ナビスコ準決勝第1戦に完敗


8月31日(水)ジェフユナイテッド千葉との試合を駒場スタジアムで観戦した。


05年ヤマザキナビスコカップ準決勝:ジェフユナイテッド千葉:駒場スタジアム

ナビスコカップの準決勝が駒場で行われた。相手はオシム監督率いるジェフユナイテッ
ド千葉。オシム監督になってからのジェフ戦は負けは無い。相性の良い相手といえそう
だ。今日の席はメイン東側2階最前列で、いつもの席とは違う席だった。6番ゲートの
入り口にエスクデロがいた。入場の手伝いをしているようだった。「セルヒオ!応援し
てるよ」と声をかけたらニッコリ笑ってくれた。握手した手が意外と大きかったのに驚
いた。早くレギュラーになって活躍して欲しい選手だ。今日の席はクルヴァが目の前に
見えて応援するにはもってこいの場所だった。30分前にはJICKYさんも到着して応援
の態勢も整えた。                               

今日はいつもと違う入り口6番ゲート。エスクデロがいた。 ピッチの眺めもいつもと違う。クルヴァが近いので応援しやすそう。

今日は試合前の演出が素晴らしかった。赤・白・黒のデカ旗が正面から下がり、その旗
が落ちた後には三色の帯がバックスタンド一帯に下がり、駒場スタジアムのバックスタ
ンドがチームカラーの3色に彩られた。メインスタンドから見る光景は駒場ならではの
もので、この試合にかけるサポーターの熱意が伝わってきた。この演出に見とれていた
らキックオフのホイッスルが聞こえず、何だかあたふたとした試合開始になってしまっ
た。何となく選手もまた駒場の雰囲気に飲まれたようなところがあったのではないだろ
うか?いきなり開始早々に闘莉王がファールを与え、阿部のフリーキックに巻が飛び込
んで先制を許してしまったのだ。                        

三色のデカ旗が現れた。今日の試合にかけるサポーターの意気込み。 デカ旗に続いて3色のラインが。これは初めて見る演出。

開始1分の出来事だった。目の前の混乱したゴール前で何が起きたのかを実感する間も
なく、1点ビハインドになってしまった。巻のゴールがハンドだったということを後で
聞いたが、いきなりあの形に追い込まれてはダメだろう。キックオフから集中したジェ
フと、何となく始めてしまったレッズの差が出たのだと思う。試合前の演出はキックオ
フの前に終わらせて、その瞬間にスタジアム全体で集中するようにしないといけないの
ではないだろうか。私自身の反省も込めて今後は注意したいものだ。        

この1点でジェフのゲームプランは固まったように思う。巻をトップに残し、全員で守
り、カウンターに徹する。特に中盤の守備からの速攻は良く走るジェフの選手にレッズ
の選手は追いつくのがやっという状態になっていった。レッズが攻めるときも常に局面
で数的不利な状態を作られ、ボールを奪われてカウンターという場面が繰り返された。
本当にジェフの選手は良く走る。常に走りながらスペースを作り、そこに後ろから別の
選手が飛び込んでくる。前半早々から何度もゴール前に飛び込まれて、その度に周辺で
悲鳴に似た声が上がった。                           

そして前半17分、左を駆け上がった坂本に対したのは山田。あろうことか簡単にクロ
スを上げられ、そこに飛び込んだのはまたしても巻。ピンポイントでヘッドが決まり、
2点目が入ってしまった。坂本のクロスに飛び込む巻のスピードが素晴らしく、ケチの
付けようがない完璧な失点だった。駒場がシーンとなり、遠く出島の一角だけが盛り上
がっていた。この失点は凹んだ。山田のチェイスはもっと厳しく行かなければならない
場面だったし、中は巻一人なのだからそこをケア出来ないディフェンスもだらしない。

前半早々に2失点して、やっとレッズの選手も目が覚めたようだ。30分くらいからジ
ェフのゴール前でボールが回るようになった。でも、これもボールを持たされている感
があり、相変わらずジェフのゲームであることは変わりなかった。こぼれ球への反応が
ことごとく一歩遅く、球回しもおっかなビックリになっているのだから情けない。長谷
部が良い形でボールを奪っても、すぐに取り返される。後ろで回すボールにもジェフの
選手がしつこく追って来るのでパスミスが出る。                 

前半終了間際、ジェフのゴール前でマリッチが倒された。マリッチは倒れるとすぐにベ
ンチに向かって両手で交代のサインを出していた。「ん?どうしたんだ??」何が起き
たか分からなかった。その後ジェフの選手ともみ合いがあり、マリッチはスタスタとこ
ちらに歩いてくる。「え?退場なのか??」「交代なんじゃ?」周辺がざわついている
。後で知ったのだが、この時マリッチはストヤノフのひじ打ちでほお骨が陥没骨折して
いたのだそうだ。そんな事はまったく感じさせない表情と仕草だった。マリッチ・・強
い男だ。凄い男だ。                              

マリッチに替わって達也が入った。その直後、ゴール前の混戦からポンテのロビングヘ
ッドが炸裂した。前半終了間際の追撃弾だ。そしてすぐに前半終了のホイッスルが鳴っ
た。駒場は今までの静けさがウソのように湧き上がっている。ハーフタイムの間もアッ
プを続ける達也に向かってコールが続けられた。この雰囲気で同点に持ち込めれば逆転
までいけるかもしれないと思わせるポンテの得点だった。             

後半開始早々から達也の一人舞台だった。縦横無尽にジェフのディフェンスを切り裂き
クロスを上げ、シュートを放つ。最前線で追い込み、ボールを奪い、シュートする。サ
ポーターは声を張り上げて達也を押す。本当にいつ同点になるかという時間が続いたの
だが・・・こんな時に、こんな時にジェフの鮮やかすぎるカウンターが決まってしまっ
たのだ。前がかりになったボランチの後方にポッカリと空いたスペースに、なぜかジェ
フのラインが出来ている。最後は2対1となり内舘は何も出来ずに知らない外人のキャ
ノンシュートを浴びてしまった。あれは都築にもどうしようもない。        

この3点目で全てが終わった。被シュート4本で3点・・・研ぎ澄まされた切れ味のシ
ュート。最後までスピードの落ちない走り。約束事に忠実な連携からのカウンター。点
差以上に完敗だった。ナビスコカップ決勝へ行くには10月5日の試合で3点差を付け
て勝たなければならない。今のレッズにその力があるのか・・・ギドの力を問われる戦
いになりそうだ。もちろん選手は猛反省し、必死に戦わなければ勝てないだろう。  

走り負けとでも言えるような負け方だった。 挨拶に来た選手に拍手とブーイングが・・・私は無言で



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