもと変わらぬサポートをして選手を励まし
、良いプレーには拍手をしよう。そして歓喜の瞬間を選手達と分かち合いたい。 

2003年11月3日 国立競技場 14:05 キックオフ         




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