雨の中の消耗戦:横浜とドロー


9月24日、台風接近のサイスタで横浜Fマリノスとの試合を観戦した。


05年Jリーグ第25節:横浜Fマリノス:サイタマスタジアム2002

台風17号が接近する中、サイスタに向かう道は傘の列が続いていた。スタジアムへの
途中にある屋台村も閑散として雨の影響は大きいようだ。差している折り畳み傘は小さ
くて足元はびしょびしょになっている。いつもは歩きながら気分を高めて行くのだが、
今日のような雨の日はそれが難しい。マイナスのイメージばかりが浮かんでくる。雨の
日の試合は過去の記憶では悪い試合は少ないのだが試合前に雨が降っているのはどうも
盛り上がりに欠ける。                             

傘の列が続くサイスタへ向かう道。 レッズバーもコンサートも雨の日は人がいない。

スタジアムは雨にもかかわらず大勢のサポーターが集まっていた。多くの人が席に行か
ずコンコースで雨を避けて試合開始の時を待っていた。私も友人に教えてもらった駒場
ラーメンを食べながらコンコースで待っていた。1時間前になったので席に着くと、雨
の中大勢のマリノスサポが整列して選手入場を待っているのが見えた。昨年のCS以来
のサイスタ決戦で、レッズもマリノスもプライドをかけての戦いとなる。自ずとサポー
ターも力が入る試合となるはずだ。サイスタで二度とマリノスに負けて欲しくないのが
レッズサポの正直な気持ちだ。                         

これが噂の駒場ラーメン。チャーシューが旨い。 雨の中勢揃いしたマリノスのサポーター。

布陣はお互いに3・5・2でがっぷり組み合う形だ。今日の興味はお互いのディフェン
スだ。レッズは闘莉王がケガで欠場、マリノスは松田が累積で欠場。攻撃的なセンター
バックの両選手が欠場でディフェンスラインの統率はレッズが堀之内、マリノスは中澤
が担当する。この辺がどう試合に影響してくるか?どちらもまず守備を固めてくること
は間違いなさそうだ。不用意なファールによるマリノスのセットプレーは警戒しなけれ
ばならない。                                 

ピッチでは試合前の練習が始まった。徐々に気持ちが高ぶってくる。

攻撃はレッズが田中・永井のツートップにポンテがどう絡めるか。マリノスはグラウと
坂田のツートップが浦和DFの裏を取れるかどうか?奥のスルーパスがどこで出るかと
いう点が見どころになる。また、サイドの攻防も激しくなるのは必至で、山田対ドゥト
ラ、アレックス対田中隼磨のマッチアップがどうなるかも目が離せない。最も厳しい戦
いになりそうなのがお互いのボランチだ。長谷部と啓太に対してマグロンと那須、この
ボランチがそれぞれポンテと奥とどう連携してくるか?いずれにしても似たもの同士の
戦いで厳しい戦いになりそうだ。                        

スタメン発表。選手の名前を叫び拍手する。 試合前の整列。ゴール裏に巨大な白いハートが出現した。

キックオフの笛が鳴った。試合開始直後からレッズの左サイドが押し込まれる。レッズ
の弱点であるアレックスの後ろにボールを集められ、ネネの対応が忙しい。しかし、今
日のネネは良かった。時にアレックスと前後しながら、田中隼磨の上がりをけん制する
。奥がしきりに絡んでくるのがうっとおしい。奥が激しく前後左右に動くのがやけに目
立つ。奥ってこんなに動く選手だったっけ??                  

やはり今日はディフェンスの日のようだ。田中や永井がラインの裏を取りかけると、最
後の最後に中澤の長い足が壁になる。逆に坂田が裏を狙う場面では堀之内が良くライン
を統率してオフサイドにする。どちらも最後のディフェンスが固い。布陣はとてもコン
パクトで中盤のせめぎ合いが激しい。奥の動きがポンテの動きを上回っている分マリノ
スが押している感じだ。田中隼磨やドゥトラの早いクロスを坪井や堀之内が体で止める
。お互いのディフェンスが集中を切らさない。お互い惜しい場面はあったのだが、せめ
ぎ合いながらの降着状態が続き、前半は終わった。                

今日はポンテの動きが悪い。両足のケガを押しての出場だから仕方ないのだが、そこを
フォローする選手がいないのがつらい。何とか出来る選手だから任せてしまう気持ちは
分かるのだが、ここでフォロー出来れば局面はガラリと変わるのに・・という場面が多
かった。永井の動きの質が問われるのもこんな場面の多さ故なのだろう。離れて待つの
ではなく、近くでワンツーを仕掛ける方が有効なのにそれが出来ない。       

後半も同じような展開が続く。これは我慢比べのような試合だ。DFは最後の最後で突
破を許さない。中盤のセカンドボールの奪い合いが果てしなく続く消耗戦。奥の動きが
鈍くなって、マグロンが動けなくなって、やっとレッズの攻勢が始まった。しかし、山
田のシュートはキーパー正面に、達也のシュートは中澤の足がかろうじてブロック。マ
リノスも奥のフリーキックを都築にファインセーブされ、中澤のヘッドは枠を捉えられ
ず・・・という展開。最後は永井に替えてマリッチを投入したが機能せず・・・お互い
の良いところを消し合うという壮大な消耗戦は0対0のスコアレスドローに終わった。

試合が終わって駅に向かう帰り道。下を向いた長い列。 帰途につく鞠サポ。おつかれさん。

雨の中49800人という大観衆が集まり、手に汗握った戦いはレッズにとって厳しい結果
に終わった。勝てなかった。勝ち点1しか積み上げる事が出来なかった。首位ガンバと
の勝ち点差は7、優勝にまだ望みはあると思いたいが痛い引き分けだ。小雨が降る駅ま
での長い道、足元ばかりを見ながらひたすら歩いていた。             


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