大勝も喜べず:エースの悲劇


10月15日、ホーム駒場で柏レイソル戦を観戦しました。


05年Jリーグ第27節:柏レイソル:駒場スタジアム


浦和駅前の伊勢丹には壁に全員の写真が掲示されている。 浦和市内にあるオフィシャルショップ「レッドボルテージ」


ボルテージの店内。試合前のレッズサポが溢れている。 レッズサポ飲み会の拠点、居酒屋「リキ」も開店前の準備中。


ピッチでは練習が始まった。柏の中央にラモスの姿がある。 試合開始前の整列。応援の特別なパフォーマンスは無かった。

10月15日(土)駒場スタジアムでの柏レイソル戦を観戦した。結果は7対0で完勝
だったのだが、達也が大ケガをしてしまい、そのショックが大きくてまだ勝利の実感よ
りも困惑と動揺している自分がいる。達也のケガは右足関節脱臼骨折で、全治:約5〜6
ヶ月という事だ。靱帯を損傷していればそれよりも長くなる可能性もある。サッカー選
手は常に全力で動いているため大きなケガを負いやすい。福田も小野も山瀬もみんな全
治まで何ヶ月もかかる大ケガを負っている。今回のケガはプレー中の事なので不慮の事
故と言うしかないし、タックルをした土屋選手に対して悪く言う気持ちはない。その瞬
間に動揺し、呆然としていた土屋選手には事の重大さが痛いほど分かっているはずだ。

試合はレッズの一方的な試合だった。レイソルの選手はラモスコーチの指導のせいなの
か、ハードなプレーが多くてハラハラしながら見ていた。案の定、後方からのタックル
が多くなり、イエロー2枚でキャプテンの明神が退場になった。その段階で勝負あった
という状態だった。明神を失ったレイソルの中盤は明らかに後手後手のディフェンスを
繰り返し、レッズの勢いを止められずズルズルと下がっていく。レッズの得点は時間の
問題だった。前半はポンテの1点だけだったが、後半開始からレッズは猛攻を見せ、4
分に達也、9分にマリッチ、12分にもマリッチが得点し勝敗は決まった。     

土屋のタックルが達也の背後を襲ったのがそんな時だった。二人退場になり、4点差が
ついてしまった。審判への不満もあったのかもしれない。やや「こんちくしょう」とい
うような気配が漂うタックルだったように思う。遠くのサイドだったので、倒れた達也
をのぞき込んだポンテが両手を広げてベンチと審判に何か叫んでいるのを見て、大変な
ことになったのを知った。達也は動かず、担架のまま下がったのを見て重傷だと感じた
。土屋が下を向いてすまなそうにしているのが印象的だった。その後の試合もレッズの
一方的な攻勢で得点も上げて大勝だった・・・のだが、達也の情報が無く気がかりだっ
た。帰り道は雨が降ってきたこともあり、帰宅を急いだ。             

達也の得点。この時はその後の悲劇など予想もしなかった。 試合終了時のレイソルサポーター。さすがに落ち込んでいる。

家に帰って、インターネットで達也の情報を探しているうちに、タックルの写真や動画
が出てきて、大勝した気分はどこへやら、どんどん気分が落ち込んでいった。これだけ
の大ケガをしたらワールドカップは難しいだろうし、第一元に戻れるかどうかも分から
ない。達也のキレが戻らないとしたら、サッカー選手としての選手生命にも関わってく
るだろう。正直なところ、スタジアムではこれほどの大ケガとは思ってもいなかった。
7点取って大勝し、浮かれた気分は、あっという間に消えて、今は達也の足が回復する
ことを祈るだけだ。この試合をビデオで見直すことは出来そうもない。       

病院のベッドで激痛に耐えながら田中達也という男がクラブに頼んで発表した言葉が新
聞に載っている。タックルした土屋選手を攻めないでくれというものだ。なんて大人な
んだろう、なんてプロフェッショナルなんだろう、本当に凄い選手だ。       
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浦和レッズ、そして田中達也を応援してくださるファン・サポーターの皆様へ    

「昨日、柏レイソルとの試合中に土屋選手との接触で怪我をしてしまい皆様にご心配を
おかけしています。怪我をした直後はショックと痛みで冷静さを欠いていましたが、時
間が経つにつれ平常心を取り戻しつつあります。これからは気持ちを切り替えて一日で
も早くピッチへ戻れるようリハビリに務めていきたいと思っています。しばらくの間、
皆様の前でプレー出来なくなってしまいましたが、今シーズンは、まだ終わった訳では
ないですし、今まで通り熱い声援をよろしくお願い致します。そして、柏レイソルと土
屋選手への誹謗中傷はおやめくださいますよう合わせてお願い致します。我々、プロサ
ッカー選手は常に全力でプレーし、皆様に最高のプレーをお見せすることに務めていま
す。その上でのアクシデントは付き物だと私も十分理解しています。土屋選手にも昨夜
、怪我については気にしないようにと伝えていますので、どうぞご理解下さい。それが
、今一番の気がかりとなっています。最後に、必ずピッチに戻りますので、また、応援
よろしくお願い致します」                           
                            浦和レッズ 田中 達也
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また応援させてくれ。ガンバレ達也!                      


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